YOASOBIの名前がない!発表された紅白歌合戦出場歌手、まだまだ可能性があるNHKの“隠し球”アーティストは?
年末の風物詩であるNHK紅白歌合戦の出場アーティストがついに発表された。いつもの顔ぶれ、名前だけは聞いたことがある者、そして人によってはまるで知らない存在まで41組が勢揃いだ。推しのアーティストの「落選」に悲しむファンがいる一方で、ado、Perfume、YOASOBIなどの人気者がいないことに驚く声も上がっている。そして、「特別企画」の内容はまだ謎に包まれているが、いったい何が行われるのだろうか? 情報通たちに予想を聞いた。
国産アイドルグループは死屍累々
11月19日、今年の大みそかに放送される「第75回NHK紅白歌合戦」(NHK)に出場するアーティスト41組が発表された。
石川さゆり、坂本冬美、天童よしみ、水森かおり、郷ひろみなど安定のラインナップのほか、椎名林檎、純烈、福山雅治、三山ひろしなど近年のレギュラーメンバーも出そろった。
そして、初出場はILLIT、tuki.、ME:I、Omoinotake、Creepy Nuts、こっちのけんと、Da-iCE、TOMORROW X TOGETHER、Number_i、新浜レオンの10組。
さらに、今年の夏に休養から復活を遂げた氷川きよしが、紅組と白組の枠を超えた特別企画で出演することも決まっている。
早速、X(旧Twitter)では関連ワードがトレンド入り。特に「紅白落選」というトレンドワードを見ると、
〈紅白歌合戦 女性アイドル枠争奪戦 FRUITS ZIPPER vs 超ときめき♡宣伝部 vs 日向坂46 vs =LOVE 結果は全滅でした。〉
〈ケーポップ好きだけど結構マジでFRUITS ZIPPERのが流行ってた気がする〉
などなど、アイドルファンたちからの悲しみの声が溢れていた。
特別企画のTikTok枠とアニメ枠に期待
アイドルファンたちを慰めるわけではないが、今回2年ぶりに復帰する氷川きよしのような特別企画という出方もある。
すでにほかメディアでも報じられているように、今年のNHK連続テレビ小説(朝ドラ)の主題歌を歌う米津玄師とB’zも、この特別企画での出場の可能性も予想されているのだ。
「これまで一度も出演したことのないB’zはともかく、米津玄師さんは2018年に1度出演しているため、“絶対にない”とは言い切れません。
また、この特別企画は2組続けて出演するという演出も定番。例えば昨年、黒柳徹子さんが司会を務めたTBSの伝説的歌番組『ザ・ベストテン』を再現したコーナーに寺尾聰さんと薬師丸ひろ子さんが出演しました。
そういった特集を組んでFRUITS ZIPPERと超ときめき♡宣伝部が、それぞれ『わたしの一番かわいいところ』と『最上級にかわいいの!』を歌うこともあり得ます」(カルチャー誌編集者)
また、今年は往年の人気アニメの立役者たちが亡くなった年だったため、アニメに関する企画もあるかもしれない。
「『ドラゴンボール』の作者である鳥山明さん、『ドラえもん』の声を長年務めた大山のぶ代さん、『ちびまる子ちゃん』でまるちゃんの声を当てていたTARAKOさんといった、老若男女に愛された国民的アニメの関係者たちが亡くなり、多くの人が悲しみました。
さらに紅白出演者発表の同日に『鉄腕アトム』の主題歌の作詞を手掛けた詩人の谷川俊太郎さんの訃報も報じられました。
そのため、テレビ局の垣根を超えた『アニメスペシャル』と題した企画はぜひやってほしいですね。
三山ひろしさんは自身のカバーアルバムで『鉄腕アトム』を歌っているため、何かしらの形で披露される可能性もあります」(同)
ちなみに、Netflixの話題作『シティーハンター』の主題歌「Get Wild」を歌うTM NETWORKも今年でデビュー40周年。
昨年は世界最大のアニソン・イベント「Animelo Summer Live(アニサマ)」にサプライズ出演したこともあり、アニソン枠での演奏も期待される。
オリンピックテーマ曲のYOASOBIはどこ?
他方で3年連続で出場してきたYOASOBIの名前が今年は見当たらない。これには業界関係者の間でも驚きが広がっている。
「2020年、『夜に駆ける』で初めてテレビ出演を果たしたYOASOBIは、昨年はNew Jeans、乃木坂46、Stray Kids、そして司会者の橋本環奈と共にアニメ『推しの子』の主題歌『アイドル』を披露し、『ジャニーズなき2023年のアイドルたち』を具現化した近年の紅白の功労者です。
そのため、業界関係者たちも“何があったんだ?”と動揺を隠しきれません。ヴォーカルの幾田りらは今年バラエティ番組に引っ張りだこだった印象です。
同じく名前がなかったあのとコラボ曲『絶絶絶絶対聖域』や『青春謳歌』を歌うことも予想されていたのですが……」(前出・カルチャー誌編集者)
アジアツアーの真っ最中で多忙のため、辞退した可能性も高いが、YOASOBIはNHKのパリオリンピックのテーマ曲「舞台に立って」を担当していただけに、驚きの声も上がっている。
「2012年にこれまで頑なに出演を拒んでいたMr. Childrenが北京オリンピックのテーマ曲『ギフト』で、2016年に安室奈美恵が特設ステージから、リオオリンピックのテーマ曲『Hero』を熱唱して引退したことで、『NHKのオリンピックテーマ曲を担当したら、紅白出演は絶対』と思われがちです。
しかし、2000年にシドニーオリンピックのテーマ曲『Get U're Dream』を担当したZARDも、当時は『ついに顔出しで出演か?』と噂されていましたが、実現することはありませんでした」(レコード会社関係者)
また、前出のカルチャー誌編集者は「舞台に立って」は楽曲として「弱い」のではないかと推測する。
「同曲はこれまでのYOASOBIの複雑な構成と展開が売りの楽曲と比べるとシンプルな作りです。
爽快感は聞いていて気持ちが良いのですが、いざ披露するとなると『夜に駆ける』や『アイドル』のような、視聴者をあっと驚かせるようなパフォーマンスに持っていきにくそうです。
初登場の年と昨年の演奏でハードルが上がりきってしまったようにも思います」
とはいえ、パリオリンピックがらみの特別企画は必須だ。
審査員席にはひとりは金メダリストが座るはずである。
そのため、前出のレコード会社関係者は「『舞台に立って』をBGMにパリオリンピックの名場面が流れるのでは?」と予想する。
さらに、50-50を達成した大谷翔平の快挙を讃えるコーナーや、八代亜紀さんと西田敏行さんの追悼企画もあるだろう。大晦日までまだ1ヵ月半あるが、引き続き、紅白歌合戦の動向に要注目だ。
取材・文/千駄木雄大
11/20 11:00
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