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これがメジャー球団の「大谷二刀流」起用法

本塁打を放つ大谷。この光景をあと何度見ることができるのか

 日本ハム・大谷翔平投手(23)が12日の楽天戦(札幌ドーム)に先発し、5回2/3を1安打無失点。7―0の勝利に貢献し、今季3戦目で初勝利(2敗)を挙げた。メジャー16球団、総勢32人が見守る中、大谷は「ピッチングという内容には程遠かったが前回より投げ心地は良かった」。その一方で大谷獲得を目指す複数のナ・リーグ球団が仰天の「二刀流プラン」を描いていることが分かった。それは野手で先発出場させ、ゲーム終盤にクローザーとして起用するというものだ。

 投手として今季初めて上がったお立ち台で、大谷はざんげの言葉を並べた。

「本当にうれしいけど、こんなに遅れてしまって申し訳ない。いい投球を見せられて良かったし、勝てて良かった。(イニングの)途中で降りてしまったのは悔しい。最後まで投げ切れるように、そういう姿を見せられるように頑張りたいと思います」

 この日の最速は163キロ。適度に制球が荒れ、要所でスライダー、フォークが効果的な高さに決まり、結果的に楽天打線を翻弄した。球数を80球に制限していたため、78球に達した6回二死で降板した。

 ネット裏から熱視線を送っていたナ・リーグ東海岸の球団スカウトは「全体的に良かった。特にスライダー、スプリット。ピッチングに対する勘がいい。今年あまり投げていない割に球は良かった」と高評価。ナ・リーグ西海岸の球団スカウトも「良かった。彼と比べられる選手はいない。投打両方やっているんだから」と手放しの褒めようだった。

 今季残り3試合程度の登板数を考えると、投げるたびに視察するメジャー球団数が増えていくショーケース(品評会)化は仕方ないのかもしれないが、今オフの争奪戦を念頭に置いたメジャー側のプレゼンイメージは「ある方向性」が顕著になってきているという。

 匿名を条件にあるメジャー関係者はこう打ち明けた。

「投手も野手もやりたい大谷にとって、スムーズにその願いをかなえられるのは、DH契約選手が別にいるアメリカン・リーグよりも投手が打席に立つナショナル・リーグだと思う。そして、私が知る限り複数のナ・リーグ球団が大谷の二刀流プランについて、野手で先発出場させた上でのクローザー構想を描いている」

 具体的には外野手、クリーンアップとしてスタメン出場した大谷が、勝ちゲーム、連投による疲労度などを考慮しながらゲーム終盤にクローザーとしてマウンドに上がり、試合を終わらせるといった日本ハムでは未知の領域である“スーパー2ウェイプラン”だが、米国側は至ってマジだという。

 前出関係者はその理由を「先発投手として100球を投げ、クリーンアップで4打席に立てばメジャーのファイブメンローテーション(5投手で中4日登板)の中で疲労を回復するのは容易ではない。一部球団のように先発ローテーションをDL(最短10日の故障者リスト)枠を使いながら6~7投手で回しているチームもあるが、一般的に先発投手が疲労回復に努める4日間の中で1、2試合野手出場するというのは、ケガのリスクを考えると自殺行為。1週間に1回程度の休みを与えながら本人の希望をかなえ、体への負担が比較的少なく、見るファンも喜ぶ起用法はこれが最善」と断言した。

 ベースボールがナショナル・パスタイム(国民的娯楽)である米国人の考える大谷の二刀流最善プランは一見、先発投手起用を最優先させたいであろう大谷には違和感を覚えるものであろうが、米国らしい合理性のあるプランなようだ。