課題は「シューティングとリバウンド」、トム・ホーバスHC「パリ五輪ベスト8への第一歩」

第2次強化合宿(国際強化試合・北海道大会直前合宿)で調整を進めるバスケットボール男子日本代表チームが6月11日、メディアデーを実施。トム・ホーバスHCは次のようにコメントした。

トム・ホーバスHC

「20名、まだ選手が多い。みんないい仕事をやっているので、もうちょっと見たい。昨日からこのメンバーでフランスへ行こうとスタートした感じ。うちのディフェンス、新しいオフェンスも(『第33回 オリンピック競技大会(2024/パリ)』で当たる)ドイツ戦、フランス戦のためにやっている。もう始まっている」

『FIBA バスケットボール ワールドカップ 2023』から強化したい点を問われると、指揮官はこのように返答した。

「シューティングとリバウンド。『W杯』ではいつも通りリバウンドは課題だった。シューティングも3ポイントシュートの成功率が31%だったが、これでは足りない。3ポイントの成功率が上がらないと、ドイツには勝てない。40%近くあればチャンスはある。そのためにいい場所で打つ3ポイントを増やしたい。メインのオフェンスの考え方は変わっていないが、新しいオフェンスも試していく」

選手選考と勝利、国内での強化試合で優先するものを聞かれると、ホーバスHCは?

「『W杯』で『五輪』の切符を手にした。そこから始まった。2月の中国戦も勝った。うちのレベルは上がっている。オーストラリアは若いメンバーで来る。本当に勝ちたい。どんどんステップアップしたい。日本のファンの前でやる試合。練習試合だし、トライアウトでもあるが、勝ちたい。『パリ五輪』の目標のベスト8の第一歩。勝ちたい」

ホーバスHCは本大会に臨む12名の選出する流れについても言及した。

「北海道へは16人ぐらいに絞って連れていく。16人がベスト。(2試合で全員起用するか)そう。トライアウト。張本(天傑)とは1年半会っていなかったけど、昨日から本当にいい動きをしている。山ノ内(勇登)とジェイコブス(晶)にも経験させたい。札幌が終わったらNBA組(渡邊雄太、八村塁)も合流する。ヨーロッパへ行くのは12名だとケガ人が出た時に大変なので、たぶん14名くらいになると思う」

富樫勇樹

同日、選手たちもメディア対応を行った。PG富樫勇樹、河村勇輝、SG・富永啓生が『パリ五輪』への意気込みを語った。まずはこれまで日本代表を主将として引っ張ってきた富樫である。

「コミュニケーションを取っていい練習ができている。12名の狭い門、最終的な10名に入ろうとチーム内で競争しているところだが、チーム内でコミュニケーションを取ってやっていければと思っている。

(『W杯』で足りない点は)昨日のミーティングでも色々データが出たが、リバウンドと3ポイントの確率が少ないところ。どういうシュートを打っていくか。オープンなシュートの確率もよくなかったので、そこは選手個人で決め切るしかない。ひとりの選手がプラス10点取るのではなく、一人ひとりのポゼッションとか変えていくことが大事。

(国内での強化試合では)いいバスケができるかなと思っている。『パリ五輪』に向けてピークを持っていくことが大事だが、チームとしてしっかり勝っていくことが大事だと思っているので、がんばりたい。

(『パリ五輪』に向けて)10年前まで『五輪』を意識したことがなかった。『東京五輪』でホスト国として出場できて、その時は2回目に出られるとは思わなかった。今2回目の『五輪』に出られるチャンスがあるので、最大限にこのチャンスを生かしていきたい」

河村勇輝

河村「久しぶりの代表合宿、楽しみにしているし、パリへ向かって一丸となって合宿できるのは個人としても成長できると思うので、ワクワクしている。
(『W杯』で足りない点は) まずはリバウンドをしっかり取り切らないといけない。全員が取り切る意識と、全員が取った後の一歩目の意識を高めれば、自分たちのオフェンスができると思う。(個人としては)ゲームを支配する選手、ゲームをコントロールする選手にならならないといけない。スピーディな展開で3ポイントを多投するスタイルの中、どれだけタフな状況ではなく、オープンな状況で打たせるかが僕の役割。

(国内での強化試合では)競争とチーム力を高める、どちらもある。個人プレーに走るのではなく、大前提はチームの勝利のためにプレーすること。それが個人の評価につながると思う。

(『パリ五輪』に向けて)これまでパリへ出るつもりで、大学中退など色々決断してきた。ありがたいことにトムさんに代表に選んでもらって、パリに出た暁にはベスト8の目標を達成するために自分にできることを100%・120%できればと思っている。自分のキャリアのための『五輪』とは考えていない。まず自分の今の集大成と思っている」

富永「合宿に参加していいメンバーと会えて、すごく楽しくやれている。『五輪』はどのチームもレベルが高いので、どこが相手でも楽しみ。チームとしてどれだけレベルアップできるか楽しみにしている。

(『W杯』の経験を生かして)まだ若い方なので、がむしゃらにやるのは変わらず。『W杯』で得た経験、メタンタリティを出していければと思っている。練習中でも声出しとか積極的にやっていきたい。

(『パリ五輪』に向けて)チームの目標と同じ8強、決勝トーナメントに出ること。ドイツにリベンジしたい。チームの勝利のために3ポイントとか求められることをやりたい。(フランス戦は)アウェイで試合するのは好きな方なので楽しみ。相手の歓声を3ポイントを決めて、静まり返らせたい」

富永啓生

2024年度バスケットボール男子日本代表チーム 第2次強化合宿(北海道大会 国際強化試合直前合宿)参加メンバー

比江島慎(SG/宇都宮ブレックス)
須田侑太郎(SG/名古屋ダイヤモンドドルフィンズ)
張本天傑(PF/名古屋ダイヤモンドドルフィンズ)
富樫勇樹(PG/千葉ジェッツ)
原修太(SG/千葉ジェッツ)
ジョシュ・ホーキンソン(C・PF/サンロッカーズ渋谷)
馬場雄大(SF/長崎ヴェルカ)
今村佳太(SG/琉球ゴールデンキングス)
佐々木隆成(PG/三遠ネオフェニックス)
吉井裕鷹(SF/アルバルク東京)
川真田紘也(C/滋賀レイクス)
テーブス海(PG/アルバルク東京)
渡邉飛勇(C/琉球ゴールデンキングス)
西田優大(SG/シーホース三河)
井上宗一郎(PF/越谷アルファーズ)
富永啓生(SG/ネブラスカ大学)
河村勇輝(PG/横浜ビー・コルセアーズ)
金近廉(SF/千葉ジェッツ)
山ノ内勇登(C/ポートランド大学)
ジェイコブス晶(SF/ハワイ大学)

バスケットボール男子日本代表は6月22日(土)・23日(日)・北海きたえーるにて『日本生命カップ2024(北海道大会)』オーストラリア代表戦、7月5日(金)、7日(日)・有明アリーナにて『SoftBank CUP 2024(東京大会)』韓国代表戦を開催。チケットは予定枚数終了。

取材・文:碧山緒里摩(ぴあ)

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