ロッチ・コカド、ミシンのおかげで心が安定「ミシンができれば幸せ」「欲もなくなった」
●「もっと人生を豊かに楽しみたい」 43歳でミシンを始める
「もっと人生を豊かに楽しみたい」と趣味を探し始め、43歳でミシンを始めたお笑いコンビ・ロッチのコカドケンタロウ(46)。ハギレで作ったミニバックから始まり、いまやシャツ、パンツ、帽子までをも手作りするまでに。2022年からはロッチ単独ライブで“グッズを入れて帰る用バック”をエンドトークの抽選会でプレゼントすることが定番となっている。11月27日には初のソーイングBOOK『コカドとミシン』(ワニブックス)を発売。コカドにインタビューし、「ミシンができれば幸せ」という日々について話を聞いた。
――趣味を探していた中でミシンを選んだ理由を教えてください。
今までの人生を振り返って、何をやっている時が楽しいのか考えてみたら、古着屋をやっていた時が楽しかったなとか、洋服を買いに行っている時にワクワクしているなと思い、洋服の近くにあるものがいいんじゃないかと。ゴルフ、料理、ギターなどもやって楽しいけどなんか違うなという感じで、ちゃんと考えた時に、ロケで何か作るのも楽しいし、ミシンやってみようかなと思って始めました。
――実際に始めてみたら、これは楽しいぞと?
やった瞬間から「あ、これかも!」って。糸をかける時もなんかいいなと思いましたし、布を置いてダダダッてミシンが動いた瞬間に、「うわ! 何これ!」と思って鳥肌が立って。ダダダッて動いているのが気持ちよかったんです。そして、2枚でやったら2枚がくっついて「すげー!」と思って、次にハギレで小さいバッグを作って形になった瞬間にめっちゃ楽しいと思って、これはずっとやっていくだろうなと思いました。
――完成した時も楽しいけど、作っている時もずっと楽しいんですね。
そうですね。その次の日にすぐ生地屋さんに行って、生地を選んでいる時も楽しくて。自分の好きな生地があったら、これで何でも作れるというワクワクがあって、そこからもう楽しいばっかりです。生地を買う時も楽しいし、作っている時も楽しいし、出来上がっていく感じも楽しいし、自分で着た時も、ずっと楽しいが続いています。
――今日着ていらっしゃるシャツとパンツも手作りだそうですが、最近は自分で作った服を着る機会が多いですか?
徐々に多くなってきています。
――実際に使えるものを作ることが多いですか?
一番は自分で着たり持ったりしたいものを作りますが、まだ作ったことのないものを作りたいという思いもあって、スカートや犬の服を作ってみたり、そういうこともしています。
――家の中に自分が作ったものが増えていくというのは素敵ですね。
どうですね。椅子の上に置いているクッションも作ったものです。事務所の社長にも定期的に何か渡しているので、社長は「どんどん家の中にコカドが作ったものが増えていくよ」と言っていました(笑)
――大好きなミシンに関する本を発売することが決まった時はどう思いましたか?
本のお話をもらった時はありがたいなと思いました。ただ何か作りたくてやっていて、そこからの広がりは想像もしてなかったので、意外でした。
――この先、趣味のミシンを生かしてこんなことをしたいという願望はありますか?
ただただミシンがやりたいだけなので、どういう風になりたいというのは全くないんです。毎日ミシンしているのがもうゴールだから、それが続いていけばいいんです。
●どんなことがあっても「ミシンあるからいいや」と思えるように
――家でミシンをやる時間が多くなって、生活も変わりましたか?
コロナがあったり、40代になったり、いろいろ重なったというのもありますけど、家にいる時間が多くなり、外で飲み歩いたりとかは一切ないですね。出かけるのも生地屋とかになって、遊び回ることがなくなりました。
――内面的にも何か変化したことがありましたら教えてください。
時間が空いていたらほぼミシンをやるから、余計なことを考えなくなったというか、時間があるとマイナスなことも考えてしまう時があるけど、そういうのがなくなって、何をやっている時でも「ミシンあるからいいや」と思えるようになりました。お笑いでうまくいかないことがあっても、「家帰ってミシンしたらいいし」って(笑)。どんなことがあっても、ミシンをやったら僕は楽しいから、保険というか、安心感があります。
――ミシンが心の支えに。
そうなんです。19歳の時にお笑いを1回辞めて古着屋をやったらめちゃめちゃ楽しくて、古着屋をやったら楽しいと思えたから、またお笑いに戻ってお笑い頑張ろうとやり始めたんですけど、それと似ています。ミシンやったらいつでも幸せになれるから、ほかのこともぶつかっていける。そうなって、前より安定した感じがします。あと、いろんな欲もなくなりました。ミシンをやることで全部叶っているというか。
――以前は、どんな欲があったのでしょうか。
物欲もありましたが、それもほぼなくなりましたし、「もっとこうしたい」というような欲が、すべてにおいてなくなった気がします。それも、ミシンをやっていて無駄なことを考えなくなったからかなと。
――コカドさんの中で、幸せの最高地点にたどり着いた感じですね。
僕の幸せは、不幸なことがないことなんです。何かプラスなことがあるより、マイナスがないことが幸せやと思って生きてきたので、家でミシンをやっていたらマイナスなことなんて起こることもなく、本当に毎日幸せです。
――2024年も終盤になってきていますが、今年はどんな年になっていますか?
2022年にミシンを始めて、ただただ家で1人でやって、SNSで「こんなのできました」と報告していたら興味を持ってもらって、いろんなことに広がっていった年に。イベントにも呼んでもらい、いろんな人から声をかけてもらえた年でした。
――ミシンを始めたことが芸人としてもプラスに。
「ミシンのことをしゃべって」とか「MCの人に何か作ってきて」とか、ミシンが1個のキャラみたいな感じになって助かっています。バラエティ番組でも、ミシンの話はほかの人がしないことなので、MCの方が興味を持って聞いてくれる感じがあります。
――ミシンも芸の一つのような感じですね。
芸人を始めた頃は、コントをやったり、トークとか大喜利とか、そういうのが芸人の芸の部分だと思っていましたが、芸人の芸がすごく広がってきたなと感じます。ヒロシさんのキャンプもそうですし、今の時代はミシンをやっているというのも一個の芸なんだと。芸人という職業の人は、何でもいいから熱中してやっていたらそれが芸なるんだなと思いました。
●相方が今年結婚 自身は「趣味と仕事でお腹いっぱい」
――とても充実した日々を送られていますが、結婚願望についてはいかがでしょうか。相方の中岡(創一)さんが今年結婚され、刺激を受けたりなんてことは……?
今は趣味と仕事でお腹いっぱいなんです。すごくいいお肉のステーキを食べなって言われて、絶対おいしいのはわかっているけど、お腹いっぱいの時は食べたくないですよね。そんな感じなのかなと(笑)。毎日充実していてやることがあって、お腹いっぱいなんです。
――ミシンに出会う前はここまでお腹いっぱいな状態ではなく、結婚を考えたことも?
その時はその時で仕事とかで充実していて、あまりそこは考えてなかったですね。
――この先もお腹いっぱいの日々がずっと続きそうです。
でも、ミシンをやり始めたら、いろんな先輩から「子供いた方がいいよ。子供に服作るなんてすごく幸せなことやから」と言われます。
――その言葉になびきましたか?
今はほかの人の子供のスタイとか作っていて、そこの気持ちよさも味わえているので。自分の子供となると特別な感情になるんだろうなと思いますが、今はやっぱりお腹いっぱいです(笑)
――最後にファンの方にメッセージをお願いします。
この本は、ミシンをやられてきた方にも、全くミシンに興味がなかった方にも楽しんでもらえるんじゃないかなと思っています。これでミシンを始めようと思ってくれたらうれしいですが、ミシンじゃなくても、自分に合うものは何かなと見つけようとしてくれるだけで、この本があってよかったなと思うので、いろんな方に読んでいただきたいです。
■コカドケンタロウ
1978年8月8日生まれ、大阪府出身。2005年に中岡創一とお笑いコンビ・ロッチを結成。ツッコミ担当。2015年、『キングオブコント』で3位に。40歳から熱中できる趣味を探し求め、43歳でミシンに辿り着く。現在、NHK『土スタ』、NHKラジオ『さくらひなたロッチの伸びしろラジオ』でMCを務める。毎週月曜22時よりYouTube「ロッチナイト」を生配信中。
「もっと人生を豊かに楽しみたい」と趣味を探し始め、43歳でミシンを始めたお笑いコンビ・ロッチのコカドケンタロウ(46)。ハギレで作ったミニバックから始まり、いまやシャツ、パンツ、帽子までをも手作りするまでに。2022年からはロッチ単独ライブで“グッズを入れて帰る用バック”をエンドトークの抽選会でプレゼントすることが定番となっている。11月27日には初のソーイングBOOK『コカドとミシン』(ワニブックス)を発売。コカドにインタビューし、「ミシンができれば幸せ」という日々について話を聞いた。
――趣味を探していた中でミシンを選んだ理由を教えてください。
今までの人生を振り返って、何をやっている時が楽しいのか考えてみたら、古着屋をやっていた時が楽しかったなとか、洋服を買いに行っている時にワクワクしているなと思い、洋服の近くにあるものがいいんじゃないかと。ゴルフ、料理、ギターなどもやって楽しいけどなんか違うなという感じで、ちゃんと考えた時に、ロケで何か作るのも楽しいし、ミシンやってみようかなと思って始めました。
――実際に始めてみたら、これは楽しいぞと?
やった瞬間から「あ、これかも!」って。糸をかける時もなんかいいなと思いましたし、布を置いてダダダッてミシンが動いた瞬間に、「うわ! 何これ!」と思って鳥肌が立って。ダダダッて動いているのが気持ちよかったんです。そして、2枚でやったら2枚がくっついて「すげー!」と思って、次にハギレで小さいバッグを作って形になった瞬間にめっちゃ楽しいと思って、これはずっとやっていくだろうなと思いました。
――完成した時も楽しいけど、作っている時もずっと楽しいんですね。
そうですね。その次の日にすぐ生地屋さんに行って、生地を選んでいる時も楽しくて。自分の好きな生地があったら、これで何でも作れるというワクワクがあって、そこからもう楽しいばっかりです。生地を買う時も楽しいし、作っている時も楽しいし、出来上がっていく感じも楽しいし、自分で着た時も、ずっと楽しいが続いています。
――今日着ていらっしゃるシャツとパンツも手作りだそうですが、最近は自分で作った服を着る機会が多いですか?
徐々に多くなってきています。
――実際に使えるものを作ることが多いですか?
一番は自分で着たり持ったりしたいものを作りますが、まだ作ったことのないものを作りたいという思いもあって、スカートや犬の服を作ってみたり、そういうこともしています。
――家の中に自分が作ったものが増えていくというのは素敵ですね。
どうですね。椅子の上に置いているクッションも作ったものです。事務所の社長にも定期的に何か渡しているので、社長は「どんどん家の中にコカドが作ったものが増えていくよ」と言っていました(笑)
――大好きなミシンに関する本を発売することが決まった時はどう思いましたか?
本のお話をもらった時はありがたいなと思いました。ただ何か作りたくてやっていて、そこからの広がりは想像もしてなかったので、意外でした。
――この先、趣味のミシンを生かしてこんなことをしたいという願望はありますか?
ただただミシンがやりたいだけなので、どういう風になりたいというのは全くないんです。毎日ミシンしているのがもうゴールだから、それが続いていけばいいんです。
●どんなことがあっても「ミシンあるからいいや」と思えるように
――家でミシンをやる時間が多くなって、生活も変わりましたか?
コロナがあったり、40代になったり、いろいろ重なったというのもありますけど、家にいる時間が多くなり、外で飲み歩いたりとかは一切ないですね。出かけるのも生地屋とかになって、遊び回ることがなくなりました。
――内面的にも何か変化したことがありましたら教えてください。
時間が空いていたらほぼミシンをやるから、余計なことを考えなくなったというか、時間があるとマイナスなことも考えてしまう時があるけど、そういうのがなくなって、何をやっている時でも「ミシンあるからいいや」と思えるようになりました。お笑いでうまくいかないことがあっても、「家帰ってミシンしたらいいし」って(笑)。どんなことがあっても、ミシンをやったら僕は楽しいから、保険というか、安心感があります。
――ミシンが心の支えに。
そうなんです。19歳の時にお笑いを1回辞めて古着屋をやったらめちゃめちゃ楽しくて、古着屋をやったら楽しいと思えたから、またお笑いに戻ってお笑い頑張ろうとやり始めたんですけど、それと似ています。ミシンやったらいつでも幸せになれるから、ほかのこともぶつかっていける。そうなって、前より安定した感じがします。あと、いろんな欲もなくなりました。ミシンをやることで全部叶っているというか。
――以前は、どんな欲があったのでしょうか。
物欲もありましたが、それもほぼなくなりましたし、「もっとこうしたい」というような欲が、すべてにおいてなくなった気がします。それも、ミシンをやっていて無駄なことを考えなくなったからかなと。
――コカドさんの中で、幸せの最高地点にたどり着いた感じですね。
僕の幸せは、不幸なことがないことなんです。何かプラスなことがあるより、マイナスがないことが幸せやと思って生きてきたので、家でミシンをやっていたらマイナスなことなんて起こることもなく、本当に毎日幸せです。
――2024年も終盤になってきていますが、今年はどんな年になっていますか?
2022年にミシンを始めて、ただただ家で1人でやって、SNSで「こんなのできました」と報告していたら興味を持ってもらって、いろんなことに広がっていった年に。イベントにも呼んでもらい、いろんな人から声をかけてもらえた年でした。
――ミシンを始めたことが芸人としてもプラスに。
「ミシンのことをしゃべって」とか「MCの人に何か作ってきて」とか、ミシンが1個のキャラみたいな感じになって助かっています。バラエティ番組でも、ミシンの話はほかの人がしないことなので、MCの方が興味を持って聞いてくれる感じがあります。
――ミシンも芸の一つのような感じですね。
芸人を始めた頃は、コントをやったり、トークとか大喜利とか、そういうのが芸人の芸の部分だと思っていましたが、芸人の芸がすごく広がってきたなと感じます。ヒロシさんのキャンプもそうですし、今の時代はミシンをやっているというのも一個の芸なんだと。芸人という職業の人は、何でもいいから熱中してやっていたらそれが芸なるんだなと思いました。
●相方が今年結婚 自身は「趣味と仕事でお腹いっぱい」
――とても充実した日々を送られていますが、結婚願望についてはいかがでしょうか。相方の中岡(創一)さんが今年結婚され、刺激を受けたりなんてことは……?
今は趣味と仕事でお腹いっぱいなんです。すごくいいお肉のステーキを食べなって言われて、絶対おいしいのはわかっているけど、お腹いっぱいの時は食べたくないですよね。そんな感じなのかなと(笑)。毎日充実していてやることがあって、お腹いっぱいなんです。
――ミシンに出会う前はここまでお腹いっぱいな状態ではなく、結婚を考えたことも?
その時はその時で仕事とかで充実していて、あまりそこは考えてなかったですね。
――この先もお腹いっぱいの日々がずっと続きそうです。
でも、ミシンをやり始めたら、いろんな先輩から「子供いた方がいいよ。子供に服作るなんてすごく幸せなことやから」と言われます。
――その言葉になびきましたか?
今はほかの人の子供のスタイとか作っていて、そこの気持ちよさも味わえているので。自分の子供となると特別な感情になるんだろうなと思いますが、今はやっぱりお腹いっぱいです(笑)
――最後にファンの方にメッセージをお願いします。
この本は、ミシンをやられてきた方にも、全くミシンに興味がなかった方にも楽しんでもらえるんじゃないかなと思っています。これでミシンを始めようと思ってくれたらうれしいですが、ミシンじゃなくても、自分に合うものは何かなと見つけようとしてくれるだけで、この本があってよかったなと思うので、いろんな方に読んでいただきたいです。
■コカドケンタロウ
1978年8月8日生まれ、大阪府出身。2005年に中岡創一とお笑いコンビ・ロッチを結成。ツッコミ担当。2015年、『キングオブコント』で3位に。40歳から熱中できる趣味を探し求め、43歳でミシンに辿り着く。現在、NHK『土スタ』、NHKラジオ『さくらひなたロッチの伸びしろラジオ』でMCを務める。毎週月曜22時よりYouTube「ロッチナイト」を生配信中。
12/03 16:00
マイナビニュース