“大規模地震の備え”できていますか? 日頃から意識すべき“防災対策”を内閣府 防災担当が指南「家族との連絡手段や非常持出品の中身もチェックしてください」
杉浦太陽と村上佳菜子がパーソナリティをつとめるTOKYO FMのラジオ番組「杉浦太陽・村上佳菜子 日曜まなびより」(毎週日曜 7:30~7:55)。「学びと成長」をコンセプトに、毎回さまざまなゲスト講師をお招きして、明日の暮らしがもっと豊かになる情報や気になるトピックをひも解いて、今よりもちょっと成長することを目指す番組です。
11月10日(日)の放送テーマは、「備えていますか? 大規模地震対策」。内閣府 防災担当 参事官補佐の福山由朗(ふくやま・よしあき)さんから、日本で起こり得る大規模な地震と、その対策について伺いました。
◆今後30年以内に起こる確率が高い“大規模地震”
日本は世界的にみても地震が多い国で、今後も大規模な地震が起こる可能性が高いと言われています。内閣の重要政策に関する会議の1つである「中央防災会議」では、防災基本計画の作成や、防災に関する重要事項の審議などをおこなっており、この会議で「発生確率・切迫性が高い」「経済・社会への影響が大きい」などの観点から、対象とする大規模地震を4つ選定しています。
・南海トラフ地震
・日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震
・首都直下地震
・中部圏・近畿圏直下地震
特に今後30年以内に大規模地震の発生確率が高いのが、静岡県沖から宮崎県沖にかけてのプレート境界を震源域とする南海トラフ地震と首都直下地震です。南海トラフ地震では、マグニチュード8~9クラスの地震が発生する確率が70~80%。首都直下地震では、マグニチュード7クラスの発生確率が70%程度と推測されており、どちらもいつ起こってもおかしくない状況です。
中央防災会議では、実際に大規模地震が発生した際の被害も想定しています。南海トラフ地震の被害想定について、福山さんは「静岡県から宮崎県にかけて、東日本大震災と同じ程度の規模の地震が発生した場合は、非常に広い範囲で震度7の激しい揺れが想定されています。また、関東地方から九州地方の太平洋沿岸の広い地域には、10メートルを超える大きな津波が襲来することが想定されています」と話します。
◆「南海トラフ地震」最大の被害予想
大規模な地震が起こると、死者数や建物への被害も甚大なものになると予想されます。地震が冬の深夜に発生すると死者が最大になると予想され、その数は約32万3,000人。地震が冬の夕方に発生すると全壊・焼失する建物が最大になると予想され、その数は、約238万6,000棟となります。また、南海トラフ地震は揺れや津波が想定される地域が広く、資産や経済活動への影響などで、200兆円を超える被害額が想定されています。
地震による被害を少しでも抑えるべく始まったのが「南海トラフ地震臨時情報」です。こちらは、想定震源域内やその周辺でマグニチュード7クラス以上の地震が発生するなど異常な現象があった場合、南海トラフ地震が発生する可能性が通常と比べて相対的に高まったとして気象庁から発表される情報です。
現在の科学技術では、地震が「いつ」「どこで」「どのくらいの規模で発生するのか」といったたしかな予想は困難です。しかしながら、南海トラフ地震については“おおむね100年~150年の周期で大地震が南海トラフ沿いで発生している”という特徴があり、前回の地震発生が80年前でいつ起きてもおかしくない状況といわれているため、気象庁が常に観測データを監視しています。
なお、南海トラフ沿いの地震では、複数の領域で同時に発生するパターンと領域ごとに時間差で発生するパターンがあります。「南海トラフ地震沿い以外の事例ですが、2011年の東日本大震災では、2日前にその付近でマグニチュード7クラスの地震が発生していました。世界的にも、マグニチュード7以上の地震発生後7日間は、大規模地震が連続して発生する確率が数倍高くなることが分かっています」と説明します。
◆日頃から防災対策を意識しよう
大規模地震への注意情報が政府から発表されたとき、私たちが取るべき行動は政府や地方公共団体などからの呼びかけに応じた防災対策です。地域によっては津波のリスクも想定されるため、それによって取るべき行動も変わります。地域ごとの呼びかけに応じて、冷静に行動しましょう。
地震は突発的に発生します。慌てずに防災行動を実施するには、日頃からの地震への備えが大切です。臨時情報が発表されてから水や食料を備えるのではなく、常日頃から防災対策を意識しておきましょう。
<防災対策の一例>
・室内の対策
・出火や延焼防止への対策
・迅速に避難できる態勢の準備
・地震発生後の避難生活への備え
地震の場合、倒れてきた家具や火災でケガをしたり、亡くなる方も多いです。家具は固定できているか、窓ガラスの飛散防止対策はできているか、ベッドの頭上に物がないか、火災警報器の電池切れがないかなどを確認して、命を守るための対策をおこないましょう。
また福山さんは「対策したうえで迅速な避難ができるように、地域のハザードマップで危険な場所や安全な避難場所、避難経路をしっかり確認しましょう。そして、家族との連絡手段や非常持出品の中身も常にチェックしてください」と注意喚起します。
水や食料の備蓄は最低3日程度と言われていますが、1週間分を備えるのが望ましいです。また、簡易トイレや携帯ラジオ、携帯電話の予備バッテリーの用意があるかなど再確認しましょう。なお、通常の火災保険では地震による火災や損害は補償されないため、地震保険への加入も一歩進んだ備えといえます。そして、地震に関する情報が発表されたら、日頃からの地震への備えを再確認したうえで、続けて発生する可能性のある1週間は大規模地震に注意しながら、通常の生活を送ってください。
最後に福山さんは「何事もなく1週間が過ぎたとしても、大規模地震が起きる可能性がなくなったわけではありません。日本では、いつ大規模地震が起こってもおかしくありません。それを常に意識して、日頃から防災対策を徹底してください」と呼びかけました。
番組のエンディングでは、杉浦と村上が今回学んだ「大規模地震対策」について復習。2人が特に注目したポイントをピックアップして発表します。まず村上は“大規模地震対策 備蓄の再確認を必ずしてください”とポイントを挙げ、「再確認は大事です!」と念押しします。杉浦も“大規模地震対策 命を守るための対策の再確認を!”と書き、「地震や津波に関する防災情報は、内閣府の防災情報のページをご覧ください」とコメントしました。
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11月10日放送分より(radiko.jpのタイムフリー)
聴取期限 2024年11月18日(月)AM 4:59 まで
※放送エリア外の方は、プレミアム会員の登録でご利用いただけます。
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<番組概要>
番組名:杉浦太陽・村上佳菜子 日曜まなびより
放送日時:毎週日曜 7:30~7:55
パーソナリティ:杉浦太陽、村上佳菜子
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/manabiyori/
11月10日(日)の放送テーマは、「備えていますか? 大規模地震対策」。内閣府 防災担当 参事官補佐の福山由朗(ふくやま・よしあき)さんから、日本で起こり得る大規模な地震と、その対策について伺いました。
◆今後30年以内に起こる確率が高い“大規模地震”
日本は世界的にみても地震が多い国で、今後も大規模な地震が起こる可能性が高いと言われています。内閣の重要政策に関する会議の1つである「中央防災会議」では、防災基本計画の作成や、防災に関する重要事項の審議などをおこなっており、この会議で「発生確率・切迫性が高い」「経済・社会への影響が大きい」などの観点から、対象とする大規模地震を4つ選定しています。
・南海トラフ地震
・日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震
・首都直下地震
・中部圏・近畿圏直下地震
特に今後30年以内に大規模地震の発生確率が高いのが、静岡県沖から宮崎県沖にかけてのプレート境界を震源域とする南海トラフ地震と首都直下地震です。南海トラフ地震では、マグニチュード8~9クラスの地震が発生する確率が70~80%。首都直下地震では、マグニチュード7クラスの発生確率が70%程度と推測されており、どちらもいつ起こってもおかしくない状況です。
中央防災会議では、実際に大規模地震が発生した際の被害も想定しています。南海トラフ地震の被害想定について、福山さんは「静岡県から宮崎県にかけて、東日本大震災と同じ程度の規模の地震が発生した場合は、非常に広い範囲で震度7の激しい揺れが想定されています。また、関東地方から九州地方の太平洋沿岸の広い地域には、10メートルを超える大きな津波が襲来することが想定されています」と話します。
◆「南海トラフ地震」最大の被害予想
大規模な地震が起こると、死者数や建物への被害も甚大なものになると予想されます。地震が冬の深夜に発生すると死者が最大になると予想され、その数は約32万3,000人。地震が冬の夕方に発生すると全壊・焼失する建物が最大になると予想され、その数は、約238万6,000棟となります。また、南海トラフ地震は揺れや津波が想定される地域が広く、資産や経済活動への影響などで、200兆円を超える被害額が想定されています。
地震による被害を少しでも抑えるべく始まったのが「南海トラフ地震臨時情報」です。こちらは、想定震源域内やその周辺でマグニチュード7クラス以上の地震が発生するなど異常な現象があった場合、南海トラフ地震が発生する可能性が通常と比べて相対的に高まったとして気象庁から発表される情報です。
現在の科学技術では、地震が「いつ」「どこで」「どのくらいの規模で発生するのか」といったたしかな予想は困難です。しかしながら、南海トラフ地震については“おおむね100年~150年の周期で大地震が南海トラフ沿いで発生している”という特徴があり、前回の地震発生が80年前でいつ起きてもおかしくない状況といわれているため、気象庁が常に観測データを監視しています。
なお、南海トラフ沿いの地震では、複数の領域で同時に発生するパターンと領域ごとに時間差で発生するパターンがあります。「南海トラフ地震沿い以外の事例ですが、2011年の東日本大震災では、2日前にその付近でマグニチュード7クラスの地震が発生していました。世界的にも、マグニチュード7以上の地震発生後7日間は、大規模地震が連続して発生する確率が数倍高くなることが分かっています」と説明します。
◆日頃から防災対策を意識しよう
大規模地震への注意情報が政府から発表されたとき、私たちが取るべき行動は政府や地方公共団体などからの呼びかけに応じた防災対策です。地域によっては津波のリスクも想定されるため、それによって取るべき行動も変わります。地域ごとの呼びかけに応じて、冷静に行動しましょう。
地震は突発的に発生します。慌てずに防災行動を実施するには、日頃からの地震への備えが大切です。臨時情報が発表されてから水や食料を備えるのではなく、常日頃から防災対策を意識しておきましょう。
<防災対策の一例>
・室内の対策
・出火や延焼防止への対策
・迅速に避難できる態勢の準備
・地震発生後の避難生活への備え
地震の場合、倒れてきた家具や火災でケガをしたり、亡くなる方も多いです。家具は固定できているか、窓ガラスの飛散防止対策はできているか、ベッドの頭上に物がないか、火災警報器の電池切れがないかなどを確認して、命を守るための対策をおこないましょう。
また福山さんは「対策したうえで迅速な避難ができるように、地域のハザードマップで危険な場所や安全な避難場所、避難経路をしっかり確認しましょう。そして、家族との連絡手段や非常持出品の中身も常にチェックしてください」と注意喚起します。
水や食料の備蓄は最低3日程度と言われていますが、1週間分を備えるのが望ましいです。また、簡易トイレや携帯ラジオ、携帯電話の予備バッテリーの用意があるかなど再確認しましょう。なお、通常の火災保険では地震による火災や損害は補償されないため、地震保険への加入も一歩進んだ備えといえます。そして、地震に関する情報が発表されたら、日頃からの地震への備えを再確認したうえで、続けて発生する可能性のある1週間は大規模地震に注意しながら、通常の生活を送ってください。
最後に福山さんは「何事もなく1週間が過ぎたとしても、大規模地震が起きる可能性がなくなったわけではありません。日本では、いつ大規模地震が起こってもおかしくありません。それを常に意識して、日頃から防災対策を徹底してください」と呼びかけました。
番組のエンディングでは、杉浦と村上が今回学んだ「大規模地震対策」について復習。2人が特に注目したポイントをピックアップして発表します。まず村上は“大規模地震対策 備蓄の再確認を必ずしてください”とポイントを挙げ、「再確認は大事です!」と念押しします。杉浦も“大規模地震対策 命を守るための対策の再確認を!”と書き、「地震や津波に関する防災情報は、内閣府の防災情報のページをご覧ください」とコメントしました。
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11月10日放送分より(radiko.jpのタイムフリー)
聴取期限 2024年11月18日(月)AM 4:59 まで
※放送エリア外の方は、プレミアム会員の登録でご利用いただけます。
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<番組概要>
番組名:杉浦太陽・村上佳菜子 日曜まなびより
放送日時:毎週日曜 7:30~7:55
パーソナリティ:杉浦太陽、村上佳菜子
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/manabiyori/
11/11 06:00
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