三谷幸喜「長澤まさみは光り輝いています」 映画『スオミの話をしよう』公開直前イベントを福岡で開催

映画『スオミの話をしよう』の公開直前イベント『福岡でスオミの話をしよう!!』が、9月9日に開催。監督・脚本を手がけた三谷幸喜と主演の長澤まさみが登壇した。

三谷映画最新作となる『スオミの話をしよう』はミステリーコメディ。大富豪の妻・スオミ(長澤)が行方不明になったことを知り、誘拐を疑う庭師・魚山(遠藤憲一)、怪しいYouTuber・十勝(松坂桃李)、情に厚い警察官・宇賀神(小林隆)、神経質な刑事・草野(西島秀俊)、そして芸術家で大富豪の現夫・寒川(坂東彌十郎)といったスオミを愛した一癖も二癖もある5人の男たちが集結。しかし、彼らが語るスオミは、見た目も性格もまるで別人だった……。

福岡は三谷にとってゆかりのある場所で、長澤が現在公演中の舞台『正三角関係』で北九州を訪れていたことから今回のイベントが実現。会場には1,000人以上の地元ファンが詰めかけ、ふたりが登場すると会場からは大きな歓声と拍手が。さらに「どうも、三谷幸喜です。みんな、よう来んしゃったね!」(三谷)、「三谷さん、今日は朝から何しよったと?」(長澤)、「今日は朝から取材取材で疲れたばってん、みんなの顔見れて、ばり嬉しか!」(三谷)と事前に打ち合わせしたという軽快なやり取りを博多弁でみせると、会場からはさらに大きな歓声が上がった。

福岡の印象を聞かれた長澤は「ごはんが美味しくて、福岡に来ると何食べようと迷っちゃいます。仕事でしか来たことがないので、いつかはプライベートで来たいと思っている大好きな街です」と答え、三谷は「母親が福岡の平尾に住んでまして、父は鹿児島で生まれて中州でクラブをやっていました。2歳までしか住んでいませんが、(福岡には)すごく親近感が湧いています。九州の血が流れていますね!」と両親との思い出を語った。

いよいよ公開を目前に控えた今の気持ちをふたりに聞くと、長澤は「ちょうど去年の今頃、暑い中、撮影をしていました。映画になって皆さまのもとに届くんだなと思うとすごく感慨深いですし、早く皆さんに観て、楽しんでいただきたいです」、三谷は「映画って撮影終わってからが大変なんです、編集したり、そこに音楽をつけたり。その期間が今回は1年近くあったので、じっくりたっぷり仕上げることができました。僕としてはとてもとても満足できる作品になってると思います」と本作への自信を覗かせた。

先日行われた完成披露では大勢のキャストで笑いの絶えないチームワークの良さを感じさせたが、本作で唯一となるふたりのイベント。三谷に、改めて長澤の魅力を聞くと「こうやって実物を見るとお分かりになるかと思いますが、光り輝いています。傍にいるだけでオーラに暑苦しさを感じるくらい……(会場笑)。長澤さんの今の魅力をスクリーンの中に埋めてしまいたいくらいの思いでやらせて頂きました。最後のミュージカルシーンで長澤さんが歌い踊るんですが、日本映画史に残るんじゃないかと思うくらい素晴らしいシーンになっていると思います」と語った。

三谷幸喜が“俳優・長澤まさみ”に期待すること

以前“三谷監督とのお仕事は挑戦状をもらうみたいな感じがする”とコメントしていた長澤に三谷映画に初出演した気持ちを聞くと「(本作は)なかなかの挑戦状だったんじゃないかなと思います。スオミという女性はいろんな顔を持つ女性というのが見どころです。いろんな役を演じるのは、今までも経験がありますが、今回はスオミというひとりの女性であるということがポイントになるので……どういうことなのかは映画館で確かめていただきたいです」とスオミの役作りについて苦労を明かした。

演じていて楽しかったキャラクターを聞かれると「西島さんが演じる草野さんと一緒にいる時のスオミは素に近いスオミじゃないかと思っていて、癖になる魅力があるキャラクターで演じていて楽しかったです」と話すと、三谷からは「一番素の長澤さんに近いキャラクターな気がしました」と約10年以上にわたり信頼関係の厚いふたりだからこそ生まれるやり取りで会場を沸かせた。

三谷に今後、“俳優・長澤まさみ”に期待することを聞くと「舞台女優としても素晴らしいものを持ってる。映像だとどうしても顔のアップが多くなるが、舞台は出てきた瞬間、全身が観られる。全身に気持ちが入っていないと見ていておもしろくない。長澤さんは出てきた瞬間から全身で演じられている。それを2時間ずっとできる俳優さんは限られている気がする。もっと舞台をやってほしいし、歌えて踊れるので、ミュージカルもやってほしいし、もっと言うと映画のミュージカルもやってほしいです」とコメント。

対して、今後三谷に期待することを聞かれた長澤は「三谷さんは期待にいつも負けないのが本当にすごいと思うんです。たくさん期待されればされるほど、自分に自信を無くしてしまったり、尻込みしてしまったりするけど、なんの苦労を感じないくらい陽気に乗り越えてしまう。いつも皆を驚かせる、期待をどんどん越えていく、やる気に満ち溢れた三谷さんでこれからもどんどん面白い作品を生み出してほしいなと、いちファンとして思います」と言葉を選びながら語ると、三谷は喜びを博多弁で「ばり嬉しかー!!」と叫び、会場は温かい拍手で包まれた。

最後に長澤は、「改めてたくさんの方にこの作品を待ってもらってるんだなと実感できて、久しぶりの地方キャンペーンがとっても楽しかったです」、三谷は「映画は完成したんですが、これはコメディなので、映画館で上映してたくさんのお客さんに観ていただいて、皆さんの笑い声や歓声がプラスされてはじめて完成すると思います。是非、映画館に足を運んでいただき、みんなで『スオミの話をしよう』を完成させようじゃありませんか!」と力強く語り、イベントは幕を閉じた。

<作品情報>
『スオミの話をしよう』

9月13日(金) 公開

『スオミの話をしよう』メインカット

公式サイト:
https://suomi-movie.jp/

(C)2024「スオミの話をしよう」製作委員会

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