愛知県芸術劇場×Dance Base Yokohamaがショーケースを実施、岡田利規×酒井はなの新作ほか4作品を世界初演

愛知県芸術劇場とDance Base Yokohama (DaBY)が、4度目となるショーケース「愛知県芸術劇場×Dance Base Yokohama パフォーミングアーツ・セレクション2024」を開催、国際的に注目されるアーティストによる4つの新作を愛知にて、また神奈川ではこのうち3つの新作と2023年に発表された2作品を再演する。

ダンスを中心とするパフォーミングアーツ作品の創作を目的に、地域や文化芸術を愛する人のために開かれたダンスハウスとして2020年6月横浜を拠点に設立されたDaBY。愛知県芸術劇場とDaBYが連携して創作した演目をセレクション形式で上演する「パフォーミングアーツ・セレクション」は、2021年にスタート、これまでに10作品を発表、国内外20会場でツアーを実施し、注目された。今回は、まず11月30日(土)、12月1日(日) に愛知県芸術劇場小ホールにて、『間(あいだ)の時間』として、4組による新作をA・Bのふたつのプログラムで上演する。

岡田利規×酒井はな『瀕死の白鳥 その死の真相』(C)Naoshi HATORI

Aプログラムで上演するのは、岡田利規による演出・脚本で、バレエダンサー酒井はなが「バレエ系YouTuberはな」として、ロマンティックバレエの傑作『ジゼル』を紹介する『ジゼルのあらすじ』と、ウィリアム・フォーサイスと約10年にわたり活動した島地保武が、DaBYレジデンスダンサーたちへフォーサイスとの創作体験や手法を共有しながら創作した、踊る喜びがあふれる『Dance for Pleasure』の2作品。

島地保武『Dance for Pleasure』(C)Joseph Marcinsky

Bプログラムでは、1980年代後半に生まれた同世代4名の振付家・ダンサーが、2組のデュオを発表。音楽やファッション、デザインや現代アート等の多様な領域を軽やかに行き交う小暮香帆とハラサオリは、歌舞伎における異性装や幽霊といった性表現の再解釈を行う『ポスト・ゴースト』を、鈴木竜と岡本優は、鈴木が幼少期から親しんできた「けん玉」の身体性を解体し、舞踊として新たに再構築する異色作『TAMA』を上演する。

小暮香帆×ハラサオリ『ポスト・ゴースト』(C)Yulia Skogoreva

鈴木竜『never thought it would』(C)Naoshi HATORI

また神奈川公演では、Aプログラムにて小暮香帆×ハラサオリ『ポスト・ゴースト』、島地保武『Dance for Pleasure』を上演、Bプログラムは岡田利規×酒井はな『ジゼルのあらすじ』と、2023年の『目覚めの前のエクリチュール』で初演された、柿崎麻莉子×堀田千晶『Can't-Sleeper』、島地保武×環ROY『あいのて』からなるトリプルビルが予定されている。

柿崎麻莉子 『Can't-Sleeper』(C)Yulia Skogoreva

島地保武×環ROY 『あいのて』(C)Yulia Skogoreva

愛知県芸術劇場芸術監督(アーティスティックディレクター)、DaBYアーティスティックディレクターである唐津絵里がプロデュースを手がけたショーケース、その意欲的な活動に大きな期待が寄せられる。また11月下旬には愛知県芸術劇場にて岡田利規、酒井はな、島地保武が講師を務めるワークショップの開催も予定されている。

〈上演作品〉
岡田利規×酒井はな『ジゼルのあらすじ』

2021年の「ダンスの系譜学」で初演を迎え、その後国内外13会場で上演、各地で大盛況を博した、環境問題をテーマに扱う『瀕死の白鳥 その死の真相』 に続き、岡田利規と酒井はなが取り組む新作の第2弾。本作では、バレエ系YouTuberはなが、ロマンティックバレエの傑作『ジゼル』のあらすじを紹介する。

演出・脚本:岡田利規*
出演:酒井はな*
舞台美術:佐々木文美

島地保武『Dance for Pleasure』

世界的な振付家ウィリアム・フォーサイスとの活動をはじめ、分野を横断した様々なアーティストと協働してきた島地保武が、11名のダンサーと創作するアンサンブル作品。「ダンスそのものの追求」と語る島地とダンサーたちが 相互に連関して生まれる景色から、何が見えてくるだろうか。

演出・振付・出演:島地保武*
リハーサルディレクター・出演:貝ヶ石奈美
出演**:木ノ内乃々、鈴木大翔、畠中真濃、藤村港平、堀川七菜、
山口泰侑、Liel Fibak
アンダーキャスト**:青柳潤、星野めいや
アプレンティス**:織田若菜
音楽:岡直人

小暮香帆×ハラサオリ『ポスト・ゴースト』

デザイン理論や生態心理学を参照した創作手法で注目を集めるハラサオリと、強靭な身体性と繊細な表現力を併せ持ち、独自の存在感を放つ小暮香帆よる新作デュオ。歌舞伎における異性装や幽霊といった性表現の再解釈へ共に取り組む。

演出・出演:ハラサオリ***
振付・出演:小暮香帆***
ドラマトゥルク:丹羽青人(DaBY)
衣裳:藤谷香子

鈴木竜×岡本優『TAMA』

「鈴木竜トリプルビル」や現代美術作家の大巻伸嗣、サウンドアーティストのevalaと協働したフルイブニング作品『Rain』など、愛知県芸術劇場にて複数の初演を行ってきた鈴木竜と、自身が主宰するカンパニーの活動や公演へのゲスト出演など、大活躍の岡本優。同世代の二人が初タッグを組み、鈴木が幼少期から親しんできた「けん玉」の身体性を解体し、舞踊として新たに再構築する異色作。

演出・振付・出演:鈴木竜***
出演:岡本優
音楽:音無史哉

トリプルビル「目覚めの前のエクリチュール」(2023年初演)より
『Can't-Sleeper』

バットシェバ・アンサンブル出身で、今世界で注目を集める振付家のシャローン・エイヤール率いるL-E-Vダンスカンパニーのもとで活動してきた柿崎麻莉子とAlice Godfrey(元NDT)が、作品タイトルでもある「不眠」をテーマにした作品。柿崎が取り組んだのは「寝る前にふと思い出して安心できるような、眠れない夜に救いを与えてくれるようなダンス」。

演出・振付・出演|柿崎麻莉子***
振付・初演出演:アリス・ゴドフリー
出演:堀田千晶
音楽:中野公揮ほか
衣裳:Chika Kisada
アドバイザー:丹羽青人(DaBY)
リサーチ協力:坂田賢隆、Sleeping Life Murata

『あいのて』

世界的な振付家ウィリアム・フォーサイスとの活動を初め、国内外で作品を発表してきたダンサーの島地保武と、音楽を軸にパフォーマンスやインスタレーションといった領域で活躍するラッパーの環ROYが、前作『ありか』を経て創作した「哲学的コント」とも呼ぶべき作品。ドラマトゥルギーの長島確が「意識と感情と記憶と体についての、非常に変則的なかけ合い漫才か、ある種のレクチャーパフォーマンスとも言える」と語る島地と環の2作目。

演出・出演|島地保武*
テキスト・出演:環ROY*
ドラマトゥルギー:長島確

*DaBYゲストアーティスト/ **DaBYレジデンスダンサー /*** DaBYレジデンスアーティスト


<公演情報>
【愛知公演】(世界初演)
愛知県芸術劇場×Dance Base Yokohama
パフォーミングアーツ・セレクション2024「間(あいだ)の時間」

日程:
2024年11月30日(土) 14:00[A]、17:00[B]
12月1日(日) 13:00[A]、16:00[B]

上演作品:
【Aプログラム】岡田利規×酒井はな『ジゼルのあらすじ』
島地保武『Dance for Pleasure』
【Bプログラム】小暮香帆×ハラサオリ『ポスト・ゴースト』
鈴木竜×岡本優『TAMA』
会場:愛知県芸術劇場 小ホール

詳細:
https://www-stage.aac.pref.aichi.jp/event/archive/detail2024/24_minisele/index.html

【神奈川公演】※詳細は後日発表
愛知県芸術劇場×Dance Base Yokohama
パフォーミングアーツ・セレクション2024

日程:
2024年12月7日(土) 19:00 [A]、
8日(日) 13:00 [B]、19:00 [A]、
9日(月) 14:00 [B]

上演作品:
【Aプログラム】
[新作]小暮香帆×ハラサオリ『ポスト・ゴースト』
[新作]島地保武『Dance for Pleasure』
【Bプログラム】
[新作]岡田利規×酒井はな『ジゼルのあらすじ』
[再演]柿崎麻莉子×堀田千晶『Can't-Sleeper』
[再演]島地保武×環ROY『あいのて』
会場:KAAT神奈川芸術劇場〈ホール〉

詳細:
https://dancebase.yokohama/event_post/pas2024

<ワークショップ情報>
ワークショップ講師:岡田利規、酒井はな、島地保武
会場:愛知県芸術劇場
日程:2024年11月下旬を予定
詳細:
https://dancebase.yokohama/event_post/pas2024-event
※随時更新。

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