坂本龍一が抱いた「戦争と平和」への思いとは? 『TBSドキュメンタリー映画祭2024』ソーシャル・セレクションの予告編公開

『TBSドキュメンタリー映画祭2024』が3月15日(金) より全国6都市で順次開催される。このたび、人種や戦争、社会問題など現代を取り巻く重要なテーマを考える今だから見るべき作品を選んだ「ソーシャル・セレクション」の予告とポスタービジュアルが公開された。

第4回の開催となる今回は、「ソーシャル・セレクション」に加え、家族の形や身体的な障がいなど、多様な生き方や新たな価値観を見出せる作品を選んだ「ライフ・セレクション」、視覚・聴覚・触覚・味覚・嗅覚など、感覚を司る表現者たちやテーマを通して新たな感性に出会える作品を選んだ「カルチャー・セレクション」と、3つのテーマに沿って選出された15作品が上映される。

「ソーシャル・セレクション」の中で注目を集めているのは、2023年3月に逝去した音楽家・坂本龍一の活動に密着した『坂本龍一 WAR AND PEACE 教授が遺した言葉たち』。作曲家、ピアニスト、編曲家、音楽プロデューサー、アーティストなど様々な顔を持ち、“教授”の愛称で親しまれた坂本は、晩年、環境や憲法に関する運動にも積極的に参加していたことでも知られている。

本作は911テロ、イラク戦争、そして東日本大震災と、2000年代に様々な形で坂本の活動に密着してきたTBS報道局の秘蔵映像で構成。坂本が抱いていた「戦争と平和」への思いや、彼が遺したメッセージを読み解いていく意欲作となっている。監督は、TBSの報道番組『筑紫哲也NEWS23』で、ディレクターとして坂本を担当してきた金富隆が務めた。

現在はプロデューサーとして、戦争や社会問題等を扱う番組を多数手がけている金富監督は、「坂本龍一さんは、戦争や災害の現場に足を運び、メッセージを発し続けた人でもありました。911同時多発テロ、アフガン攻撃、イラク戦争、そして東日本大震災……。とりわけ社会的な発信を強めたのが2001年からの20年余りです。激動の時代の中で、坂本さんはなぜ社会発信を強めていったのか」と、坂本の活動を振り返る。

また本作について「『地雷ZERO 21世紀最初の祈り』や『筑紫哲也ニュース23』での様々な番組企画……。私が取材したものはその一部でしかありませんが、今回は自分が撮った番組の未公開映像まで調べ尽くし、坂本さんが遺した言葉にこだわりました。戦争のきな臭い匂いが広がっていった2000年代、坂本さんが抱いていた危機感や憤りはどんなものだったのか。そして発信し続けた平和へのメッセージ。TBSに残る秘蔵映像からは、現場に足を運び、真摯に人と向き合い、発信を続けた音楽家・坂本龍一の姿が浮かび上がります。教授が遺した言葉たちには、“現在”を考えるヒントがあります。是非味わって頂けたらと思います」と語っている。

そのほか「ソーシャル・セレクション」として、TBS『NEWS23』専属ジャーナリスト・須賀川拓監督の最新作『BORDER 戦場記者 × イスラム国』、川上敬二郎監督による『サステナ・フォレスト ~森の国の守り人(もりびと)たち~』、海老桂介監督による『家さえあれば ~貧困と居住支援~』、長沢祐監督による『102歳のことば~生活図画事件 最後の生き証人~』、神戸金史監督による『リリアンの揺りかご』がラインナップされている。

『坂本龍一 WAR AND PEACE 教授が遺した言葉たち』予告編

『サステナ・フォレスト ~森の国の守り人(もりびと)たち~』予告編

『家さえあれば ~貧困と居住支援~』予告編

『102歳のことば~生活図画事件 最後の生き証人~』予告編

『リリアンの揺りかご』予告編

<イベント情報>
『TBSドキュメンタリー映画祭2024』

3月15日(金) より東京、大阪、京都、名古屋、福岡、札幌で順次開催

『TBSドキュメンタリー映画祭2024』キービジュアル

東京:3月15日(金)~28日(木) ヒューマントラストシネマ渋谷
大阪:3月22日(金)~4月4日(木) シネ・リーブル梅田
愛知:3月22日(金)~4月4日(木) センチュリーシネマ
京都:3月22日(金)~4月4日(木) アップリンク京都
福岡:3月29日(金)~4月11日(木) キノシネマ天神
札幌:3月30日(土)~4月11日(木) シアターキノ

公式サイト:
https://www.tbs.co.jp/TBSDOCS_eigasai/

(C)TBS

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