Nothing’s Carved In Stone ツアー初日をレポート「毎日が、少しだけでも明るくなるように」

Text:吉羽さおり Photo:タマイシンゴ

15周年のアニバーサリーイヤーを経て、5月15日にEP『BRIGHTNESS』をリリースしたNothing’s Carved In Stone。その最新作を冠した全国ワンマンツアー“BRIGHTNESS TOUR”が5月19日Yokohama BayHallでキックオフした。インタビューでは改めて1stアルバムを作った感覚があったと語っていたが、まさにバンド内にいい空気が巡っていることを感じる作品と、そのツアーのはじまりをレポートする。

2023年2月27日の豊洲PITでのSPECIAL ONE-MAN LIVE“BEGINNING 2023”で結成15周年のアニバーサリーイヤーをスタートさせ、秋にはツーマンによる全国ツアーを開催。そして2024年2月24日の日本武道館で“Nothing’s Carved In Stone 15th Anniversary Live at BUDOKAN”で15周年を締めくくった4人。コロナ禍も制限があるもとでのライブやツアーは行なってきていたが、久々のリリースツアーであり、コロナ禍の規制がなくなってからのワンマンでのツアーはこの“BRIGHTNESS TOUR”が初となる。曲間ではフロアから「最高!」という声や、メンバーの名前を呼ぶ声が多数上がっていたこの日だったが、村松拓(Vo/Gt)はMCでフロアをうれしそうにじっくりと眺めながら、「武道館のときも思ったけど、みんなの顔を見ると安心する」と語った。

観客の多くがマスクを外し、シンガロングや歓声を上げる姿は、ライブハウスという距離感だからこそよりその表情や熱量をダイレクトに感じられるのだろう。また観客にとっても、新曲や新しいセットリストにみなぎる気迫に直に触れる感覚がある。ましてやリリースツアーの初日には、ステージ上もフロアも、期待、緊張、興奮などさまざまな思いがないまぜになった特別な何かがある。

日向秀和(b)

まだツアーがはじまったばかりということでセットリスト等の詳細は省くが、『BRIGHTNESS』の曲のライブでの馴染みのよさや、初日にしてすでに7曲それぞれのあり方、輝き方でライブのポイントを作っていたことは伝えたい。EP制作にあたり、これまで以上にメンバー4人で同じ方向を向いて、1曲、1曲、丹念にサウンドやリリックを磨き上げた。

またNothing’s Carved In Stoneとして初めて外部編曲者を呼び、「Will」ではakkinが、「Dear Future」「Freedom」でNaoki Itaiが手がけた。アンセミックな曲と、バンドの武器となるこの4人ならではの緻密にして爆発力のあるアンサンブルを、内からも外からも見つめ直した作品でもある。曲がその威力が増していることを、ライブで直に感じられた。

そうした制作のモードは他の曲にも及んでいて、セットリストに並ぶこれまでの曲やライブのテッパンとなる曲も“BRIGHTNESS TOUR”ならではのものになっているのも新鮮だ。30曲超のバンドのオールタイムベストを披露した武道館公演からまだ3カ月ほどしか経っていないが、この間にもそれぞれの曲がリフレッシュした瑞々しさを感じる。

大喜多崇規(ds)

新たな曲の感触としては、「Blaze of Color」や「Bright Night」はライブの勢いを加速させ、これぞNothing’s Carved In Stoneと言える、ドラム、ベース、ギター、ボーカルのそれぞれの見どころがドラマティックに織り成される「Challengers」では、幻惑的なサウンドにいつの間にか遠くまで連れて行かれている感覚を味わう。

「Will」はミディアムテンポだが、ここからのバンドの新しいアンセムとなっていきそうな高揚感のあるメロディが早くも観客のシンガロングが重なっている。新たな地平を目指すような「SUNRISE」のどっしりとしたビートやノリは、ソウルの香りも漂わせてライブではしなやかさを増して響いた。観客と共にライブを作り上げ、一体感を増していく、そうした熱量が一段と高い空間になっているのが感じられる。

生形真一(g)

村松はMCで「毎日が、少しだけでも明るくなるように」と語ったが、そのためのいいエンジンとなるようなライブとなった。全15公演、7月まで続くこのツアーがたどり着くバンドの境地が楽しみになった。またこの日には、8月31日に約3年ぶりとなる日比谷野外大音楽堂での“Live at 野音2024”開催が発表となった。“BRIGHTNESS TOUR”でのメニューとはちがうスペシャルなセットリストが予定されているという。15年のキャリアを経て、2024年のNothing’s Carved In Stoneはさらにノンストップで進化を遂げていく。

<リリース情報>
新作EP『BRIGHTNESS』

発売中

Nothing’s Carved In Stone『BRIGHTNESS』ジャケット

●初回限定盤【CD+DVD】3,960円(税込)
●通常盤【CD Only】2,200円(税込)

【収録曲】
1. Blaze of Color
2. Bright Night
3. Will
4. Dear Future
5. Freedom
6. Challengers
7. SUNRISE

【DVD収録内容】※初回限定盤のみ
■『Live on November 15th 2022』
01. November 15th
02. Spirit Inspiration
03. 白昼
04. Idols
05. Spiralbreak
06. ツバメクリムゾン
07. 9 Beat
08. Brotherhood
09. Midnight Train
10. Walk
11. Damage
12. Fuel
13. Milestone
14. In Future
15. Like a Shooting Star
16. Beginning
17. Out of Control
18. The Silver Sun Rise Up High

Nothing’s Carved In Stone「Will」MV

購入リンク:
https://ncis.lnk.to/2024EP

<ツアー情報>
Nothing’s Carved In Stone『BRIGHTNESS TOUR』

※終了分は割愛

6月1日(土) 福岡・DRUM LOGOS
6月2日(日) 長崎・DRUM Be-7
6月8日(土) 鳥取・米子laughs
6月9日(日) 岡山・CRAZYMAMA KINGDOM
6月15日(土) 愛知・名古屋DIAMOND HALL
6月16日(日) 山梨・甲府CONVICTION
6月22日(土) 長野・長野CLUB JUNK BOX
6月23日(日) 石川・金沢EIGHT HALL
6月28日(金) 北海道・札幌PENNY LANE24
6月30日(日) 宮城・仙台Rensa
7月13日(土) 大阪・GORILLA HALL OSAKA
7月15日(月・祝) 東京・Zepp DiverCity(TOKYO)

チケット情報:
https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventBundleCd=b2449133

Nothing’s Carved In Stone『Live at 野音 2024』

8月31日(土) 東京・日比谷野外大音楽堂

オフィシャルサイト:
https://www.ncis.jp/

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