伊東市に移住した25歳「映画館がないし、作ってしまおうかな」…元病院改装し37年ぶり復活
静岡県伊東市吉田の国道135号沿いに14日、同市で37年ぶりの復活となる映画館「
同市の駅前には「キネマ通り」という商店街があるように、以前は多くの映画館があったが、レジャーの多角化や施設の老朽化などで姿を消した。
東京出身の梅沢さんは、学生時代にシネコンや名画座に通い詰め、東京の映画美学校を修了後、映画制作現場で働いた。2022年に「せわしなさがなくて過ごしやすい」と伊東との2拠点生活を始め、今年移住を決めた。
生活が落ち着いた頃、「映画館がないし、作ってしまおうかな」と思いついた。広告編集を手掛ける父、庸浩さん(64)からは、起業を支援する市の補助制度があるとアドバイスを受けた。病院として使われていた建物を借り、防音壁や客席作りなどの改装作業は、映画学校時代の仲間10人が合宿のように訪れて手伝ってくれた。
「金星」は愛犬の名前から取った。上映する作品は、自分の好きな作品の中で、国内外を問わず、幅広い年代が楽しめるものを選ぶ。14日のオープニングは宮沢りえさん主演の「湯を沸かすほどの熱い愛」。市内から訪れた女性は「しょっちゅう映画を見られる」と、ポップコーンと館内で購入した野菜を手に笑顔を見せた。
梅沢さんは「見る前の待合室、余韻に浸るカフェなど、映画館で見るという体験を楽しんでほしい」と話している。
新作、旧作4作品を2~3週で入れ替える。一般1500円、60歳以上1200円、高校生まで1000円。上映予定など詳細は「金星シネマ」のホームページで確認できる。
09/15 15:45
読売新聞