山﨑賢人、『キングダム』シリーズ牽引で日本人初の「The Best from the East Award」受賞

山﨑賢人が、『ニューヨーク・アジアン映画祭 2024』(略称:NYAFF)にて日本人初となる「The Best from the East Award」を受賞した。

2002年に創設されたニューヨーク・アジアン映画祭は、今年23回目を迎える北米でもっとも由緒あるアジア系映画祭で、ニューヨークで評価を得ているイベントのひとつ。山﨑は、映画『キングダム』シリーズにて1作目から主人公・信を演じて牽引し、素晴らしい演技を披露してきたことが認められての受賞となった。ここでは、そのレポートをお届けする。

現地時間7月19日、授賞式の登壇に先駆け、山﨑が現地入りし、ニューヨークを代表する観光名所を巡った。最初に訪れたのは、世界三大美術館のひとつ、メトロポリタン美術館。観光客が溢れる入り口前の階段に到着すると「ニューヨークに来ました! (ニューヨーク渡航は)初めてです! 街がかっこいいですね!」とまさかの“自身初ニューヨーク”となる今回の訪問に、高揚気味の山﨑。

その後、緑あふれるセントラルパークに場所を移した山﨑は、今回のニューヨーク・アジアン映画祭での受賞について、「日本だけじゃなく、ニューヨークでも『キングダム』が話題になっているんだ!という嬉しさと驚きを感じます」と、本作が海を越えて盛り上がっていることへの喜びを露わにしつつ、明日『キングダム』が現地で初上映されることについて「(現地の方々は)どんな反応をするんだろう?って、すごく楽しみですね!(きっと)『キングダム』の良さは国に関係なく伝わるんだろうな」とその期待を口にした。

最後に山﨑が訪れたのは、“世界の交差点”とも言われるタイムズスクエア。さまざまな人とエンタメが集まり交差する光景を目にした山﨑は「エンタメの1番の街で、『キングダム』が上映されるって、すごいテンションが上がりますね! ここで“ドカン!”と盛り上がってくれたら最高だなって」と率直な想いを露わにした。明日控える授賞式について聞かれると「キングダムの魅力を改めて自分の口から現地の皆さんに届けて伝わればいいなと思うし、スタッフ・キャストみんなで作り上げたものなので、代表して賞をいただいて『キングダム』、ニューヨークに来たぞ!!”ということを残して帰りたいと思います!」と、熱い意気込みを見せた。

そして現地時間7月20日、レッドカーペットセレモニー直前の山﨑に心境を聞くと「この(映画祭の)ためにここまで来たので、すごく楽しみです! 賞をありがたく頂いてこれからの糧にできるように、『キングダム』チームを代表して受け取りに行きたいです!」と気合十分。実は、本映画祭で上映される『キングダム』のチケットは、発売後、即ソールドアウトという人気ぶり。場内にすでにたくさんの観客が集まっていることを聞いた山﨑は、「(このあと間もなく)『キングダム』がアメリカで初めて上映となることに、自分自身とてもワクワクしているんですけれど、お客さんに楽しんでもらえるように、スピーチも頑張りたいと思います!」と改めてその意気込みを語った。

リンカーン・センターで行われたレッドカーペットセレモニーに、山﨑が参加。多くの海外メディアが集まる中、黒のフォーマルな衣装に身を包んだ山﨑が登場すると、フラッシュの嵐に。沢山のカメラに「Thank you!」と声をかけながら笑顔を向け、最後にはキングダムポーズを決めながらレッドカーペットセレモニーを終えた。

上映前に行われた授賞式では、『キングダム』シリーズを牽引してきた山﨑が「The Best from the East Award」という、日本映画とアジア映画全般におけるエンターテインメントの展望に多大な貢献をしたアーティストを称える賞を、日本人で初めて受賞した。

同賞の受賞理由をMCでありNYAFFディレクターであるサミュエル・ジャミエは、「多くの映画やドラマを通じて日本だけでなくアジア全体、そして世界中に数多くのファンを持っていて愛されています。特に『キングダム 大将軍の帰還』は、これまでのシリーズ3作で大ヒットを続け、多くの優れた俳優たちの演技が胸躍る興奮と感動を提供しています。山﨑さんは、このシリーズの主役として魅力的な熱演と感動的な演技を披露し、爽快なアクションシーンでも見事なパフォーマンスを見せてくれました」とコメントを寄せ、ステージ上で「童信、素質がありますよ」と『キングダム』らしく王騎将軍の言葉にのせてトロフィーを渡した。

受賞を受け、山﨑は「Hello everyone. My name is Kento Yamazaki. It's great honor to be here today.」(皆さんこんにちは、山﨑賢人です。ここに来れてとても光栄です)と、英語で堂々としたスピーチを披露。そして、山﨑は「今回このような賞をいただけて本当に嬉しく思います。『キングダム』という作品は自分にとってもすごく大切な作品のひとつです。20代の7年間をキングダムという作品、信という役と共にもうひとつの人生のように生きてきました。ひとりでは、このような賞をいただくこともできなかったと思うので、『キングダム』を愛していただいている皆さんにこの場を借りて感謝を伝えたいです。ありがとうございます!」と、緊張しながらも観客に向かって丁寧に感謝の言葉を述べた。

また、「日本の最高のスタッフ・キャスト、みんなで作り上げたからこそ、この賞をいただけたと思うので、チームを代表してこの賞をいただきたいと思います。(トロフィーが)すごく重いです! 今回初めてニューヨークの皆さんに大スクリーンで『キングダム』を観てもらえること、本当に嬉しく思います。これを機に海を越えて『キングダム』が皆さんに愛してもらえたら嬉しいです」「Thank you, NewYork! Enjoy Kingdom!」と、飛信隊の隊長さながらに堂々としたスピーチで会場を大いに沸かせ、トロフィーを高らかに掲げた。

授賞式後は、マスコミ向けのフォトセッション会場へと移動。先ほど受け取ったトロフィーを手に、その重みを感じながらカメラの前に立つ山﨑の姿が。1つひとつのカメラに丁寧にポーズを向け、撮影に応じた。

その後行われた本編上映では、終わった瞬間に観客から割れんばかりの拍手が巻き起った。感動と熱気に包まれている場内に、山﨑と本作のプロデューサーである松橋真三が登壇すると、会場内のボルテージは最高潮に。そのまま司会のキャレン・セバンズNYAFFプログラマーと現地の観客からのQ&Aが実施され、「世界中で愛される信の魅力は何だと思いますか?」とMCからの質問に、山﨑は「まっすぐで嘘がない、気持ちのいい人間だからかなと思います。信からまっすぐな部分や気持ちに影響を受けて自分もそうでありたいと思っていたので、観ていただいた皆さんも信のまっすぐさに心動かされているのかなと思います」と、回答した。

その後も「王騎将軍の矛と、「The Best from the East Award」のトロフィーどちらが重いですか?」という観客からの質問には、「王騎将軍の矛の方が重いです!」と、笑いながらも多くの観客からの質問に応え、朗らかにQ&Aが終了した。

最後に、イベントの感想を聞かれると山﨑は「ニューヨークの皆さんが温かく迎えてくれたので、すごく楽しかったです。日本ではなかなか聞かれないような角度の質問も多くて、また違った角度で自分の中でも『キングダム』の魅力を伝えられたかなと思います。ニューヨークの皆さんに観てもらえて凄く嬉しかったです」と話し、初めてのニューヨークの思い出となった本イベントを振り返った。

そして、「『キングダム』は最高に面白いのでニューヨークの皆さんに今日観ていただいて、もっともっと『キングダム』の面白さが広がっていったらいいなと思います」と、今後もアジアやニューヨークをはじめとして世界各国で愛されていくことを願いながら、「これだけ心震わされて熱くなれる作品なので是非映画館の大スクリーンで観てほしいし、日本のエンターテインメントの最高峰だと思うので、シンプルに映画館に楽しみに来ていただけたらいいなと思います!」と、さらなる大ヒットへ向けての溢れる想いを口にして、締めくくった。

<上映後のMCと観客からのQ&A(一部)>

──この 7年間、あなたは信というキャラクターを演じてきました。7年前に最初に映画『キングダム』が始まったとき、7年間もこの役を続けることになると思いましたか?

山﨑 1作目を作ったときには、今観ていただいた『大将軍の帰還』は決まっていなかったのですが、ここまで作ることを目指してやってきました。1作目が終わったときにもうひとつの人生だと想いながら気持ちを込めて演じてきたので、「俺は天下の大将軍になるのに、なんでここで撮影が終わってしまうんだ」と信の人生が一旦ストップしてしまうという矛盾にもがいていましたが、今はここまで信を演じることができて本当に幸せに思います。

──世界中で愛される信の魅力は何だと思いますか?

山﨑 すごくまっすぐで嘘がない、気持ちのいい人間だからかなと思います。自分自身も信からまっすぐな部分や気持ちに影響を受けて自分もそうでありたいと思っていたので、観ていただいた皆さんもその信のまっすぐさに心動かされているのかなと思います。

──信というキャラクターを演じる中で、自分自身も成長したと感じる部分はありますか? 信からご自身は何を学びましたか?

山﨑 信が天下の大将軍を目指すように自分自身も俳優としてすごい俳優になりたいなという気持ちがあって、信は強くなるために剣の修行をしますが、俳優としてはアクションの練習やできる準備はしっかりするなど、すごく信と自分がリンクするところはたくさんあります。その他にも、信と嬴政(えいせい)の関係性や信と王騎将軍の関係性と同じように、嬴政を演じた吉沢亮くんとは同世代の友達だけど一緒に俳優として上を目指していく存在、王騎将軍を演じた大沢たかおさんは大先輩でいろんなものを与えてくれる方……、自分自身との関係とも似ていて、素直に信と同じようにまっすぐ向き合うことで信を演じられたのかなと思います。

──他の役と比べて、どれくらい楽しかったですか?

山﨑 20代は、信しか演じてないくらいなので比べるまでもないというか、それくらい信はもうひとりの人格のような感覚。すごく体を動かすことが好きなので、信として一緒に体を動かすことも楽しい要素のひとつでもあるし、『キングダム』は本当に面白いので、すごく楽しいです!

──私たちが見てきた劇中の素晴らしい風景について少し教えてください。どうやって撮影を実現したのですか?

松橋プロデューサー 撮影はコロナ真っ最中だったので日本から出ることができなかったんです。本当は中国の雄大な景色で撮りたかったのですが、それが適わなかったため日本で相応しい場所を探しました。ただ、中国の雄大な景色は撮影したかったので、リモートで中国のスタッフと打ち合わせをしながら中国パートの撮影をしてもらい、素材を後々合体させる作業をしながら撮影をしました。同じ1枚の画の中に手前は日本で後ろは中国になっているものなどもあり、さまざまな工夫を凝らして撮影しました。

<作品情報>
『キングダム 大将軍の帰還』

公開中

公式サイト:
https://kingdom-the-movie.jp/

(C)原泰久/集英社 (C)2024映画「キングダム」製作委員会

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