異例の上映前スタンディングオベーション『きみの色』アヌシー映画祭でプレミア上映

山田尚子監督の最新アニメーション映画『きみの色』が、現地時間6月13日(木) 13時(日本時間6月13日(木) 2時)フランスのアヌシー国際アニメーション映画祭2024にてプレミア上映された。

本作は、『映画けいおん!』『映画 聲の形』などで知られる山田監督が、“音楽×青春”をテーマに少女たちそれぞれが向き合う自立、葛藤、恋の模様を描いた作品。脚本を務めるのは、山田監督とは『けいおん!』シリーズ以降、幾度となくタッグを組む吉田玲子、音楽は『映画 聲の形』『リズと青い鳥』など山田監督作品のサウンドトラックを担当する作曲家・牛尾憲輔。声の出演は、日暮トツ子役に鈴川紗由、作永きみ役に髙石あかり、影平ルイ役に木戸大聖と、いま注目の若手俳優たちが参加。3人を導くシスター日吉子役を新垣結衣が務める。

上映の前に山田監督が舞台へ登壇すると客席は興奮し、異例のスタンディングオベーションでお出迎え。監督は「ただいま、アヌシー! 私のバンドへの思い出と憧れがたくさん詰まった作品です。音楽は素晴らしいということと、人を大切に思う気持ちは素晴らしいということを伝えたいです」と語り、山田監督の最新作を待ちわびていた観客の期待はふくらむばかり。興奮冷めやらぬまま上映がスタートした。

上映が始まると、沢山の笑いが何度も起こったり、登場人物の感情の揺らぎに固唾をのんだりと、会場中がスクリーンに没頭していた。

さらに、今作の最大の魅力である音楽シーンでは、リズムに合わせて会場全体で手拍子が打たれ、900を超える観客のボルテージは最高潮に。エンドロールに入ると再びスタンディングオベーションが。入場の時以上の割れんばかりの歓声と拍手に最初は安堵の表情を浮かべた山田監督だったが、鳴り止まないその拍手に後押しされるかのように満面の笑みがあふれ、大盛況のワールドプレミアとなった。

上映を終え、山田監督は「胸がいっぱいで、言葉が出てこないです。観客の皆さんが、すごく楽しんでくださっているのが伝わってきて、誇らしい気持ちになりました。次につながるパワーになりますね。スタッフのみんなで一緒に来てみんなにこの景色を見せてあげたかったです」と感無量の表情で語った。

本上映で映画を観た観客からは「とても素晴らしい作品。アニメーションはもちろん、色彩が素晴らしかった。色についての作品だが、きちんと色から感情が伝わってくる、大好きな作品だった」「映画祭の中で特に好きな作品! 観ていてとても楽しかったし、音楽もキャラクターもすっと入ってきて、最高の体験だった」「すごくアメージングだった。歌も好きだったし、観客全員が一緒になって楽しんで笑って、とても温かい気持ちになった」と絶賛の嵐。

その後行われたサイン会では、性別、年代、国籍問わず多くの人が押しかけ300人を越える長蛇の列が。過去作のコンテ集を持ってきた青年がいたり、お年寄りの夫婦が熱心に話しかけたりと、現地での山田監督への関心度は非常に高かった。監督本人も言葉の壁を越え笑顔や身振り手振りで応えるなど、現地のファンとのコミュニケーションを楽しんでいた。

<作品情報>
『きみの色』

8月30日(金) 公開

公式サイト:
https://kiminoiro.jp/

(C)2024「きみの色」製作委員会

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