『レオ・レオーニと仲間たち』板橋区立美術館で 『スイミー』で知られる絵本作家を仲間たちとの交流にも焦点をあて紹介
小さなさかなのお話『スイミー』などの絵本で知られるレオ・レオーニ(1910-1999)は、絵画やデザイン、絵本などの多彩な分野で活躍したアーティスト。その制作活動と、影響関係にあったアーティストたちを併せて紹介する展覧会が、11月9日(土)から2025年1月13日(月・祝)まで、東京の板橋区立美術館で開催される。
オランダで生まれ、豊かなヨーロッパ文化を享受して成長したレオーニは、青年期にはイタリアで未来派のブルーノ・ムナーリといった芸術家や、ソール・スタインバーグら文化人と交流し、影響を与え合ったという。1939年の渡米後はベン・シャーンやカルダーらとも親交を結び、アートディレクターとして広告や雑誌の分野で活躍する一方、絵画制作にも打ち込んだ。後半生はイタリアに移住し、画家、彫刻家、絵本作家として多くの作品を生みだしている。
板橋区立美術館は、1996年にレオーニ本人の協力を得て日本初の個展を開催。また2020年には、遺族との交流を通じ、初公開作を多数含む『だれも知らないレオ・レオーニ展』を開催して、のちに約70点の作品寄贈を受けている。今回の展覧会は、同館にとっては3度目のレオーニ展。これまでの交流の積み重ねや、長年にわたる調査研究を通して明らかになった彼の活動の全貌を、20世紀の文化史の大きな流れの中から検証する意義深い企画となっている。
少年時代から晩年まで、その生涯をたどる同展では、各時代における仲間たちとの交流にも焦点をあてつつ、レオーニの多彩な作品が展示される。また後年に様々なテーマで手がけた絵画シリーズや、パーキンソン病を患った後も精力的に制作した彫刻や「鳥」シリーズなど、見どころも多い。
同展はもちろん、絵本の紹介にも力を入れている。1959年に初の絵本『あおくんときいろちゃん』を出版して以来、ほぼ1年に1冊のペースで制作を続けたレオーニの物語絵本は27冊にのぼる。原画の一部を展観すると同時に、30年以上に及ぶレオーニの絵本づくりの軌跡も振り返る。初の絵本発刊から60年を超えた今も、世界中に愛されるレオーニの魅力を改めて堪能したい。
<開催概要>
『レオ・レオーニと仲間たち』
会期:2024年11月9日(土)〜2025年1月13日(月・祝)
会場:板橋区立美術館
時間:9:30~17:00(入館は16:30まで)
休館日:月(1月13日は開館)、12月29日~1月3日
料金:一般650円、大高450円、中小200円(土曜は高中小無料)
公式サイト:
https://www.city.itabashi.tokyo.jp/artmuseum/4000016/4001836/4001852.html
10/23 11:30
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