中村獅童「とにかくいい役者になりたい」 “伝統と革新”を強く意識し挑戦続ける
●今まで演じたことのない役柄に挑戦
歌舞伎俳優としての活動のみならず、映画やドラマなどでも活躍している中村獅童。11月22日にWEBで公開されたショートドラマシリーズ『シゴトはもっと楽しめる』の第2弾『ワンチーム、ワンホーム』では、建設業界で働くベテランの坂井を演じている。獅童にインタビューし、仕事をテーマにした本作にちなみ、今の仕事に対する思いやこれまでの転機、さらに今後について話を聞いた。
アシックスジャパン制作の『シゴトはもっと楽しめる』は、働くすべての人を応援するショートドラマシリーズ。今回は建設業を舞台に、人と人とのつながりが良い仕事(=家づくり)につながるというメッセージを届ける。中村獅童がベテランの坂井、兒玉遥が新人の内藤、砂川脩弥が新人の陣内を演じた。
――本作の魅力をどのように感じましたか?
いろいろなタイプの人間がいますが、心を1つにして、みんなで力を合わせて1つのものを作り上げていくことが大事なのだと、改めてそう感じる作品になっていると思います。
――ベテランの坂井役をどう捉えて演じられましたか?
こういうタイプの役は初めてで、難しくもあり、やりがいのある役だなと思いました。この人は、ちょっと道を外れそうな人や落ち込んでいる人にアドバイスをして、みんながまたやる気を取り戻していくという、人情味に厚くて、人望も厚くて、みんなから好かれている人。こういう役は今まであまりなかったです。
――強い役や悪役を多く演じられている印象があります。
強い役とか、今回のような作品だと、ふてくされてやる気がなくなるような役が多いかと。リーダー的な役はあまり経験がなかったですが、あまり意識せず、自然体で淡々と臨みました。
――取材させていただく現場では、獅童さんが皆さんをまとめられているイメージがありますが、ご自身は役との共通点をどのように感じていますか?
歌舞伎の現場や自分が主演の時など、リーダーシップを取らないといけない時もあるし、大勢での立ち回りの時もそうですが、芝居の全体像としてどういう風にしたいか皆さんに伝えてまとめていくこともあるので、そこは共通するかもしれません。
――本作に参加して何か新たな気づきや学びなどありましたら教えてください。
縦位置に映る撮影の仕方をしていて、カット割りも細かく、今まで経験したことがない感じだなと思いながらやっていました。
●「伝統を守りつつ、新しいものも作っていきたい」
――お仕事がテーマの作品ですが、ご自身の今のお仕事に対する思いをお聞かせください。
歌舞伎の400年の伝統を守りつつ革新を追求するというのが中村獅童の生き方かなと、特に強くここ数年は感じています。
――そこを強く意識されるようになったのは何かきっかけがあったのでしょうか。
絵本が原作の『あらしのよるに』という、登場人物がすべて動物で、お子様から大人の方まで楽しんでいただける歌舞伎を作らせていただいたり、初音ミクさんとの「超歌舞伎」でバーチャルとの融合をやらせていただいたりする中で、伝統と革新をものすごく強く意識するようになりました。伝統を守りつつ、新しいものも作っていきたいなと。
――新しいことにも挑戦され、活躍の幅がどんどん広がっていますね。
歌舞伎に関しては、若い世代の方たちにも見ていただきたいという思いが強いので。歌舞伎は見続けることができる演劇でもあるので、お子様は大人になってからまた見に来てくれたらうれしいし、長いスパンで見ていただけたらうれしいなという思いです。
――ほかにもこれまでの活動の中で大きな経験になったと感じている転機がありましたら教えてください。
立て続けに北野武監督、是枝裕和監督、三池崇史監督の作品に出演させていただき、ご一緒してみたいと思っていた素敵な監督さんたちだったので、こんなことってあるんだなと。コロナ禍に、武さんの映画に死ぬまでに1回は出たいという話をしていて、是枝監督もそうで、そうしたら次の日に映画会社の方から「北野武監督の作品に参加してもらえませんか?」という連絡が来て、びっくりですよね。さらにその数週間後に、是枝監督の作品の連絡もあり、妻とも「こんなことってあるんだね」と話しました。三池監督は仕事をしたことがありましたが、またご一緒したいと思っていたら、『怪物の木こり』という映画でオファーをいただけてうれしかったです。
――実際に北野武監督たちとご一緒していかがでしたか?
刺激がたくさんありました。北野組は、大まかな指示はありますが、細かい演出は特にはなく、その中で自分で考えて役を構築していくということを学ばせてもらいましたし、是枝監督の作品では、あまり役を作ることなく、淡々とした感じを求められているなと思い、いろいろな学びがありました。
――現在52歳。今後の人生をどう思い描いていますか?
月並みですけど、子供も家族も笑顔を絶やさず明るい家庭でいられたらと思いますし、自分自身は与えられたことを一生懸命やっていけたら。一つ一つが自分にとっては挑戦でもあるので。今年は12月に『あらしのよるに』の5回目の再演が東京の歌舞伎座であるので、そういったものを1人でも多くのお客様に喜んでいただくという、一つ一つのことをきっちりやっていき、とにかくいい役者になりたいという、それだけです。
■中村獅童
1972年9月14日生まれ、東京都出身。1981年に歌舞伎座「妹背山婦女庭訓」で二代目中村獅童を名乗り初舞台。また、2002年に公開された映画『ピンポン』で注目を集め、2022年放送のNHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』に出演するなど、俳優としても活躍している。
歌舞伎俳優としての活動のみならず、映画やドラマなどでも活躍している中村獅童。11月22日にWEBで公開されたショートドラマシリーズ『シゴトはもっと楽しめる』の第2弾『ワンチーム、ワンホーム』では、建設業界で働くベテランの坂井を演じている。獅童にインタビューし、仕事をテーマにした本作にちなみ、今の仕事に対する思いやこれまでの転機、さらに今後について話を聞いた。
アシックスジャパン制作の『シゴトはもっと楽しめる』は、働くすべての人を応援するショートドラマシリーズ。今回は建設業を舞台に、人と人とのつながりが良い仕事(=家づくり)につながるというメッセージを届ける。中村獅童がベテランの坂井、兒玉遥が新人の内藤、砂川脩弥が新人の陣内を演じた。
――本作の魅力をどのように感じましたか?
いろいろなタイプの人間がいますが、心を1つにして、みんなで力を合わせて1つのものを作り上げていくことが大事なのだと、改めてそう感じる作品になっていると思います。
――ベテランの坂井役をどう捉えて演じられましたか?
こういうタイプの役は初めてで、難しくもあり、やりがいのある役だなと思いました。この人は、ちょっと道を外れそうな人や落ち込んでいる人にアドバイスをして、みんながまたやる気を取り戻していくという、人情味に厚くて、人望も厚くて、みんなから好かれている人。こういう役は今まであまりなかったです。
――強い役や悪役を多く演じられている印象があります。
強い役とか、今回のような作品だと、ふてくされてやる気がなくなるような役が多いかと。リーダー的な役はあまり経験がなかったですが、あまり意識せず、自然体で淡々と臨みました。
――取材させていただく現場では、獅童さんが皆さんをまとめられているイメージがありますが、ご自身は役との共通点をどのように感じていますか?
歌舞伎の現場や自分が主演の時など、リーダーシップを取らないといけない時もあるし、大勢での立ち回りの時もそうですが、芝居の全体像としてどういう風にしたいか皆さんに伝えてまとめていくこともあるので、そこは共通するかもしれません。
――本作に参加して何か新たな気づきや学びなどありましたら教えてください。
縦位置に映る撮影の仕方をしていて、カット割りも細かく、今まで経験したことがない感じだなと思いながらやっていました。
●「伝統を守りつつ、新しいものも作っていきたい」
――お仕事がテーマの作品ですが、ご自身の今のお仕事に対する思いをお聞かせください。
歌舞伎の400年の伝統を守りつつ革新を追求するというのが中村獅童の生き方かなと、特に強くここ数年は感じています。
――そこを強く意識されるようになったのは何かきっかけがあったのでしょうか。
絵本が原作の『あらしのよるに』という、登場人物がすべて動物で、お子様から大人の方まで楽しんでいただける歌舞伎を作らせていただいたり、初音ミクさんとの「超歌舞伎」でバーチャルとの融合をやらせていただいたりする中で、伝統と革新をものすごく強く意識するようになりました。伝統を守りつつ、新しいものも作っていきたいなと。
――新しいことにも挑戦され、活躍の幅がどんどん広がっていますね。
歌舞伎に関しては、若い世代の方たちにも見ていただきたいという思いが強いので。歌舞伎は見続けることができる演劇でもあるので、お子様は大人になってからまた見に来てくれたらうれしいし、長いスパンで見ていただけたらうれしいなという思いです。
――ほかにもこれまでの活動の中で大きな経験になったと感じている転機がありましたら教えてください。
立て続けに北野武監督、是枝裕和監督、三池崇史監督の作品に出演させていただき、ご一緒してみたいと思っていた素敵な監督さんたちだったので、こんなことってあるんだなと。コロナ禍に、武さんの映画に死ぬまでに1回は出たいという話をしていて、是枝監督もそうで、そうしたら次の日に映画会社の方から「北野武監督の作品に参加してもらえませんか?」という連絡が来て、びっくりですよね。さらにその数週間後に、是枝監督の作品の連絡もあり、妻とも「こんなことってあるんだね」と話しました。三池監督は仕事をしたことがありましたが、またご一緒したいと思っていたら、『怪物の木こり』という映画でオファーをいただけてうれしかったです。
――実際に北野武監督たちとご一緒していかがでしたか?
刺激がたくさんありました。北野組は、大まかな指示はありますが、細かい演出は特にはなく、その中で自分で考えて役を構築していくということを学ばせてもらいましたし、是枝監督の作品では、あまり役を作ることなく、淡々とした感じを求められているなと思い、いろいろな学びがありました。
――現在52歳。今後の人生をどう思い描いていますか?
月並みですけど、子供も家族も笑顔を絶やさず明るい家庭でいられたらと思いますし、自分自身は与えられたことを一生懸命やっていけたら。一つ一つが自分にとっては挑戦でもあるので。今年は12月に『あらしのよるに』の5回目の再演が東京の歌舞伎座であるので、そういったものを1人でも多くのお客様に喜んでいただくという、一つ一つのことをきっちりやっていき、とにかくいい役者になりたいという、それだけです。
■中村獅童
1972年9月14日生まれ、東京都出身。1981年に歌舞伎座「妹背山婦女庭訓」で二代目中村獅童を名乗り初舞台。また、2002年に公開された映画『ピンポン』で注目を集め、2022年放送のNHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』に出演するなど、俳優としても活躍している。
11/22 16:00
マイナビニュース