昨年“交通事故による死者数”が8年ぶりに増加…ドライバーの安全運転をサポートする技術を搭載した「自動車」とは?
杉浦太陽と村上佳菜子がパーソナリティをつとめるTOKYO FMのラジオ番組「杉浦太陽・村上佳菜子 日曜まなびより」(毎週日曜 7:30~7:55)。「学びと成長」をコンセプトに、毎回さまざまなゲスト講師をお招きして、明日の暮らしがもっと豊かになる情報や気になるトピックをひも解いて、今よりもちょっと成長することを目指す番組です。
9月22日(日・祝)の放送テーマは「今こそ選ぼう! ASV・先進安全自動車」。国土交通省 物流・自動車局 技術・環境政策課 技術企画室長の塚田淳一さんをゲストにお迎えして、先進安全自動車の特徴や搭載されている技術について伺いました。
◆ドライバーの運転をサポートする「ASV」とは?
近年、自動車などによる人身事故は減少傾向にありましたが、昨年の交通事故による“交通事故死者数”は約2,700人となり、8年ぶりに増加してしまいました。そこで、交通事故を防ぐべく注目されているのが「先進安全自動車(以下:ASV)」です。ASVとは「Advanced Safety Vehicle」の頭文字で、先進技術によってドライバーの安全運転を支援してくれる技術や装置を搭載した自動車を指します。
また、ドライバーの運転をサポートする先進安全技術は複数あり、その搭載内容は自動車メーカーや車種によって異なります。例えば“衝突被害軽減ブレーキ”もその1つです。こちらは前方の障害物との衝突を予測して警報し、衝突被害を軽減するためにブレーキを作動させる装置で、「10年ほど前は、新車のわずか2割程度しか搭載されていませんでしたが、直近の新車には、ほぼ100%搭載されています」と塚田さん。
とはいえ、メーカーが設定する速度を超えて運転したり、太陽が逆光になる早朝や夕方など、周囲や天候の状況によっては障害物を検知できない場合があるため、衝突被害軽減ブレーキによって運転時の安全性は大きく向上するものの“衝突事故は起こらない”という認識を持つのは危険です。
さらには、下り坂や路面凍結など、道路の状態によって衝突被害軽減ブレーキが作動しても衝突を回避できない場合もあります。塚田さんは「“ASVだから”といって技術を過信せず、ドライバーは十分に注意しながら運転する必要があります」と注意を促します。
先進安全技術は、あくまでもドライバーの疲労を軽減したり、注意が欠けたときなどにサポートしてくれる“補助的な機能”ととらえて運転することが重要です。
◆車の安全性を高める先進安全技術を紹介
なお現在、乗用車、トラック、バスにおいて、実用化されている先進安全技術は合計で51あります。そのなかから杉浦が気になった3つを紹介します。
1:ペダル踏み間違い時加速抑制装置
駐車場などで発進するときや低速走行時、前方や後方に障害物があるにもかかわらず、アクセルペダルを強く踏み込んでしまった際、急発進や急加速を抑制してくれる機能で、新車の乗用車の場合、搭載率は9割です。
搭載されていない車には後付けの“ペダル踏み間違い急発進抑制装置”を取り付けることで同様の機能を利用できます。国土交通省では、一定の性能を有する後付け装置の認定をおこなっています。
2:レーンキープアシスト
走行する車線の中央付近を維持するようにアシストしてくれる機能で、車線から外れそうになったときにはドライバーに対して警報を鳴らして知らせたり、車線中央付近に戻るようにハンドル操作をアシストします。
また「レーンキープアシスト」+「前方車両の速度に合わせて一定の車間距離を確保しながら走行してくれる機能」を組み合わせることで、高速道路でハンドルから手を放すことを許容している車種も一部出てきています。しかしながら、この“ハンズオフ”と呼ばれる機能は自動運転ではなく、あくまでも運転支援であり、機能の限界はあります。ですので、即座にハンドルを握れる状態を保ち、従来の運転と同じように、よそ見をしないように注意しましょう。
3:EDSS(Emergency Driving Stop System)
“ドライバー異常時対応システム”を意味する言葉です。ドライバーが体調変化などによって運転の継続が困難になったとき、ハザードやホーンを鳴らしながら車外に知らせて、可能な限り安全に減速・停止させてくれる機能です。もし走行中にこのような車を見かけた際は、車間距離を開けるなどの対応をしてください。
◆車選びは「自動車アセスメント」も参考に
安全・安心な車選びの重要な要素である先進安全技術ですが、参考となるのが「自動車アセスメント」です。これは、国土交通省と独立行政法人自動車事故対策機構(ナスバ)が共同で実施しているもので、市販されている自動車を対象に「衝突安全性能」「予防安全性能」「事故後被害軽減性能」の3つの観点から安全性能を評価して点数を公表するものです。
・衝突安全性能
衝突時の乗員や歩行者の安全性への評価。実際に試験車を壁に衝突させたり、人の頭部を模擬したダミーをボンネットに衝突させるなどの試験で評価します。
・予防安全性能
事故を未然に防ぐ技術への評価。さまざまなシナリオで実際に試験車を走行させて、先進安全技術の性能を評価します。
・事故後被害軽減性能
事故の発生を自動的にコールセンターへ通報する装置の有無に対する評価。
なお、それぞれの評価の得点をすべて合計した総合評価において、最高評価を受けた車種には「ファイブスター賞」が、最高評価を受けた車種のなかでもっとも高い得点を得た車種には「ファイブスター大賞」が与えられています。普段乗っている車や購入を検討している車の安全性を確認したい方は、ナスバのホームページをご覧ください。
最後に塚田さんは「車の先進安全技術は、自分と周りの人たちの安全性を高めてくれる素晴らしいものですので、ぜひ皆さんに最新の技術について関心をもってもらいたいと考えております。しかし、あくまでも運転をサポートするものですので、限界があることを理解したうえで常に安全運転を心がけてください。ASVで快適なドライブを楽しみましょう!」と呼びかけました。
番組のエンディングでは、杉浦と村上が今回学んだ「先進安全自動車(ASV)」について復習。2人が特に注目したポイントをピックアップして発表します。まず村上は“車を選ぶときは自動車アセスメントを参考に!!”とポイントを挙げ、「じっくりと調べて、ASVがしっかり搭載されている車を選んでほしいです」と話します。一方、杉浦は“進化してます、先進安全自動車”と書き、「後付けできるものもありますし、いろいろ技術を理解する必要がありますね」とコメントしました。
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9月22日放送分より(radiko.jpのタイムフリー)
聴取期限 2024年9月30日(月)AM 4:59 まで
※放送エリア外の方は、プレミアム会員の登録でご利用いただけます。
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<番組概要>
番組名:杉浦太陽・村上佳菜子 日曜まなびより
放送日時:毎週日曜 7:30~7:55
パーソナリティ:杉浦太陽、村上佳菜子
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/manabiyori/
9月22日(日・祝)の放送テーマは「今こそ選ぼう! ASV・先進安全自動車」。国土交通省 物流・自動車局 技術・環境政策課 技術企画室長の塚田淳一さんをゲストにお迎えして、先進安全自動車の特徴や搭載されている技術について伺いました。
◆ドライバーの運転をサポートする「ASV」とは?
近年、自動車などによる人身事故は減少傾向にありましたが、昨年の交通事故による“交通事故死者数”は約2,700人となり、8年ぶりに増加してしまいました。そこで、交通事故を防ぐべく注目されているのが「先進安全自動車(以下:ASV)」です。ASVとは「Advanced Safety Vehicle」の頭文字で、先進技術によってドライバーの安全運転を支援してくれる技術や装置を搭載した自動車を指します。
また、ドライバーの運転をサポートする先進安全技術は複数あり、その搭載内容は自動車メーカーや車種によって異なります。例えば“衝突被害軽減ブレーキ”もその1つです。こちらは前方の障害物との衝突を予測して警報し、衝突被害を軽減するためにブレーキを作動させる装置で、「10年ほど前は、新車のわずか2割程度しか搭載されていませんでしたが、直近の新車には、ほぼ100%搭載されています」と塚田さん。
とはいえ、メーカーが設定する速度を超えて運転したり、太陽が逆光になる早朝や夕方など、周囲や天候の状況によっては障害物を検知できない場合があるため、衝突被害軽減ブレーキによって運転時の安全性は大きく向上するものの“衝突事故は起こらない”という認識を持つのは危険です。
さらには、下り坂や路面凍結など、道路の状態によって衝突被害軽減ブレーキが作動しても衝突を回避できない場合もあります。塚田さんは「“ASVだから”といって技術を過信せず、ドライバーは十分に注意しながら運転する必要があります」と注意を促します。
先進安全技術は、あくまでもドライバーの疲労を軽減したり、注意が欠けたときなどにサポートしてくれる“補助的な機能”ととらえて運転することが重要です。
◆車の安全性を高める先進安全技術を紹介
なお現在、乗用車、トラック、バスにおいて、実用化されている先進安全技術は合計で51あります。そのなかから杉浦が気になった3つを紹介します。
1:ペダル踏み間違い時加速抑制装置
駐車場などで発進するときや低速走行時、前方や後方に障害物があるにもかかわらず、アクセルペダルを強く踏み込んでしまった際、急発進や急加速を抑制してくれる機能で、新車の乗用車の場合、搭載率は9割です。
搭載されていない車には後付けの“ペダル踏み間違い急発進抑制装置”を取り付けることで同様の機能を利用できます。国土交通省では、一定の性能を有する後付け装置の認定をおこなっています。
2:レーンキープアシスト
走行する車線の中央付近を維持するようにアシストしてくれる機能で、車線から外れそうになったときにはドライバーに対して警報を鳴らして知らせたり、車線中央付近に戻るようにハンドル操作をアシストします。
また「レーンキープアシスト」+「前方車両の速度に合わせて一定の車間距離を確保しながら走行してくれる機能」を組み合わせることで、高速道路でハンドルから手を放すことを許容している車種も一部出てきています。しかしながら、この“ハンズオフ”と呼ばれる機能は自動運転ではなく、あくまでも運転支援であり、機能の限界はあります。ですので、即座にハンドルを握れる状態を保ち、従来の運転と同じように、よそ見をしないように注意しましょう。
3:EDSS(Emergency Driving Stop System)
“ドライバー異常時対応システム”を意味する言葉です。ドライバーが体調変化などによって運転の継続が困難になったとき、ハザードやホーンを鳴らしながら車外に知らせて、可能な限り安全に減速・停止させてくれる機能です。もし走行中にこのような車を見かけた際は、車間距離を開けるなどの対応をしてください。
◆車選びは「自動車アセスメント」も参考に
安全・安心な車選びの重要な要素である先進安全技術ですが、参考となるのが「自動車アセスメント」です。これは、国土交通省と独立行政法人自動車事故対策機構(ナスバ)が共同で実施しているもので、市販されている自動車を対象に「衝突安全性能」「予防安全性能」「事故後被害軽減性能」の3つの観点から安全性能を評価して点数を公表するものです。
・衝突安全性能
衝突時の乗員や歩行者の安全性への評価。実際に試験車を壁に衝突させたり、人の頭部を模擬したダミーをボンネットに衝突させるなどの試験で評価します。
・予防安全性能
事故を未然に防ぐ技術への評価。さまざまなシナリオで実際に試験車を走行させて、先進安全技術の性能を評価します。
・事故後被害軽減性能
事故の発生を自動的にコールセンターへ通報する装置の有無に対する評価。
なお、それぞれの評価の得点をすべて合計した総合評価において、最高評価を受けた車種には「ファイブスター賞」が、最高評価を受けた車種のなかでもっとも高い得点を得た車種には「ファイブスター大賞」が与えられています。普段乗っている車や購入を検討している車の安全性を確認したい方は、ナスバのホームページをご覧ください。
最後に塚田さんは「車の先進安全技術は、自分と周りの人たちの安全性を高めてくれる素晴らしいものですので、ぜひ皆さんに最新の技術について関心をもってもらいたいと考えております。しかし、あくまでも運転をサポートするものですので、限界があることを理解したうえで常に安全運転を心がけてください。ASVで快適なドライブを楽しみましょう!」と呼びかけました。
番組のエンディングでは、杉浦と村上が今回学んだ「先進安全自動車(ASV)」について復習。2人が特に注目したポイントをピックアップして発表します。まず村上は“車を選ぶときは自動車アセスメントを参考に!!”とポイントを挙げ、「じっくりと調べて、ASVがしっかり搭載されている車を選んでほしいです」と話します。一方、杉浦は“進化してます、先進安全自動車”と書き、「後付けできるものもありますし、いろいろ技術を理解する必要がありますね」とコメントしました。
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9月22日放送分より(radiko.jpのタイムフリー)
聴取期限 2024年9月30日(月)AM 4:59 まで
※放送エリア外の方は、プレミアム会員の登録でご利用いただけます。
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<番組概要>
番組名:杉浦太陽・村上佳菜子 日曜まなびより
放送日時:毎週日曜 7:30~7:55
パーソナリティ:杉浦太陽、村上佳菜子
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/manabiyori/
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