目指すは“がんの再発”がない治療 「第5のがん治療法」として期待が高まる「光免疫療法」に注目
テレビ朝日「羽鳥慎一モーニングショー」でレギュラーコメンテーターの玉川徹とフリーアナウンサーの原千晶がパーソナリティを務めるTOKYO FMのラジオ番組「ラジオのタマカワ」。「テレビではまだ出せていない玉川徹の新たな一面を発信!!」をコンセプトに、ビジネス、キャリア、マネー、カルチャー、エンタメ、音楽など、さまざまなジャンルをテレビとは違った角度から玉川が深掘りします。
5月23(木)の放送では医師の小林久隆先生をゲストに招き、新たながん治療法である「光免疫療法」について解説してもらいました。
小林久隆先生は、がんの「第5のがん治療法」として注目を集めている「光免疫療法」の開発者です。今回の放送では、小林先生から「光免疫療法について」「光免疫療法の進捗状況」「導入のタイミング」を中心に伺いました。
◆小林先生との交流が始まったきっかけ
玉川:先生と僕の出会いは2016年で、当時は光免疫療法の研究をマウスでおこなっていたんですね。早速ワシントンに飛んで、小林先生にお会いしてお話を伺いました。その内容を翌年1月に(番組で)放送したのですが、以降、定期的なお付き合いがあります。小林先生が日本に帰ってくるたびにお会いして、お話を伺っています。
原:取材がきっかけで今も続く関係性になったということは、気が合ったということでしょうか?
小林:そうですね。最初は怖い人かなってイメージはありました(笑)。
玉川:よく言われるんだよなあ(笑)。
小林:だけどお話しをしていくなかで、同じ大学(京都大学)に通っていたこともわかりましたし、しかも健康オタクだってことや、けっこう(病気に対して)怖がりだということもわかり、面白い人だなということで意気投合しました。
玉川:私、がんが怖いのよ。なんとか克服できる道を探したいと、研究者じゃないのに思っているんですよ。小林先生はその最短距離を走っている方なんです。今回はいろいろなお話をお伺いしたいと思います。
◆光免疫療法とはどんな治療法?
玉川:まず、知らない方もいらっしゃると思うので、「光免疫療法」についてご説明していただけますか?
小林:がんというのは、いわゆる「がん細胞」という悪いものが体のなかにできてくるわけです。要は、それだけを壊すことができれば一番いいんですよね。それを実現させようとしているのが光免疫療法だと思っていただければ大丈夫です。
従来の治療だと、がん細胞が残っては困るから正常な細胞も含めてごっそり取ってしまうんですね。そして、薬もがん細胞だけに効くわけではないんですよ。がん細胞だけが消えるようにプランを立てて研究してきたのが光免疫療法だと説明するのが端的だと思います。
人間にはもともと体が(がん細胞を)抑え込んで、がんにならないようにしている仕組み、体の免疫があるわけです。つまり、がんが少なくなり、免疫がなんとか抑え込める状況まで持っていけばいいんです。光でがんをできるだけ壊し、そして免疫を作る。なので光免疫療法という名前にしているんです。
玉川:原さんに補足すると、手術でがんを取り除いても、取りきれないときがあるわけですよ。そうなると、あとになってそのがんがまた暴れてくるわけです。
原:再発の話はよく聞きますよね。
玉川:そういった、目に見えない形で残る部分を免疫がやっつけてくれればいいわけですよ。ところが、がんという病気になっている人は、多くの場合、免疫ががんを認識できないようになっちゃっているんですね。がん細胞側が免疫から逃れるようなシグナルとか、いろんなものを出しちゃうんです
小林:そこを上手にがん細胞を壊してあげれば、がんがそこにいることに体が気付くんですね。そうなると、防御する側、つまり免疫ががん細胞を壊しにいけるわけです。がんを壊すうえで、ちゃんと防御も高めていかないと体が元に戻らないので、そこも強めていく治療法です。
原:(がん細胞を)完全に取り除いたら再発はなくなるんですか?
小林:そうなのですが、完全に取り除くことは本当に難しいんですよ。だけど、残ったのがたとえば1個だとしたら防御(免疫)で抑え込めるわけです。いつも人間の体にはたくさんのがん細胞ができているんですけども、通常は体が防御して抑え込んでいるんです。その状態にまで戻すことができれば、健常の人と同じようになるんじゃないかなと思います。
<番組概要>
番組名:ラジオのタマカワ
放送エリア:TOKYO FM
放送日時:毎週木曜 11:30~13:00
パーソナリティ:玉川徹、原千晶
5月23(木)の放送では医師の小林久隆先生をゲストに招き、新たながん治療法である「光免疫療法」について解説してもらいました。
小林久隆先生は、がんの「第5のがん治療法」として注目を集めている「光免疫療法」の開発者です。今回の放送では、小林先生から「光免疫療法について」「光免疫療法の進捗状況」「導入のタイミング」を中心に伺いました。
◆小林先生との交流が始まったきっかけ
玉川:先生と僕の出会いは2016年で、当時は光免疫療法の研究をマウスでおこなっていたんですね。早速ワシントンに飛んで、小林先生にお会いしてお話を伺いました。その内容を翌年1月に(番組で)放送したのですが、以降、定期的なお付き合いがあります。小林先生が日本に帰ってくるたびにお会いして、お話を伺っています。
原:取材がきっかけで今も続く関係性になったということは、気が合ったということでしょうか?
小林:そうですね。最初は怖い人かなってイメージはありました(笑)。
玉川:よく言われるんだよなあ(笑)。
小林:だけどお話しをしていくなかで、同じ大学(京都大学)に通っていたこともわかりましたし、しかも健康オタクだってことや、けっこう(病気に対して)怖がりだということもわかり、面白い人だなということで意気投合しました。
玉川:私、がんが怖いのよ。なんとか克服できる道を探したいと、研究者じゃないのに思っているんですよ。小林先生はその最短距離を走っている方なんです。今回はいろいろなお話をお伺いしたいと思います。
◆光免疫療法とはどんな治療法?
玉川:まず、知らない方もいらっしゃると思うので、「光免疫療法」についてご説明していただけますか?
小林:がんというのは、いわゆる「がん細胞」という悪いものが体のなかにできてくるわけです。要は、それだけを壊すことができれば一番いいんですよね。それを実現させようとしているのが光免疫療法だと思っていただければ大丈夫です。
従来の治療だと、がん細胞が残っては困るから正常な細胞も含めてごっそり取ってしまうんですね。そして、薬もがん細胞だけに効くわけではないんですよ。がん細胞だけが消えるようにプランを立てて研究してきたのが光免疫療法だと説明するのが端的だと思います。
人間にはもともと体が(がん細胞を)抑え込んで、がんにならないようにしている仕組み、体の免疫があるわけです。つまり、がんが少なくなり、免疫がなんとか抑え込める状況まで持っていけばいいんです。光でがんをできるだけ壊し、そして免疫を作る。なので光免疫療法という名前にしているんです。
玉川:原さんに補足すると、手術でがんを取り除いても、取りきれないときがあるわけですよ。そうなると、あとになってそのがんがまた暴れてくるわけです。
原:再発の話はよく聞きますよね。
玉川:そういった、目に見えない形で残る部分を免疫がやっつけてくれればいいわけですよ。ところが、がんという病気になっている人は、多くの場合、免疫ががんを認識できないようになっちゃっているんですね。がん細胞側が免疫から逃れるようなシグナルとか、いろんなものを出しちゃうんです
小林:そこを上手にがん細胞を壊してあげれば、がんがそこにいることに体が気付くんですね。そうなると、防御する側、つまり免疫ががん細胞を壊しにいけるわけです。がんを壊すうえで、ちゃんと防御も高めていかないと体が元に戻らないので、そこも強めていく治療法です。
原:(がん細胞を)完全に取り除いたら再発はなくなるんですか?
小林:そうなのですが、完全に取り除くことは本当に難しいんですよ。だけど、残ったのがたとえば1個だとしたら防御(免疫)で抑え込めるわけです。いつも人間の体にはたくさんのがん細胞ができているんですけども、通常は体が防御して抑え込んでいるんです。その状態にまで戻すことができれば、健常の人と同じようになるんじゃないかなと思います。
<番組概要>
番組名:ラジオのタマカワ
放送エリア:TOKYO FM
放送日時:毎週木曜 11:30~13:00
パーソナリティ:玉川徹、原千晶
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/tamakawa/
06/08 06:50
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