板野友美、子育てと仕事の両立に奮闘「自分と毎日勝負している感じ」 どんなに忙しくても「夜ご飯は手料理」

●結婚・出産後の変化語る「家族があり、娘がいるからこそ…」
AKB48のトップアイドルとして活躍後、結婚や出産を経て、現在はライフスタイルブランド「Rosy luce」やスキンケアブランド「peau de bebe」の会社を経営する起業家としても注目を浴びている板野友美。「私の根底にあるものは、すべてアイドル時代に培われた」と語る板野が、経営者、プロデューサー業、主婦業、子育てなどで、目まぐるしくも充実しているという今の心境を語ってくれた。

AKB48の“神セブン”の1人としてアイドル街道のド真ん中をひた走ってきた板野だが、現在はその経験を活かして、様々な新しいチャレンジをし続ける“攻め”の姿勢を続けている。9月7日に開催された「第39回 マイナビ 東京ガールズコレクション 2024 AUTUMN/WINTER」(TGC)では、自身がプロデュースしたブランドのアイテムをまとってランウェイを歩き、黄色い歓声を浴びた。

「東京のTGCは本当に久しぶりでしたが、今回は自分が経営しているブランドの服を着用してのランウェイだったので、すごく感慨深かったです。ブランドを立ち上げた時、TGCに出たいなと思っていて、それは1つの夢でもありました。また、自分自身だけではなく、モデルさんに着てもらえたこともすごくうれしかったです」

2021年にプロ野球・東京ヤクルトスワローズの高橋奎二投手と結婚し、同年第1子となる女児を出産して母になった板野。家庭と仕事との両立においては、アイドル時代の経験がかなり活かされていると言う。

「アイドル時代には本当にいろんなことを学びましたが、そこがあっての今だと思っています。毎日が忙しくて、楽しいことだけではなく、つらいこともたくさんありますが、それでもマインドがブレることなく、モチベーションを高く維持するということは、アイドル時代に鍛えられた気がします。今は会社も経営もしていて、いろんなハプニングが起こる中、子育てもしているから、そこで情緒が乱れてしまうのが一番良くないなと思っているので」

結婚、出産を経た今、「気持ち的には、自分だけのために仕事をするというより、誰かのために仕事をする方が自分も強くなれるなと感じています。家族があり、娘がいるからこそ、もっともっと頑張ろうというエネルギーにつながるので、そこは自分にとってもうれしい変化だなと。もちろん時間が限られている分、仕事をする時間と、子供に向き合う時間と、バランスを取るのはけっこう大変ですが、そこはもうやるしかない! と、常に前向きな気持ちで頑張っています」とにっこり。

そして、「人生において立ち止まったり振り返ったりすることも大切だけど、今はそれをやっていると、追いついていけないので、とにかく泳ぎ続ける! 止まらない! みたいな感じです。だから、ちょっとした失敗にも執着しないし、すぐに切り替えることが大事だなと思っています」と語った。

○娘に「大好きだよ。ママの宝物だよ」と言葉で伝えるように

子育てについて大切にしていることは「ちゃんと愛情を伝えること」だと言う。

「娘についてはスキンシップもそうですが、ちゃんと寝る前に『大好きだよ。ママの宝物だよ』と言葉で伝えることを心がけています。仕事をしているからこそ、娘に寂しいと思ってほしくないというところが大きいので。あとは毎日、夜ご飯は手料理にすると決めていて、どんなに忙しくても、毎日ご飯を作ることは今後も継続していきたいです」

仕事と家庭のバランスを取ることについては「大変です」と吐露しつつ、「でも、それができた時に達成感があるので、頑張って続けられているのかもしれないです。常に自分と毎日勝負している感じです」と実にパワフルだ。

その“勝負”についても「楽しんでやっています。もちろん、大変だなと思う時もありますが」とした上で「例えば夜に落ち込んだとしても、朝になったらまたやらなきゃいけないことが溢れているから、落ち込んでなんていられないです。だから、変な話、まあいいか、そういうこともあるよねと切り替えます。ダメだなと考えちゃうと全部がダメになっていく気がするので。今は社員も抱えているし、自分だけの責任で済む話ではなく、みんなの生活もかかっているから、自分のちょっとしたことでくよくよなんてしていられないです」と語る。

●ブランドにアイドルグループ…プロデューサー業にやりがい
親となり、今や会社の経営者になったことが、自分自身を成長させてくれたとも実感していると言う板野。その心境の変化については「社員が増えると、やっぱりいろんなタイプの子がいるから、常にコミュニケーションを取ることがすごく大事だなと思います」と述懐する。

いろいろな居場所があることでのメリットも感じているそうで、「1つのところで嫌なことがあっても、場所を変えれば切り替えられて、こっちで頑張ろうと思えたりするんです。ただ、そういうことが同時に起こったりもするとけっこうパニックにもなりますが、最近はそこもなんとかなるようになってきました(笑)。ただ、それは本当に周りの方のサポートや助けのおかげでもあると思います」と、自身をサポートしてくれる人々にも心から感謝する。

今回は初めてモデルとしてだけではなく、出展ブランドのプロデューサーとしてもTGCに参加したが、そこでのやりがいや現場で得るものにも変化があったそうだ。

「若い頃は自分がいろんなお洋服を着られるだけで楽しかったのですが、最近は自分が経営しているブランドをモデルさんが着用してくださることで、また違う視点を持ち合わせることができます。このお洋服はこういう風に見せたいなとか、きっとクライアントさんはこうやって見せてほしいんだろうなとか、いろんな角度から考えられるようになり、視野が広がった気がします」

ブランドをプロデュースする面白さについては「自分が本当に着たいなと思える、お洋服を着るだけで自信がつくようなものづくりをしています。それが受け手の方にヒットしたり、喜んでいただけたりする声が聞けると、さらにうれしくなり、それがやりがいにつながります。また、以前よりも、ファッションの流行りはもちろんですが、素材やアートについてもたくさん勉強するようになりました」と目を輝かせる。

最後に、今後のプロデューサーとしての展望を尋ねると、「もっといろんな方に知ってもらいたいです。そして、私のプロダクトを通して自分に自信が持てたり、原動力になれたらうれしいです。また、今回のTGCはコラボステージでしたが、今度は『Rosy luce』単独のステージを目指したい。さらに、私がプロデュースしているアイドルグループ・RoLuANGELの子たちもステージに出てほしいというのが私の目標です。自分がアイドルとして、いろんなステージに立っていたので、RoLuANGELのみんなにも今後、いろんな景色を見てほしいなと思います」と力強く語ってくれた。

■板野友美
1991年7月3日生まれ、神奈川県出身。2005年にアイドルグループ・AKB48の1期生として活動を開始し、グループの中心メンバーとして活動。2011年にソロデビュー。2013年8月にAKB48を卒業し、卒業後は女優やアーティストとして活動。また、ライフスタイルブランド「Rosy luce(ロージールーチェ)」とスキンケアブランド「peau de bebe (ポーデベベ)」を起業し、代表取締役を務める。自身の妹分となるアイドルグループ・RoLuANGELのプロデュースも行っている。

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