「おむすび」メイクさんに聞いた“朝ドラのギャル” 橋本環奈と密に相談・隠された設定…裏側に迫る【モデルプレスインタビュー】
【モデルプレス=2024/11/18】女優の橋本環奈が主演を務める連続テレビ小説「おむすび」(NHK総合・毎週月~土あさ8時~ほか)。ギャル文化が描かれた本作では、橋本をはじめとするキャスト陣のギャル姿に注目が集まっている。モデルプレスでは、多数のスタッフから代表してメイクチーフ・西口富美子氏にインタビューを実施し、朝ドラならではのポイント、スタイリングの裏に隠された想いを聞いた。
◆橋本環奈主演朝ドラ「おむすび」
朝ドラ第111作目となる本作は、根本ノンジ氏が手掛けるオリジナル作品。平成時代の福岡、神戸、大阪を舞台に、平成のギャル・米田結(橋本)が栄養士を目指し、知識とコミュニケーション能力で人々を幸せにしていくストーリー。
本作のギャル扮装は、映像デザイナーや扮装部(メイク・衣装・持道具)など、様々なスタッフの手によって作り上げられている。その中から今回は、“メイク”に注目し、スタッフのインタビューをお届けする。
◆俳優陣の力と合わさった“朝ドラのギャル”
― 幅広い世代の方が観られる朝ドラという枠でのギャルメイク挑戦となりますが、難しい点や苦労されたことはありますか?
西口:ギャルの中心を担う“ハギャレン”(博多ギャル連合)の4人は、オーディションで選ばれたこともあって、最初にあった時、この役を演じることに対して、とても意欲的、キラキラしていると感じました。そのキラキラをまずは大切にしたいと思いました。ギャルの特徴としては、アイラインやつけまつげ、アイシャドーなど、いわゆるアイメイクが大事で、時に誰か分からないほどの強いアイメイクをすることもあります。しかし今回は、当時の再現だけを追い求めるのではなく、各俳優のこの“キラキラ”とした存在感やお芝居の表現力と合わせる形で、アイメイクの度合いを計算。当時のギャルの姿をベースに、新たに“朝ドラのギャル”を作った感じです。
― 橋本さんをはじめ、ハギャレンメンバーのギャルビジュアルを作り上げるまでのヘアメイクには、具体的にどのくらいの時間をかけられているのでしょうか?
西口:一人だいたい1時間ですね。糸島フェス(パラパラショー)の時のメイクは、少しかかって1時間強でした。
◆金髪カツラの秘密・時系列でメイクに変化
― 1日限りのパラパラショーメイクから、高校生時代のギャル、そして本格的なギャルへとなっていきますが、それぞれ時代ごとでの特徴や差別化している点があれば教えてください。
西口:パラパラショーの時の“初めてのギャル”は、結にハギャレンがメイクして作ったギャルで、とにかく“他の人に出ていることがバレないように”ということで、派手めのギャルメイクです。一方で、結の可愛らしさは消さないようにと意識しました。その上で、金髪のかつらは、結が子どもの時に好きだったセーラームーンをイメージしました。高校1年生の夏以降で、初めて自分自身の希望でギャルメイクを行います。それはまさに“ギャル1年生”で、コテを使うのもへたで、巻き方もまだまだ。サイドに出てくる長い髪も、巻かれておらずまっすぐ。後ろの髪も、アイロンがあまりあてられてないという形で表現しました。一方で、高校3年の結は、サイドにウェーブをつけ、後ろの髪も上手に巻けるように表現するようになっています。
そして神戸に行くときは、ハギャレンを卒業し、新たなギャル道を踏み出すタイミングです。気合が入っているので、ここで初めて髪の毛を染め、マインドだけでなく、外見も「自分のギャル」を作り上げていこうとしている。その姿を表現しました。
― 高校生ギャルや本格的なギャルはそれぞれの年齢と近い時代のギャルを意識されているのでしょうか?参考にされた雑誌やお手本にしていた方などがいらっしゃいましたら教えてください。
西口:様々な情報を参考にしています。一方で、ドラマは俳優の芝居を見せることも大切です。その年代のギャルを念頭に置きながら、表情の機微がしっかり見えるように、その俳優にあったギャルというものを作っていきました。
◆橋本環奈と相談したこと・ネイルに隠された裏設定
― 「別人級」と話題の橋本さんのギャル姿ですが、特にこだわっているパーツや普段のメイクと異なる部分はありますか?
西口:ネイルや髪型、シュシュなどの髪飾りにしても、「どういうものをつけて行こうか」と結がどう考えるかを考え、橋本さんとご相談しながら選んでいます。告白の時にはアクセサリーがハートだったり。つけるものに、その日の思いや気合が込められているようにしています。一方で、高校時代のネイルは、スズリン(岡本夏美)に作ってもらってるという設定を守りました。神戸にいてもしばらくはそうです。裏話としては、タイトルバックのギャル姿のネイルは、スズリンが作ったネイルをつけています。そして糸島フェスティバルでハギャレンがつけていたネイルも、全てスズリンが作ったネイルという設定なのですが、そのネイルのカラーは、実は「歩が109前で撮影した時のネイル」と、カラーが一緒なんです。スズリンがあの歩(仲里依紗)の写真をいつも見ていて、ハギャレンが勝負の時に、歩の力を借りようとした、歩の思いを受けつぐという意思の表れとして、同じカラーにしました。
― 最後に改めてギャルメイクの魅力や視聴者にどのように楽しんでいただきたいか教えてください。
西口:世代や時代のギャルに敬意をはらいつつ、俳優やスタッフと共に、おむすびのギャルを作り上げてきました。様々な思いや設定をメイクに込めてますので、そういったところも想像しながら楽しんで頂けたら幸いです。
― 貴重なお話をありがとうごうざいました。
(modelpress編集部)
◆西口富美子(にしぐち・ふみこ)
これまで数々の映画やドラマのメイクを担当。大阪放送局の朝ドラは「あさが来た」「わろてんか」「まんぷく」「舞い上がれ」に続いて5作目。
【Not Sponsored 記事】
◆橋本環奈主演朝ドラ「おむすび」
朝ドラ第111作目となる本作は、根本ノンジ氏が手掛けるオリジナル作品。平成時代の福岡、神戸、大阪を舞台に、平成のギャル・米田結(橋本)が栄養士を目指し、知識とコミュニケーション能力で人々を幸せにしていくストーリー。
本作のギャル扮装は、映像デザイナーや扮装部(メイク・衣装・持道具)など、様々なスタッフの手によって作り上げられている。その中から今回は、“メイク”に注目し、スタッフのインタビューをお届けする。
◆俳優陣の力と合わさった“朝ドラのギャル”
― 幅広い世代の方が観られる朝ドラという枠でのギャルメイク挑戦となりますが、難しい点や苦労されたことはありますか?
西口:ギャルの中心を担う“ハギャレン”(博多ギャル連合)の4人は、オーディションで選ばれたこともあって、最初にあった時、この役を演じることに対して、とても意欲的、キラキラしていると感じました。そのキラキラをまずは大切にしたいと思いました。ギャルの特徴としては、アイラインやつけまつげ、アイシャドーなど、いわゆるアイメイクが大事で、時に誰か分からないほどの強いアイメイクをすることもあります。しかし今回は、当時の再現だけを追い求めるのではなく、各俳優のこの“キラキラ”とした存在感やお芝居の表現力と合わせる形で、アイメイクの度合いを計算。当時のギャルの姿をベースに、新たに“朝ドラのギャル”を作った感じです。
― 橋本さんをはじめ、ハギャレンメンバーのギャルビジュアルを作り上げるまでのヘアメイクには、具体的にどのくらいの時間をかけられているのでしょうか?
西口:一人だいたい1時間ですね。糸島フェス(パラパラショー)の時のメイクは、少しかかって1時間強でした。
◆金髪カツラの秘密・時系列でメイクに変化
― 1日限りのパラパラショーメイクから、高校生時代のギャル、そして本格的なギャルへとなっていきますが、それぞれ時代ごとでの特徴や差別化している点があれば教えてください。
西口:パラパラショーの時の“初めてのギャル”は、結にハギャレンがメイクして作ったギャルで、とにかく“他の人に出ていることがバレないように”ということで、派手めのギャルメイクです。一方で、結の可愛らしさは消さないようにと意識しました。その上で、金髪のかつらは、結が子どもの時に好きだったセーラームーンをイメージしました。高校1年生の夏以降で、初めて自分自身の希望でギャルメイクを行います。それはまさに“ギャル1年生”で、コテを使うのもへたで、巻き方もまだまだ。サイドに出てくる長い髪も、巻かれておらずまっすぐ。後ろの髪も、アイロンがあまりあてられてないという形で表現しました。一方で、高校3年の結は、サイドにウェーブをつけ、後ろの髪も上手に巻けるように表現するようになっています。
そして神戸に行くときは、ハギャレンを卒業し、新たなギャル道を踏み出すタイミングです。気合が入っているので、ここで初めて髪の毛を染め、マインドだけでなく、外見も「自分のギャル」を作り上げていこうとしている。その姿を表現しました。
― 高校生ギャルや本格的なギャルはそれぞれの年齢と近い時代のギャルを意識されているのでしょうか?参考にされた雑誌やお手本にしていた方などがいらっしゃいましたら教えてください。
西口:様々な情報を参考にしています。一方で、ドラマは俳優の芝居を見せることも大切です。その年代のギャルを念頭に置きながら、表情の機微がしっかり見えるように、その俳優にあったギャルというものを作っていきました。
◆橋本環奈と相談したこと・ネイルに隠された裏設定
― 「別人級」と話題の橋本さんのギャル姿ですが、特にこだわっているパーツや普段のメイクと異なる部分はありますか?
西口:ネイルや髪型、シュシュなどの髪飾りにしても、「どういうものをつけて行こうか」と結がどう考えるかを考え、橋本さんとご相談しながら選んでいます。告白の時にはアクセサリーがハートだったり。つけるものに、その日の思いや気合が込められているようにしています。一方で、高校時代のネイルは、スズリン(岡本夏美)に作ってもらってるという設定を守りました。神戸にいてもしばらくはそうです。裏話としては、タイトルバックのギャル姿のネイルは、スズリンが作ったネイルをつけています。そして糸島フェスティバルでハギャレンがつけていたネイルも、全てスズリンが作ったネイルという設定なのですが、そのネイルのカラーは、実は「歩が109前で撮影した時のネイル」と、カラーが一緒なんです。スズリンがあの歩(仲里依紗)の写真をいつも見ていて、ハギャレンが勝負の時に、歩の力を借りようとした、歩の思いを受けつぐという意思の表れとして、同じカラーにしました。
― 最後に改めてギャルメイクの魅力や視聴者にどのように楽しんでいただきたいか教えてください。
西口:世代や時代のギャルに敬意をはらいつつ、俳優やスタッフと共に、おむすびのギャルを作り上げてきました。様々な思いや設定をメイクに込めてますので、そういったところも想像しながら楽しんで頂けたら幸いです。
― 貴重なお話をありがとうごうざいました。
(modelpress編集部)
◆西口富美子(にしぐち・ふみこ)
これまで数々の映画やドラマのメイクを担当。大阪放送局の朝ドラは「あさが来た」「わろてんか」「まんぷく」「舞い上がれ」に続いて5作目。
【Not Sponsored 記事】
11/18 08:15
モデルプレス