【動画1分】PARCO PRODUCE 2024『オーランド』が7月5日よりPARCO劇場で開幕


『オーランド』ポスタービジュアル

PARCO PRODUCE 2024『オーランド』が7月5日よりPARCO劇場で開幕する

本作は、20世紀モダニズム文学で有名な女流作家のひとり、ヴァージニア・ウルフの代表作『オーランド』を舞台化したもの。主人公オーランドが、時代や国境、ジェンダーをも飛び越え、数奇な運命に立ち向かい、真実の「私」を探求する物語だ。

青年貴族から女性へ変貌し、16世紀~20世紀を超えて生き続け、30代から年をとらないというオーランドの物語には、ヴァージニア・ウルフによる、英国においてあらゆる女性の権利が制限されていた社会への風刺的な視点が込められている。
本作では、男性中心の時代から女性が一人の人間として自立してゆく様子を、演出家・栗山民也の原案、詩人・ 岩切正一郎の翻案で鮮明に舞台作品へと落とし込み、現代に甦らせる。


『オーランド』舞台写真<撮影:細野晋司>

美貌の青年貴族から女性へと変貌し、激動の時代を生き抜くオーランド役は、宮沢りえ。
2012年の朗読『宮沢賢治が伝えること』以来、栗山と本格的にタッグを組むのは初めてだ。
オーランドが各時代で巡り合う共演者には、ウエンツ瑛士、河内大和、谷田歩、山崎一。
年代や性別の異なる複数の人物を演じ分ける。

本作のプレスコールが行われた。以下はそれを編集したもの。

 

STORY

16世紀イングランドに生まれたオーランドは、エリザベス女王やあらゆる女性を魅了する美貌の持ち主。
貴族でありながら、樫の木の下で気ままに夢を見て、詩を書くことを好む青年である。

ある日、恋に落ちたロシア大使の姪・サーシャからは手ひどい裏切りにあい、傷心から詩の手ほどきを受けようと招いた詩人のニックには自信作を酷評される。
ルーマニアの皇女・ハリエットからは激しいアプローチを受け、それに辟易したオーランドは逃げるように外交官としてトルコに渡る。
忙しい政務の中で、オーランドの心はバルコニーから見える、身分も肩書きもない自分自身として生きるジプシーの暮らしの中にあった。

ある晩、外交官としての功績をたたえられた祝いの宴の後、オーランドは昏睡状態に陥る。
暴動の中も眠り続け、7日目に目を覚ますと、女性の身体になっていることに気付く。
今まで男性として生きてきた自分と、女性の身体を持ち、女性として扱われる自分、そのギャップに戸惑いながらも、オーランドは今まで捉え損ねていた世界がよりはっきりと見えるようになったと感じていた。

16世紀から20世紀まで、時代を超えて、たくさんの人との出会い、別れを通じて、生き方を探し続け、詩に紡いできたオーランド。
最後に見つけた真実の「わたし」の姿とは・・・。

  

コメント
 
翻案:岩切正一郎
いよいよ幕が開いた『オーランド』。
観客がみつめる舞台の上で、生きることと演じることとが深いところで一つになり、さまざまな感情を観る者に呼び起こす、これぞ演劇!としか言いようのない強烈なリアリティーが立ち上がっていました。
舞台は生き物。毎回の上演で、お客様との豊かな相互作用のなか、毎回違った舞台が生まれるのだなあ、と思うとわくわくします。
そこには、演劇的なリアリティーを作り出す声、演技、振り付け、装置、衣裳、照明、音響、音楽、演出などなど、たくさんのエレメントを堪能できる、一期一会の出会いもあります。
『オーランド』の醍醐味を多くの方に味わっていただけると嬉しいです。

演出:栗山民也
PARCOの初日を前にして、この360年の歴史が転がるように進むドラマに、未だいくつもの問いが頭に浮かんでいます。
だけどそのこと自体がとても愉快で新鮮で、実はその問いこそがこの劇の大事な根っこなのかもしれないと思えるのです。
初めて見たもの聞いたものに対し、その正体がわからなければまず問うことから始めるはず。
この全てが溢れかえった情報過多の毎日、なんの疑いも持たず安穏としているわたしたちの前で、オーランドはその場に何度も立ち止まり、自らに問うのです。そしてその大事さを強く噛み締めるのです。
稽古が始まって5週間、いつもよりも、よりたくさんの奇妙で楽しい旅をしてきました。
エリザベス朝から現在までを好奇の眼で見つめ続けたオーランドの全身で受けとめた体験を、どうぞ劇場で。

宮沢りえ
オーランド、台本を頂いた時、今までに無い感覚があって、、どんな舞台になるのか不安でいっぱいでした。
その時、演出の栗山さんが『始めから想像がつく事より面白いでしょ?』といたずらっ子の様におっしゃったお言葉を信じ、踠きながら稽古を重ねてきました。
彩の国で初日を迎え、本当に温かい拍手を頂いた時、作品を創ることの喜びと興奮を浴びた感覚でした。
その事をエネルギーに1ステージ1ステージ大切に、観客の皆さんと『オーランド』を体験していけたらと思います。

ウエンツ瑛士
まず無事に埼玉で幕を開けられた事、ホッとすると同時にとても感謝しています。
振り返れば1ヶ月前この迷路のような台本と格闘していたと思うと、人生で最も濃い1ヶ月だったんじゃないかと思います。
栗山さんの指し示す道に自分のできる事を最大限詰め込んで、時に先輩方に甘えながら真っ直ぐ歩いてきました。
今はやっと1つの扉が開いただけ、ここからもっともっと「存在」を強めていきたいです。
この作品の魅力は余白がある事だと思います。
セリフは「詩」の様に沢山の意味を含んで、いまかいまかと発せられるのを待っています。
その合間合間に、どれだけの情景や言葉を皆さまの脳内に浮かばせられるかが勝負でありこの作品の醍醐味です。
それは決して説明ではなく、表現ではなく、「存在」だと信じています。
素敵なキャスト、スタッフに囲まれて幸せに毎日を過ごしています。
この作品が皆様の生活の潤いになりますように。

河内大和
この作品がどうお客様に届くのか本当に未知の世界で、初日の緊張感はものすごかったです。
でも、劇中の時間の経過とともにお客様の集中力がぐんぐん増していくのを肌で感じ、かなり苦しんだ稽古だったので緊張し過ぎて口の中がパッサパサで大変でしたが、お客様総立ちのカーテンコールに本当に感動しました。
男でもあり女でもあるオーランドという”人間”の本質に光を当て影を作るコロス、愛すべき役たちも今は大好きです。
オーランドと一緒に気持ちを共有しながら400年を生きる体験、最後には言葉にならない不思議な感覚になると
思います。是非、劇場に体感しにいらして下さい。

谷田歩
自分にとっては非常に難しい作品で、稽古の最初から迷いっぱなしでしたが、栗山さんの演出の力を貰い、キャストの皆さんの力を借りて何とか形にする事が出来ました。まだまだ完成形ではありませんが。
劇場に入ってからも何度も失敗し、それを何とか次の日に修正するという事の繰り返しで、人生で初めてくらいの物凄い緊張感のある初日でした。
でも、このオーランドと言う難しい戯曲のパズルを最後に埋めてくれたのが劇場に入って観に来てくれたお客さんでした。
自分では気付かなかったシーンもお客さんの集中や反応で何か違う新鮮なモノを掴めたし、この作品はやればやるほど成長していく戯曲なんだと言う事を、実感として理解出来た様な初日でした。
これからPARCOと地方公演が始まります。最後まで瞬間を精一杯生きてこの戯曲の肉の一部になって行ける様に日々発見していきたいと今は思っています。

山崎一
彩の国での2ステージが終わりました。
初日の、異様な緊張感の中はじまった芝居は只々無我夢中の2時間半でした(こんな初日は久し振りです) 。
芝居が終わって立ち上がりお辞儀をした時、お客さまのスタンディングオベーションに思わず目頭が熱くなりました(やはりこんな初日も久し振りでした)。
おそらくこの作品は宮沢りえさんの代表作のひとつになるでしょう。それほど素晴らしい作品だと思います。
その作品に参加出来たことを誇りに思っています。
皆様、どうぞ「オーランド」観に来てください!
劇場でお待ちしています。

 
公演は、2024年6月29日(土)に埼玉にて開幕し、7月5日(金)からは、PARCO劇場での上演。
その後、8月には愛知、兵庫、福岡で上演予定だ。

詳細は公式サイトへ。
https://stage.parco.jp/program/orlando2024

(撮影・編集・文:西出佳礼)

公演情報

PARCO PRODUCE 2024 オーランド ORLANDO

【原作】ヴァージニア・ウルフ
【翻案】岩切正一郎
【演出】栗山民也
【出演】宮沢りえ、ウエンツ瑛士、河内大和、谷田歩、山崎一
ヴァイオリン演奏:越川歩

2024年6月29日(土)、30日(日)/埼玉・彩の国さいたま芸術劇場 大ホール
2024年7月5日(金)~2024年7月28日(日)/東京・PARCO劇場
2024年8月1日(木)~2024年8月4日(日)/愛知・穂の国とよはし芸術劇場PLAT 主ホール
2024年8月8日(木)~2024年8月11日(日)/兵庫・兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール
2024年8月16日(金)~2024年8月18日(日)/福岡・キャナルシティ劇場

公式サイト
https://stage.parco.jp/program/orlando2024

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