テレ東・田中瞳アナの転機になった、さまぁ~ずの“ある言動”
【モデルプレス=2024/11/20】【テレビ東京・田中瞳アナ/初のフォト&エッセイ「瞳のまにまに」(講談社/11月20日発売)】
入社6年目、いまやテレビ東京を代表するアナウンサーの一人にまで成長した田中瞳アナ(28)。バラエティ番組「モヤモヤさまぁ~ず2」のアシスタントも務める彼女は、転機の一つにお笑いコンビ・さまぁ~ずの“ある言動”を挙げる。そのエピソードとともに、自身のキャリアを振り返ってもらった。(インタビュー全2回の前編)
◆田中瞳アナの転機になった、さまぁ~ずの“ある言動”
― 入社時、目指すものがあったと思います。そこに対して現在地はいかがですか。
【田中アナ】想像以上に短い年数で、たくさんの経験を積ませていただきました。私はもっと亀みたいにゆっくり成長して、大きな仕事を任せてもらって、そういう道筋をなんとなく描いていました。そのプランからは良い意味で外れていますね。
― テレ東のエースと言われていますから。
【田中アナ】そんなことはまったく思っていないです(苦笑い)。でもテレ東だから良かったというか、まず人が少ない。限られた人数だから報道もバラエティもやっている。他の局だとそういうケースはたぶん多くないと思うので、それらも含めてテレ東の良さなんだと思います。
― 今思えば「モヤさま」のアシスタントを入社1年目から務めるなんてすごいです。
【田中アナ】ドッキリで就任を告げられた日が懐かしいです。でもそのおかげで今があると思います。
― さまぁ~ずさんとの鼎談も同書の見どころの一つ。お二人からも「物怖じしない」だったり「思いきりの良さ」だったり、絶賛の言葉が並んでいました。
【田中アナ】普段のロケの中で、パーソナルなところを深掘りするような会話はほとんどしないので、とても緊張しました。昔を振り返りながら、あのときはこうだったとか、嬉しかったですね。
― 今の田中アナを語る上で欠かせないお二人との出来事はありますか。
【田中アナ】「モヤさま」をはじめてまだ1、2年のとき、三村(マサカズ)さんの真っ白いスニーカーを思いっきり踏んでしまったことがあって。本当に焦って、ごめんなさいごめんなさい、と謝っていたら、三村さんが「なんでそんなに謝るんだよ、別に踏んでもいいし、蹴ってもいいし、なにして来てもいいんだぞ」みたいなことを言ってくださったんですね。その頃の私はまだお二人の会話に入っていけない感じがどうしても自分の中にあって。お二人がどう感じていたかはわからないですし、とっさだったのでその言葉に深い意味はなかったかもしれませんが、私にとってはそれが「もっと来ていいんだよ」という合図みたいに感じられて、それをきっかけに意識が少し変わりました。
― さまぁ~ずさんの温かさを感じますね。
【田中アナ】もしかしたらなんの意味も込めていない可能性がありますが、そのときの私の心情を含めて、とても響くものがありました。
◆アナウンサーとして、ずっと向き合っていくべきこと
― 入社6年目、順風満帆のように見えますが、これまでに挫折したことはありますか。
【田中アナ】悩んで、もがいて、どうしたらいいかわからない、というのはないかもしれないです。日々、楽しく仕事しています。でも……
― でも?
【田中アナ】報道番組にたずさわる中で、能登、被災地に行ったときはとても悩みました。発災から1ヶ月と半年のタイミングで2回。アナウンサーとしてではなく、人としての感覚が問われる現場だと思いました。
― そのときどのように自分と向き合いましたか。
【田中アナ】能登にいないと、感覚として遠いところの話のようになってしまう。日に日にニュースで取り上げる量も少なくなっていく。すごく違和感がありました。現地ではそもそも私たちの存在が邪魔とどうしても思ってしまう。申し訳ないと思いながらいたのですが、でも被災地の皆さんに「ちゃんと取材して報じてほしいです」と言っていただいて、気持ちに変化がありました。皆さんの想いを背負って、しっかり取材をしないといけない、報じないといけない。逆に覚悟を与えていただくという情けない話なのですが、私たちがやることに意味はあるんだと思えました。
― 発した言葉が受け手によってポジティブにもネガティブにもなる。影響力が大きいテレビだからこそ、不安に押しつぶされそうになることもあったのでは。
【田中アナ】ニュースは原稿を読むので、読むのが下手だなと傷つくことはありましたが、それ以上はあまりなくて。逆に「モヤさま」のように自由に会話をする、自由に食べたいものを食べる、そういう番組の方がある意味恐ろしいです。今していただいているインタビューも、今は相手がいて相手にしか届いていないですが、同じことをしていてもメディアを通すだけで伝わる人数が一気に増えるじゃないですか。普段からちゃんとしていないと取り返しのつかないことになってしまう、そんな怖さは今も日々感じています。
― それはきっと成長したら解決するものでもないですね、ずっと向き合っていくべきこと。
【田中アナ】本当にそう思います。
(modelpress編集部)
◆田中瞳(たなか・ひとみ)プロフィール
テレビ東京アナウンサー。1996年9月16日生まれの28歳。東京都出身。2019年に成城大学を卒業後、テレビ東京入社。現在の担当番組は「WBS」(月・火・金曜)、「モヤモヤさまぁ~ず2」など。
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入社6年目、いまやテレビ東京を代表するアナウンサーの一人にまで成長した田中瞳アナ(28)。バラエティ番組「モヤモヤさまぁ~ず2」のアシスタントも務める彼女は、転機の一つにお笑いコンビ・さまぁ~ずの“ある言動”を挙げる。そのエピソードとともに、自身のキャリアを振り返ってもらった。(インタビュー全2回の前編)
◆田中瞳アナの転機になった、さまぁ~ずの“ある言動”
― 入社時、目指すものがあったと思います。そこに対して現在地はいかがですか。
【田中アナ】想像以上に短い年数で、たくさんの経験を積ませていただきました。私はもっと亀みたいにゆっくり成長して、大きな仕事を任せてもらって、そういう道筋をなんとなく描いていました。そのプランからは良い意味で外れていますね。
― テレ東のエースと言われていますから。
【田中アナ】そんなことはまったく思っていないです(苦笑い)。でもテレ東だから良かったというか、まず人が少ない。限られた人数だから報道もバラエティもやっている。他の局だとそういうケースはたぶん多くないと思うので、それらも含めてテレ東の良さなんだと思います。
― 今思えば「モヤさま」のアシスタントを入社1年目から務めるなんてすごいです。
【田中アナ】ドッキリで就任を告げられた日が懐かしいです。でもそのおかげで今があると思います。
― さまぁ~ずさんとの鼎談も同書の見どころの一つ。お二人からも「物怖じしない」だったり「思いきりの良さ」だったり、絶賛の言葉が並んでいました。
【田中アナ】普段のロケの中で、パーソナルなところを深掘りするような会話はほとんどしないので、とても緊張しました。昔を振り返りながら、あのときはこうだったとか、嬉しかったですね。
― 今の田中アナを語る上で欠かせないお二人との出来事はありますか。
【田中アナ】「モヤさま」をはじめてまだ1、2年のとき、三村(マサカズ)さんの真っ白いスニーカーを思いっきり踏んでしまったことがあって。本当に焦って、ごめんなさいごめんなさい、と謝っていたら、三村さんが「なんでそんなに謝るんだよ、別に踏んでもいいし、蹴ってもいいし、なにして来てもいいんだぞ」みたいなことを言ってくださったんですね。その頃の私はまだお二人の会話に入っていけない感じがどうしても自分の中にあって。お二人がどう感じていたかはわからないですし、とっさだったのでその言葉に深い意味はなかったかもしれませんが、私にとってはそれが「もっと来ていいんだよ」という合図みたいに感じられて、それをきっかけに意識が少し変わりました。
― さまぁ~ずさんの温かさを感じますね。
【田中アナ】もしかしたらなんの意味も込めていない可能性がありますが、そのときの私の心情を含めて、とても響くものがありました。
◆アナウンサーとして、ずっと向き合っていくべきこと
― 入社6年目、順風満帆のように見えますが、これまでに挫折したことはありますか。
【田中アナ】悩んで、もがいて、どうしたらいいかわからない、というのはないかもしれないです。日々、楽しく仕事しています。でも……
― でも?
【田中アナ】報道番組にたずさわる中で、能登、被災地に行ったときはとても悩みました。発災から1ヶ月と半年のタイミングで2回。アナウンサーとしてではなく、人としての感覚が問われる現場だと思いました。
― そのときどのように自分と向き合いましたか。
【田中アナ】能登にいないと、感覚として遠いところの話のようになってしまう。日に日にニュースで取り上げる量も少なくなっていく。すごく違和感がありました。現地ではそもそも私たちの存在が邪魔とどうしても思ってしまう。申し訳ないと思いながらいたのですが、でも被災地の皆さんに「ちゃんと取材して報じてほしいです」と言っていただいて、気持ちに変化がありました。皆さんの想いを背負って、しっかり取材をしないといけない、報じないといけない。逆に覚悟を与えていただくという情けない話なのですが、私たちがやることに意味はあるんだと思えました。
― 発した言葉が受け手によってポジティブにもネガティブにもなる。影響力が大きいテレビだからこそ、不安に押しつぶされそうになることもあったのでは。
【田中アナ】ニュースは原稿を読むので、読むのが下手だなと傷つくことはありましたが、それ以上はあまりなくて。逆に「モヤさま」のように自由に会話をする、自由に食べたいものを食べる、そういう番組の方がある意味恐ろしいです。今していただいているインタビューも、今は相手がいて相手にしか届いていないですが、同じことをしていてもメディアを通すだけで伝わる人数が一気に増えるじゃないですか。普段からちゃんとしていないと取り返しのつかないことになってしまう、そんな怖さは今も日々感じています。
― それはきっと成長したら解決するものでもないですね、ずっと向き合っていくべきこと。
【田中アナ】本当にそう思います。
(modelpress編集部)
◆田中瞳(たなか・ひとみ)プロフィール
テレビ東京アナウンサー。1996年9月16日生まれの28歳。東京都出身。2019年に成城大学を卒業後、テレビ東京入社。現在の担当番組は「WBS」(月・火・金曜)、「モヤモヤさまぁ~ず2」など。
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11/20 17:00
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