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楽天・松井稼頭央 15年ぶり西武復帰へ

西武時代には最多安打2度、盗塁王3度獲得。02年にはトリプル3も達成した松井

 楽天・松井稼頭央外野手(41)の西武復帰が現実味を帯びてきた。クライマックスシリーズ(CS)登録メンバー、来季の構想からも外れた松井稼に対し、楽天は指導者のポストを用意して慰留を図るも現役続行を強く希望して固辞。日米6球団目となる新天地を探す動きになっている。そこに浮上してきたのが、近い将来の監督候補として再獲得構想を温めてきた古巣・西武への来季復帰案だ。FA権を行使しメッツへ渡った2003年オフ以来、15年ぶりの古巣復帰となる。

 西武、メッツ、ロッキーズ、アストロズ、楽天と日米5球団を渡り歩いた松井稼は今季わずか44試合の出場にとどまり、打率2割1分1厘、2本塁打、10打点でプロ24年目のシーズンを終えた。

 14日から始まる西武とのCSファーストステージの登録メンバー、来季のチーム構想からも外れた松井稼に対して、楽天は指導者のポストを用意し慰留するも、現役続行に強い意欲を見せる本人の前に交渉は不調に終わったという。23日に42歳を迎える名球会野手の前途に選択肢は多くないはずだが、古巣・西武だけはOBである松井稼を再獲得する強い動機がある。

 ある西武グループ関係者は「ウチは動くと思いますよ。今は大事なCS前だから静観するでしょうけど、その案件はすでにホールディングスの方に上げられている。ただ、彼(松井稼)は一度FAで出て行った人間ですから、オーナーサイドも慎重に検討を重ねている。時間は少しかかるかもしれません」と証言した。

 松井稼の復帰案を以前から温めていたのは今季から編成権を与えられている渡辺久信シニアディレクター(SD=52)だ。球団関係者は「SDは次の世代の監督候補の意味合いも含めて稼頭央の復帰を大きな流れの転換点と考えている。これまでのウチは(FAやポスティングで)出て行く流ればかりが目立っていますが、稼頭央を戻すことによってその後に続いたFA組(豊田、和田、細川、中島、片岡ら計15人)や(ポスティング移籍の松坂)大輔なんかも将来的に帰ってきやすい流れが生まれる。何より当時のライオンズを応援してくれたオールドファンが帰ってきてくれるかもしれないじゃないですか」と解説。現在チーム再建中の辻監督後を見据えた3年、5年、10年先の編成を描いているという。

 もちろん、松井稼を現役として戻すのには戦力面以外に若手育成面の生きた手本とする役割が期待されているから。前出関係者は「起用のベースは内野のユーティリティーでしょう。でなければ(鬼崎、渡辺直、木村昇の)内野手3人を一度に切ることはあり得ない。それをこなしつつ、誰よりも多い練習量と練習に向かう姿勢を若手に植えつけてもらう。特にこれからチームの核にならなければいけない源田の教育係としては適任」と現場での松井稼のポジションを予想する。

 くしくも今季、ブレークした源田について松井稼は「いや~な選手ですね。守備も堅実だし、打つ方もあれだけ走ってくるし、小技もできる。状況を見てちょっと引っ張ってもくるし、ホント、いや~な選手」と本紙にコメント。最大級の興味と賛辞を贈っていただけに、18歳年の離れた「西武ドラ3の俊足遊撃手」同士の合体に関係者の注目と期待が注がれている。

 後藤オーナーの決裁を待って、ポストシーズン終了後にも西武は一気に松井稼復帰に動くことになる。