なぜ10代の若者がLUNA SEAにハマっている!? 最近のアーティストとの違いを学生たちが熱弁「勢いとか曲調とかですかね!あとは…」

5月25日より、結成35周年イヤーを記念した大規模ホールツアーの第1弾「LUNA SEA 35th ANNIVERSARY TOUR 2024 ERA TO ERA -EPISODE 1」をスタートしたLUNA SEA。1989年に結成し、1990年代に「ROSIER」や「I for You」など数々のヒット曲を生み出してトップに上り詰めた彼らだが、最近、若者からの人気が増加しているという。

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若者のLUNA SEAファン「SLAVE学園」

昨年、X上のファン界隈をにぎわせたのが「高校生SLAVE」という聞きなれない言葉。LUNA SEAはファンのことを「SLAVE(スレイブ)」と呼び、オフィシャルファンクラブの名前も「SLAVE」となっている。しかし「高校生SLAVE」とはいったいどういうことか。

実はLUNA SEAを愛する若者のファンたちが、「高校生SLAVE」「SLAVE学園」と称して集まっているのだ。35年も活動をしているだけあって、ファンの年齢層もそれに比例して高まっていたLUNA SEAだけに、今改めて若者ファンがこうして集まってSNSで発信していることは大きな話題を呼んだ。

SLAVE学園は昨年5月、東京都調布市の武蔵野の森スポーツプラザで行なわれたライブ「THE BEST OF LUNA SEA2023」にて、高校生のTAKUYAさん(@TAKUYASLAVE0503)ともう一人同名のTAKUYAさんとで、「僕ら以外の若いSLAVEとも交流したい!」「若いSLAVE同士で交流しやすい環境・関係を作りたい」との想いから発足。そこから数がどんどん増えていき、現在では26人の所帯に。年齢層は、下は中学生から上は20歳前後で、男女比はだいたい7:3(女:男)くらいだ。

「特に活動といえる活動はふだんはないのですが、LUNA SEAのライブの際は集会のような形で会場に来れる人のみで集合しています。その際にみんなでLUNA SEAの魅力について語り合ったり、集合写真を撮ってLUNASEAが若い人にも人気があるということが伝わればいいなという思いでSNSに「#」をつけて写真をあげたりしています。ライブ以外ですと、LINEグループがあるため、LUNA SEAから発表があるたびにみんなで興奮を共有したり、気軽にLUNA SEAへの好きを語っていたりしています!」(TAKUYAさん)

それにしても、なぜ10代そこそこの彼らが今、LUNA SEAにハマっているのだろうか。LUNA SEAは確かに人気バンドだが、2000年に一度終幕(活動休止)しており、2010年にREBOOT(再始動)。REBOOT後のメディア露出は以前ほど多くないため、なかなか活動に触れる機会も少ないと思われる。

LUNA SEAとの出会い、ハマったきっかけなどについて、SLAVE学園の5人に聞いた。

 14歳がLUNA SEAにハマったきっかけ

まずは大学1年生の男性・Cherryさん(@Cherry_SGZ8924)。両親が世代だったため、ドライブに出かけるときなど、幼稚園のころからLUNA SEAの曲を聞いていたことが、バンドとの出会いだ。

小学生になってから洋楽を聞くようになり、さらにそこからX JAPANを聞き、両バンドでギターを担当しているSUGIZOの存在がきっかけで、LUNA SEAも本気で聞くようになったという。「親とX JAPANを経由したことが大きいと思います」と語るCherryさん。確かに、今の10代、20代がLUNA SEAを聞くきっかけとして多いのは、やはり親の影響だろう。

現在14歳の女性・センさん(@Jdas_8)も、父親がLUNA SEAやX JAPANのファンで、父から「ROSIER」を教えてもらったことがきっかけだと話す。

「MVを見たときにこんなにカッコイイ人たちがいるのかと衝撃を受けました。特に、RYUICHIさんの歌声に圧倒され、そこからLUNA SEAについて調べるようになりました。そんな中、1992年のライブツアーIMAGE or REALの『MECHANICAL DANCE』を見て、完全に沼にハマりました。

最初はサブスクで聞いていたのですが、ライブ映像を見て私が前まで聞いていたバンド(邦ロックなど)とは違う世界だと感じました。RYUICHIさんのトガった声と激しい演奏。かつてはテンポも速かったので、初めに見たときは心が追いつきませんでした(笑)」(センさん)

LUNA SEAを好きになってからは、90年代の音楽や、80年代の音楽にも触れるようになり、ベースやギターの音に耳をすまして音楽を聴くようにもなったという。

「LUNA SEAの魅力は、絶えず変化し続けるところです。RYUICHIさんが病気などで声が不調のときもありましたが、それも、LUNA SEAの魅力となって輝いていると思います。歌詞も、IMAGEのころとCROSSのころでは雰囲気が違いますが、その変化が、他のアーティストにはないところだなと感じます。
どの時代も素晴らしく、LUNA SEAはLUNA SEAなのです。また、上手く言葉にできないのですが、最近のアーティストとLUNA SEAでは曲のテーマがまったく違うような気がして、そういったところが私が聞き続ける理由になっています」

また、若者がLUNA SEAにハマるきっかけとして、親の影響と同じくらい多いとされるのが、YouTubeの存在だ。

17歳の男子高校生・UMEZUさん(@mettsu4649)は、2015年のLUNA SEA主催のロックフェス「LUNATIC FEST.」の動画を見て、LUNA SEAを知ることになった。

INORANに憧れてギター練習 

「ギターを始めてからいろんな方の弾いてみた動画などを見てくうちに、1980~1990年代のROCKにしか興味がなくなってしまい、その世代のバンドのLIVE映像や音楽ばかりを聴いていました。そこでLUNATIC FESTの動画を発見し、出演アーティストみんなで演奏している『Precious…』を観て、『この曲いいなぁ〜』って思ったのがLUNA SEAに興味を持ったきっかけでした」(UMEZUさん)

さらに16歳の女子高校生・もちにゃんさん(@luna_luvx)も、「YouTubeのオススメにROSIERのMVが出てきて見たことがきっかけです!」と、LUNA SEAとの出会いを明かす。

「ライブ初参戦が昨年5月の『THE BEST OF LUNA SEA 2023』で、いきなりROSIERから始まったとき、鳥肌がヤバくてそこからガチでファンになりました! 周りへの布教活動もしていて、友だちに曲を聞かせたりしていたら、『LUNA SEA気になるから今度LIVE一緒に行きたい』といってくれたので、次のライブは学校の子と行きます!」(もちにゃんさん)

もちにゃんさんはLUNA SEAの影響で、私服が真っ黒に染まり、さらにギターを始めたという。最近はギターのINORANにあこがれて毎日練習の日々。同世代が多く聞いている人気アーティストとLUNA SEAとの違いは、「勢いと曲調とかですかね! 昔のバチバチのメイクなど自分に刺さるところが多かったです!」と語る。

最後に、SLAVE学園の発足者である高校3年生のTAKUYAさん。LUNA SEAを知ったきっかけは、X JAPANでギターを弾くSUGIZOを見たこと。その際、父親から「SUGIZOはLUNA SEAのギタリストなんだよ」と教えられ、YouTubeで調べてROSIERのMVを見て、LUNA SEAにのめり込んでいった。

「2020年のコンサートツアー『LUNA SEA 30th Anniversary Tour 2020 -CROSS THE UNIVERSE-』の南相馬市公演に行くまでは、ROSIERとI for youくらいしか知らなかったのですが、このライブをきっかけにどハマりしました。特に衝撃を受けたのがSweetest Coma AgainとJESUSのベースソロと杉様(SUGIZO)のギターリフ。生で聴いてハートをぶち抜かれましたね。なぜ自分がLUNA SEAにハマったのか、SEARCH FOR REASONした結果、これがLUNA SEAにハマる最も大きなREASONでした」(TAKUYAさん)

LUNA SEAをコピーして披露

TAKUYAさんは自分のバンドでLUNA SEAをコピーし、ライブ経由で周りにLUNA SEAを布教。出番が終わったあとは友だちから「曲名教えて!」「なんでバンドの曲?」など聞かれることもあるという。そしてやはり、LUNA SEAにハマってからは私服が黒ばかりになっていったそうだ。

「LUNA SEAの魅力は、常に進化し続けていて、ライブで真価を発揮するところです。自分自身、父親にライブに連れていってもらったことがきっかけでLUNA SEAのカッコよさに気づけたので。今、まわりの友だちの間で流行っているアーティストたちと決定的に違うところは、メンバーそれぞれが全く違う音楽性を持っているかつ、毎回ライブで期待を大幅に上回る演奏をしてくれるところですね。あんなに好きな音楽がバラバラでまとまっているバンドを僕は他に見たことがありません!」(TAKUYAさん)

未来・過去・今…LUNA SEAで繋がっていくSLAVEの輪。SLAVE学園がやがてさらに大きな組織となり、メンバーに認知されるのも時間の問題かもしれない。

取材・文/集英社オンライン編集部
 

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