「わたかわ」「かわだめ」…バズるダンス生み出し続ける元アイドル振付師・槙田紗子「簡単すぎちゃダメ」分析重ねたどり着いた手法 月10本以上依頼受ける売れっ子ぶり【インタビュー】
【モデルプレス=2024/11/11】超ときめき◆宣伝部(◆はハートマーク)「最上級にかわいいの!」、FRUITS ZIPPER「わたしの一番かわいいところ」、CUTIE STREET「かわいいだけじゃだめですか?」…どれもTikTokを中心に常にバズり続ける楽曲だが、これらすべての振り付けの担当している“売れっ子振付師”こそ槙田紗子(まきた・さこ)。モデルプレスでは、日本のアイドルソングが広くTikTokでバズることをカルチャー化した火付け役の一人である彼女に、キャッチーな振り付けを作るうえで考えていることを深堀り。もともとアイドルとして活動していた経験も活きているという制作秘話をたっぷり明かしてもらった。
◆槙田紗子、PASSPO☆から振付師の道へ― プロデュース・タレント…多岐にわたった活躍遂げる
槙田は、2009年ガールズロックユニット「ぱすぽ☆(後のPASSPO☆)」メンバーとしてデビューし、2015年12月に卒業。上記楽曲のほか、鈴木愛理、つばきファクトリー、いぎなり東北産、小倉唯など多くのアーティストへの振り付け提供を行い、自身はアイドルグループ「Hey!Mommy!」のプロデューサー、また高橋愛率いるダンスユニット「GOKI-GENs」としても活動している。
◆バズる振付師・槙田紗子「自分の好みのテイストがTikTokのトレンドにハマった」
― アイドルの方々の振り付けでトレンドを生み出している槙田さんですが、TikTokなどで映える振り付けを作るうえでのこだわりを教えてください。
槙田:手が暇にならない動きを意識しています。もともとK-POPがすごく好きで、TikTokが流行る前から手首や指など関節の動きを使うことが多かったんです。もともと好きだったテイストがTikTokのトレンドにハマったという感じで、上半身重視にしようとあえて考えたことはないんです。
◆槙田紗子「簡単すぎちゃダメ」分析重ねたどり着いた答え
― 槙田さんに追いついてきたような感じですね!歌詞に合わせた動きも可愛らしさのポイントかと思いますが、そういった面でのこだわりも教えていただけますか?
槙田:完全に歌詞に合わせて作ることが多いです。TikTokで流行っているものを見ていくと、結局はすべて、目でダンス、耳で歌詞という情報を取り入れて、多分そこが合っていないものは頭に入ってこないですし、混乱するんですよ(笑)。例えば、ダンスが付いている曲でも「いい曲だね」だけで終わってしまうんですが、歌詞と振り付けが一致していると、曲とダンスのどっちが好きかがわからない状態で「この曲めっちゃ好きかも!」といった感覚になると考えています。
― 分析されているんですね…!
槙田:性格診断で論理学者型だったんです(笑)。自分がトレンドを追っているよりも、分析しながら「なるほど」と見ているので、動きの割合も考えながら、これを越えたら難しい、とか、ここを削ったら簡単すぎる…とかそういった部分も常に考えています。
― 簡単すぎるとダメなんですか?
槙田:人が踊りたくなるもの、として考えたときに簡単すぎちゃダメだと思っています。簡単すぎるものや、特徴がないものはチャレンジ意欲が掻き立てられませんし、「TikTokでバズらせたい」=「踊りたい」と思わせなきゃいけないということでもあるんです。
人が踊りたくなる動き=斬新な動きで、見たことないような動きを「やってみたい!」と思うはずですが、この世の中に存在しない動きを全部やっちゃうと、人は拒否反応を起こすんですよ(笑)。斬新なものを慣れ親しんだ動きとどう混ぜるかが大事で、印象的なところを1つ作ることが大事だと思います。
◆槙田紗子「かわだめ」でのこだわり イチオシの振り付けは
― 例えば「かわいいだけじゃだめですか?」で言うとそれはどこの部分になるのでしょうか?
槙田:みなさんは「キュン4させちゃう!」で銃を構えるようなところがポイントだと思うかもしれませんが、私としては「多分本気出してた」で腕を回すところがイチオシです。「本気出してた」という歌詞に対して、可愛い振り付けだと拳を突き出したりガッツポーズをしたりといったパターンが多いかも知れませんが、そこを外すことによって、それまでの可愛いが外れて「めっちゃ本気やん!」と思わせる…男女問わずやってみたいポイントになっているんじゃないでしょうか。自分で言っているだけではありますが(笑)。
◆槙田紗子が驚いた作品はMAMAMOOファサ&日向坂46
― 最近槙田さんが驚いた振り付けの楽曲はありますか?
槙田:いっぱいありますね…。K-POPだったらMAMAMOOのファサの新曲「NA」でお尻を自分で上げるような振り付け。一歩間違えたらかっこよく見えないような振り付けですが、これを踊りにする勇気がすごいな…と(笑)。初めて見たときは驚きましたし、やっぱりこれぐらいやらないと人の記憶には残らないんだと思いました。
日本の楽曲で言うと、振り付けというよりも演出に驚いたんですが、日向坂46さんの「絶対的第六感」。白T×デニムで踊っていたのが新鮮で、そうしたスタイリングは穴場だと思うので「やられた!」と勝手に思っちゃいました。女優さんで白T×デニムのスタイルを見せるような方は多いですが、アイドルのMVでのスタイリングなんてやり尽くされているなかで、誰もやってなかったことに気づかなかった…と衝撃でしたし、新しさを感じたんです。
◆槙田紗子、PASSPO☆卒業後に訪れた振付師としての転機「もともと裏方に行きたいとは思っていて」
― では、槙田さんのキャリアについてもおうかがいします。PASSPO☆を卒業されてから、振付師としての転機はどこにありましたか?
槙田:肩書きは自由なんです。グループを卒業してからすぐに振り付けのお仕事はやらせてもらっていて、とき宣(超ときめき◆宣伝部)に初めて振り付けさせてもらったときは前の事務所に在籍していたときでした。そこから2018年にフリーになって「本当に自分の力で生きていかなければ」という感じで「これを仕事にしていくぞ!」という思いが強くなりました。その後今の事務所に出会って、さらに振付に集中することができるようになったと思います。
― アイドルを辞めてすぐに次のお仕事にシフトすることは難しくありませんでしたか?
槙田:もともと裏方に行きたいとは思っていて、クリエイティブなことをしたかったからグループを卒業しました。自分の性格的にあまり1つのことだけに絞るのが合っていないとわかっていたので、表に出る仕事もやりながら、振り付けをやっていこうと思っていました。
◆槙田紗子「自分にしかできない」経験を活かす振り付け
― 過去の経験が現在の振り付けに活きる部分も大きいのでしょうか?
槙田:間違いなくあります。いいダンスを作ろう、かっこいいダンスを作ろう、という意識よりも、その子の魅力を伝えたい、とか、ファンの人に喜んでほしいという気持ちが強いです。ステージに立ったことがない人よりもファンの気持ちがわかると思うので、それは自分にしかできないことだと思っています。
― 現役時代も振り付けを作ることはあったと思いますが、そのときと比べて作り方は変化しましたか?
槙田:組み立て方は変わっていないんですが、経験を積んで作ることが早くなりました。駆け出しの頃は月に1曲~3曲できたらありがたいくらいでしたが、今はありがたいことに案件をいろいろといただいて、「ここで作らないと締め切りに間に合わない!」という状況も多くて。短い時間でもクオリティは落とせないので、普段からアンテナを張ることを大切にしています。
◆槙田紗子、月10本以上振り付けるときも
― 1曲あたり大体どれぐらいで制作されるのでしょうか?
槙田:曲にもよりますが、大体のベース自体は、極端なことを言うと1時間で作る曲もあります。逆に2日かけて作って納得いかない曲もあるし…時間をかけることがクオリティに比例しないんです。昔は不安なので時間をかけなきゃと思っていたけど、実はそうではない。最終的には自分がいいと思うかどうかでしかないと思うので、最近で言うととき宣の「プリンセスヒーロー」は振付の基盤は大体1時間で完成できました。構成やフォーメーションは別で時間をかけますが。
― 今は大体どれぐらいの依頼を受けているのですか?
槙田:振り付けの本数で言ったら、月10本以上のときもありますが、最近はライブ演出のお仕事があったり、振り付けだけが仕事ではないのでバラつきはあります。本当にありがたいです。
◆槙田紗子の夢を叶える秘訣
― モデルプレス読者の中には今、夢を追いかけている読者もたくさんいます。そういった読者に向けて、槙田さんの「夢を叶える秘訣」を教えてください。
槙田:根拠のない自信が一番大事だと思います。自分はこうなるんだと決めて、未来を想像し続けることです。映画の「ラ・ラ・ランド」がすごく好きで、その中に「あなたの準備ができてるなら、夢見た場所へ連れて行ってくれる人がいるかもしれない。」といったセリフがあって。準備をしている人にチャンスは来ると思うんです。
何のためにこんなに頑張ってるんだろうって思っちゃったら終わりだから、自分が成功すると思い続けられたら苦じゃなくチャンスも引き寄せられますし、大きなチャンスが来たときの準備も無意識にできていると思います。
― ありがとうございました。
(modelpress編集部)
◆槙田紗子プロフィール
振付師/タレント/プロデューサー。1993年11月10日生まれ、神奈川県出身。多数の人気アイドルグループ・アーティストの振り付け、アイドルグループ“Hey!Mommy!”のプロデューサー、GOKI-GENs(ゴキゲンズ)のメンバーとしてマルチに活動中。
【Not Sponsored 記事】
◆槙田紗子、PASSPO☆から振付師の道へ― プロデュース・タレント…多岐にわたった活躍遂げる
槙田は、2009年ガールズロックユニット「ぱすぽ☆(後のPASSPO☆)」メンバーとしてデビューし、2015年12月に卒業。上記楽曲のほか、鈴木愛理、つばきファクトリー、いぎなり東北産、小倉唯など多くのアーティストへの振り付け提供を行い、自身はアイドルグループ「Hey!Mommy!」のプロデューサー、また高橋愛率いるダンスユニット「GOKI-GENs」としても活動している。
◆バズる振付師・槙田紗子「自分の好みのテイストがTikTokのトレンドにハマった」
― アイドルの方々の振り付けでトレンドを生み出している槙田さんですが、TikTokなどで映える振り付けを作るうえでのこだわりを教えてください。
槙田:手が暇にならない動きを意識しています。もともとK-POPがすごく好きで、TikTokが流行る前から手首や指など関節の動きを使うことが多かったんです。もともと好きだったテイストがTikTokのトレンドにハマったという感じで、上半身重視にしようとあえて考えたことはないんです。
◆槙田紗子「簡単すぎちゃダメ」分析重ねたどり着いた答え
― 槙田さんに追いついてきたような感じですね!歌詞に合わせた動きも可愛らしさのポイントかと思いますが、そういった面でのこだわりも教えていただけますか?
槙田:完全に歌詞に合わせて作ることが多いです。TikTokで流行っているものを見ていくと、結局はすべて、目でダンス、耳で歌詞という情報を取り入れて、多分そこが合っていないものは頭に入ってこないですし、混乱するんですよ(笑)。例えば、ダンスが付いている曲でも「いい曲だね」だけで終わってしまうんですが、歌詞と振り付けが一致していると、曲とダンスのどっちが好きかがわからない状態で「この曲めっちゃ好きかも!」といった感覚になると考えています。
― 分析されているんですね…!
槙田:性格診断で論理学者型だったんです(笑)。自分がトレンドを追っているよりも、分析しながら「なるほど」と見ているので、動きの割合も考えながら、これを越えたら難しい、とか、ここを削ったら簡単すぎる…とかそういった部分も常に考えています。
― 簡単すぎるとダメなんですか?
槙田:人が踊りたくなるもの、として考えたときに簡単すぎちゃダメだと思っています。簡単すぎるものや、特徴がないものはチャレンジ意欲が掻き立てられませんし、「TikTokでバズらせたい」=「踊りたい」と思わせなきゃいけないということでもあるんです。
人が踊りたくなる動き=斬新な動きで、見たことないような動きを「やってみたい!」と思うはずですが、この世の中に存在しない動きを全部やっちゃうと、人は拒否反応を起こすんですよ(笑)。斬新なものを慣れ親しんだ動きとどう混ぜるかが大事で、印象的なところを1つ作ることが大事だと思います。
◆槙田紗子「かわだめ」でのこだわり イチオシの振り付けは
― 例えば「かわいいだけじゃだめですか?」で言うとそれはどこの部分になるのでしょうか?
槙田:みなさんは「キュン4させちゃう!」で銃を構えるようなところがポイントだと思うかもしれませんが、私としては「多分本気出してた」で腕を回すところがイチオシです。「本気出してた」という歌詞に対して、可愛い振り付けだと拳を突き出したりガッツポーズをしたりといったパターンが多いかも知れませんが、そこを外すことによって、それまでの可愛いが外れて「めっちゃ本気やん!」と思わせる…男女問わずやってみたいポイントになっているんじゃないでしょうか。自分で言っているだけではありますが(笑)。
◆槙田紗子が驚いた作品はMAMAMOOファサ&日向坂46
― 最近槙田さんが驚いた振り付けの楽曲はありますか?
槙田:いっぱいありますね…。K-POPだったらMAMAMOOのファサの新曲「NA」でお尻を自分で上げるような振り付け。一歩間違えたらかっこよく見えないような振り付けですが、これを踊りにする勇気がすごいな…と(笑)。初めて見たときは驚きましたし、やっぱりこれぐらいやらないと人の記憶には残らないんだと思いました。
日本の楽曲で言うと、振り付けというよりも演出に驚いたんですが、日向坂46さんの「絶対的第六感」。白T×デニムで踊っていたのが新鮮で、そうしたスタイリングは穴場だと思うので「やられた!」と勝手に思っちゃいました。女優さんで白T×デニムのスタイルを見せるような方は多いですが、アイドルのMVでのスタイリングなんてやり尽くされているなかで、誰もやってなかったことに気づかなかった…と衝撃でしたし、新しさを感じたんです。
◆槙田紗子、PASSPO☆卒業後に訪れた振付師としての転機「もともと裏方に行きたいとは思っていて」
― では、槙田さんのキャリアについてもおうかがいします。PASSPO☆を卒業されてから、振付師としての転機はどこにありましたか?
槙田:肩書きは自由なんです。グループを卒業してからすぐに振り付けのお仕事はやらせてもらっていて、とき宣(超ときめき◆宣伝部)に初めて振り付けさせてもらったときは前の事務所に在籍していたときでした。そこから2018年にフリーになって「本当に自分の力で生きていかなければ」という感じで「これを仕事にしていくぞ!」という思いが強くなりました。その後今の事務所に出会って、さらに振付に集中することができるようになったと思います。
― アイドルを辞めてすぐに次のお仕事にシフトすることは難しくありませんでしたか?
槙田:もともと裏方に行きたいとは思っていて、クリエイティブなことをしたかったからグループを卒業しました。自分の性格的にあまり1つのことだけに絞るのが合っていないとわかっていたので、表に出る仕事もやりながら、振り付けをやっていこうと思っていました。
◆槙田紗子「自分にしかできない」経験を活かす振り付け
― 過去の経験が現在の振り付けに活きる部分も大きいのでしょうか?
槙田:間違いなくあります。いいダンスを作ろう、かっこいいダンスを作ろう、という意識よりも、その子の魅力を伝えたい、とか、ファンの人に喜んでほしいという気持ちが強いです。ステージに立ったことがない人よりもファンの気持ちがわかると思うので、それは自分にしかできないことだと思っています。
― 現役時代も振り付けを作ることはあったと思いますが、そのときと比べて作り方は変化しましたか?
槙田:組み立て方は変わっていないんですが、経験を積んで作ることが早くなりました。駆け出しの頃は月に1曲~3曲できたらありがたいくらいでしたが、今はありがたいことに案件をいろいろといただいて、「ここで作らないと締め切りに間に合わない!」という状況も多くて。短い時間でもクオリティは落とせないので、普段からアンテナを張ることを大切にしています。
◆槙田紗子、月10本以上振り付けるときも
― 1曲あたり大体どれぐらいで制作されるのでしょうか?
槙田:曲にもよりますが、大体のベース自体は、極端なことを言うと1時間で作る曲もあります。逆に2日かけて作って納得いかない曲もあるし…時間をかけることがクオリティに比例しないんです。昔は不安なので時間をかけなきゃと思っていたけど、実はそうではない。最終的には自分がいいと思うかどうかでしかないと思うので、最近で言うととき宣の「プリンセスヒーロー」は振付の基盤は大体1時間で完成できました。構成やフォーメーションは別で時間をかけますが。
― 今は大体どれぐらいの依頼を受けているのですか?
槙田:振り付けの本数で言ったら、月10本以上のときもありますが、最近はライブ演出のお仕事があったり、振り付けだけが仕事ではないのでバラつきはあります。本当にありがたいです。
◆槙田紗子の夢を叶える秘訣
― モデルプレス読者の中には今、夢を追いかけている読者もたくさんいます。そういった読者に向けて、槙田さんの「夢を叶える秘訣」を教えてください。
槙田:根拠のない自信が一番大事だと思います。自分はこうなるんだと決めて、未来を想像し続けることです。映画の「ラ・ラ・ランド」がすごく好きで、その中に「あなたの準備ができてるなら、夢見た場所へ連れて行ってくれる人がいるかもしれない。」といったセリフがあって。準備をしている人にチャンスは来ると思うんです。
何のためにこんなに頑張ってるんだろうって思っちゃったら終わりだから、自分が成功すると思い続けられたら苦じゃなくチャンスも引き寄せられますし、大きなチャンスが来たときの準備も無意識にできていると思います。
― ありがとうございました。
(modelpress編集部)
◆槙田紗子プロフィール
振付師/タレント/プロデューサー。1993年11月10日生まれ、神奈川県出身。多数の人気アイドルグループ・アーティストの振り付け、アイドルグループ“Hey!Mommy!”のプロデューサー、GOKI-GENs(ゴキゲンズ)のメンバーとしてマルチに活動中。
【Not Sponsored 記事】
11/11 07:00
モデルプレス