茂木健一郎「心のバランスを崩しているときは…」仕事が合わず体調を崩して休職、だけど“やりたいこと”が見つからない…悩む相談者に贈った言葉とは

脳科学者の茂木健一郎がパーソナリティをつとめ、日本や世界を舞台に活躍しているゲストの“挑戦”に迫るTOKYO FMのラジオ番組「Dream HEART」(毎週土曜 22:00~22:30)。
TOKYO FMとJFN系列38局の音声配信プラットフォーム「AuDee(オーディー)」では、当番組のスピンオフ番組「茂木健一郎のポジティブ脳教室」を配信中です。この番組では、リスナーの皆様から寄せられたお悩みに茂木が脳科学的視点から回答して「ポジティブな考え方」を伝授していきます。
10月26日(土)の配信では「やりたいことの見つけ方」に関する質問に答えました。


パーソナリティの茂木健一郎



<リスナーからの相談>
私は現在社会人1年目なのですが、仕事が合わず体調を崩してしまい、休職をして実家に帰ってきています。やりたいことが見つかりませんが、お金を稼がないと生活できないという、大きな壁にぶつかっています。茂木さんのご経験上、このようなときにはどうすればよいでしょうか。

<茂木の回答>
茂木:まずは休んでください。心のバランスを崩しているときに無理はいけません。仕事をしたい気持ちはわかりますが、焦らないことが一番大事だと思います。自分が元気になれること、夢中になれること、興味を持てることを見つけてください。

実は、調子が悪いときや合わないと感じているとき、脳は理由がわかっています。しかしながら、それを整理するのは少し時間がかかります。ただ、人生というのは面白いもので、いろいろ迷っているときにふと「これをやってみよう」とわかるのですね。人生で次に何をやるかが決まると、やっぱりいいものです。

人工知能では「ネクストトークンプレディクション」と言って、次のトークン、言葉を予測します。人工知能のチャットボット「ChatGPT(チャットGPT)」などは、次に言葉として何が来ればいいかを予測していて、あれだけすごい能力を持っています。人間も、次に何やるかさえ決められたら、それで僕はいいと思います。

自分は何に向いているか、何の仕事をやるかといった、そういった人生の大きな命題も大事ですけども、まずは次に何をやるかを考えてみてください。海に行くのもいいし、本を読む、誰かに会ってみるのもいいかもしれません。

次に何をやるかが決まり、それを楽しくできたら、何かが始まるのですよね。気付いたら歩き出していて、さらには走り出すかもしれません。あまり焦らず、次に何をやるかを思いつくまでは、体が元気になることが大事です。まずはゆっくりなさってください。

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音声版「茂木健一郎のポジティブ脳教室」
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<番組情報>
番組名:茂木健一郎のポジティブ脳教室
配信日時:毎週土曜 22:30配信(予定)
パーソナリティ:茂木健一郎

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