「ダフ屋」「転売ヤー」をなくすために…“転売チケット”の注意点と「チケット不正転売禁止法」について解説!
杉浦太陽と村上佳菜子がパーソナリティをつとめるTOKYO FMのラジオ番組「杉浦太陽・村上佳菜子 日曜まなびより」(毎週日曜 7:30~7:55)。「学びと成長」をコンセプトに、毎回さまざまなゲスト講師をお招きして、明日の暮らしがもっと豊かになる情報や気になるトピックをひも解いて、今よりもちょっと成長することを目指す番組です。
6月2日(日)の放送テーマは、「その行為は禁止です! チケット不正転売禁止法」。文化庁 文化経済・国際課 専門官の依田浩崇(よだ・ひろたか)さんをゲストにお迎えして、2019年に施行された「チケット不正転売禁止法」について伺いました。
◆“転売屋”って何?
ライブやスポーツイベントなど、エンタメを観賞するためにチケットを購入しますが、人気が高いチケットは競争倍率が高く購入するのもひと苦労です。そうしたなか、不当に高額な代金でチケットを販売する“転売屋”が問題を起こすケースも少なくありません。
その1つである“ダフ屋”は人気のライブや舞台、スポーツイベントのチケットを転売する目的で購入して会場の近くで声かけをおこない、元の販売価格よりも高額で転売する人を指します。また、そのオンライン版として呼ばれている“転売ヤー”は、オークションサイトなどを利用してチケットを高額で販売する業者や個人のことを指します。
チケット目当てで高額な代金を払うことは、消費者にとって大きな負担となります。また、いくら高額で購入したとしても興行主や出演者の利益にはなりません。さらには、次回以降のチケットや会場で販売されているグッズを購入する機会なども奪われてしまう可能性があります。
◆「チケット不正転売禁止法」とは?
そうした影響を踏まえて、ダフ屋行為は各都道府県の迷惑防止条例で禁止されていますが、迷惑防止条例で取り締まれるのは“公共の場所”または“公共の乗り物”でおこなわれるチケットの売買などが対象のため、インターネット上で売買をおこなう転売ヤーは取り締まることができません。そこで2019年に施行されたのが“チケット不正転売禁止法”です。
これは、国内でおこなわれる芸術・芸能、スポーツイベント等のチケットの不正転売などを禁止する法律です。なお、不正転売とは興行主の事前の同意を得ないで、継続する意思をもってお金を得て権利を譲り渡す行為であり、もとの販売価格よりも高額で“特定興行入場券”を転売することを指します。
この特定興行入場券は、不特定または多数の者に販売され、かつ以下の3つのいずれにも該当する、日本国内でおこなわれる芸術・芸能やスポーツイベントなどのチケットのことです。
1:販売の際、興行主の同意のない有償譲渡を禁止する旨が明示されていて、かつ券面あるいは電子チケットの画面上にも記載されていること
2:興行の日時、場所、座席が指定されたものであること
3:座席が指定されている場合、購入者の氏名と連絡先を確認する措置が講じられていて、その旨がチケットに記載されていること
立見のコンサートの場合は、入場資格者があらかじめ指定されていることと、入場資格者の氏名と連絡先を確認する措置が講じられており、そのことがチケットに記載されていることが要件になります。
無料で配布されたチケットや転売を禁止する旨の記載がないチケット、他にも販売時に購入者または入場資格者の確認がおこなわれていないチケット、日時の指定のないチケットなどは特定興行入場券には該当せず、チケット不正転売禁止法の対象外になります。そして、チケット不正転売禁止法に違反して高額で転売した場合、1年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金、またはその両方が科せられます。業者だけでなく、個人であってもチケットを不正転売すれば罰則の対象です。
ちなみに、不測の事態となりライブに行けなくなった際、SNSなどで欲しい人を募って定価で販売することは不正転売にあたりません。しかしながら、依田さんは「個人間でのチケットのやりとりはトラブルが発生する可能性があります」と注意を促します。急用や急病などでチケットを買い取ってもらいたい場合は、興行主の同意を事前に得ている正規のリセールサイトを利用しましょう。
◆転売チケットでは返金されない可能性も
消費者がチケットを購入する際に気をつけるべきポイントは「正規のルートで購入する」ということです。どうしてもチケットがほしいからといって、チケット転売サイトやSNSで知り合った人から購入するなど、正規ではないルートで購入すると、「代金を振り込んだのにチケットが届かない」「連絡もとれなくなった」といったトラブルになる可能性があります。
また、興行主がチケットの転売を禁止している場合、「公演の中止や延期の際、オークションや転売サイトなど、個人間での取引でチケットが転売されたチケットは、返金の取り決めをしていなければ売り手に返金の義務はありません」と補足します。
最後に依田さんは、「もし余ったチケットを売ったり、転売チケットを購入したりするときは、“そもそも転売してよいものか”をしっかり確認していただき、興行主や興行主から許可を得た正規のリセールサイトを利用してください」と呼びかけました。
チケットの不正転売は禁止されています。ライブや舞台を観る方々も出演者も心から楽しむことができるようにルールを守りましょう。
番組のエンディングでは、杉浦と村上が今回学んだ「チケット不正転売禁止法」について復習します。村上は“舞台を作る側の努力を大切に”とまとめ、「私は出る側でもありますので、努力がわかっていれば、不正転売行為に至らないと思います」と話します。続けて、杉浦は“No! チケット不正転売”と強調し、「シンプルに不正転売はいけないことだと伝えていきたいです」とコメントしました。
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6月2日放送分より(radiko.jpのタイムフリー)
聴取期限 2024年6月10日(月)AM 4:59 まで
※放送エリア外の方は、プレミアム会員の登録でご利用いただけます。
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<番組概要>
番組名:杉浦太陽・村上佳菜子 日曜まなびより
放送日時:毎週日曜 7:30~7:55
パーソナリティ:杉浦太陽、村上佳菜子
番組Webサイト:https://audee.jp/program/show/300007925
6月2日(日)の放送テーマは、「その行為は禁止です! チケット不正転売禁止法」。文化庁 文化経済・国際課 専門官の依田浩崇(よだ・ひろたか)さんをゲストにお迎えして、2019年に施行された「チケット不正転売禁止法」について伺いました。
◆“転売屋”って何?
ライブやスポーツイベントなど、エンタメを観賞するためにチケットを購入しますが、人気が高いチケットは競争倍率が高く購入するのもひと苦労です。そうしたなか、不当に高額な代金でチケットを販売する“転売屋”が問題を起こすケースも少なくありません。
その1つである“ダフ屋”は人気のライブや舞台、スポーツイベントのチケットを転売する目的で購入して会場の近くで声かけをおこない、元の販売価格よりも高額で転売する人を指します。また、そのオンライン版として呼ばれている“転売ヤー”は、オークションサイトなどを利用してチケットを高額で販売する業者や個人のことを指します。
チケット目当てで高額な代金を払うことは、消費者にとって大きな負担となります。また、いくら高額で購入したとしても興行主や出演者の利益にはなりません。さらには、次回以降のチケットや会場で販売されているグッズを購入する機会なども奪われてしまう可能性があります。
◆「チケット不正転売禁止法」とは?
そうした影響を踏まえて、ダフ屋行為は各都道府県の迷惑防止条例で禁止されていますが、迷惑防止条例で取り締まれるのは“公共の場所”または“公共の乗り物”でおこなわれるチケットの売買などが対象のため、インターネット上で売買をおこなう転売ヤーは取り締まることができません。そこで2019年に施行されたのが“チケット不正転売禁止法”です。
これは、国内でおこなわれる芸術・芸能、スポーツイベント等のチケットの不正転売などを禁止する法律です。なお、不正転売とは興行主の事前の同意を得ないで、継続する意思をもってお金を得て権利を譲り渡す行為であり、もとの販売価格よりも高額で“特定興行入場券”を転売することを指します。
この特定興行入場券は、不特定または多数の者に販売され、かつ以下の3つのいずれにも該当する、日本国内でおこなわれる芸術・芸能やスポーツイベントなどのチケットのことです。
1:販売の際、興行主の同意のない有償譲渡を禁止する旨が明示されていて、かつ券面あるいは電子チケットの画面上にも記載されていること
2:興行の日時、場所、座席が指定されたものであること
3:座席が指定されている場合、購入者の氏名と連絡先を確認する措置が講じられていて、その旨がチケットに記載されていること
立見のコンサートの場合は、入場資格者があらかじめ指定されていることと、入場資格者の氏名と連絡先を確認する措置が講じられており、そのことがチケットに記載されていることが要件になります。
無料で配布されたチケットや転売を禁止する旨の記載がないチケット、他にも販売時に購入者または入場資格者の確認がおこなわれていないチケット、日時の指定のないチケットなどは特定興行入場券には該当せず、チケット不正転売禁止法の対象外になります。そして、チケット不正転売禁止法に違反して高額で転売した場合、1年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金、またはその両方が科せられます。業者だけでなく、個人であってもチケットを不正転売すれば罰則の対象です。
ちなみに、不測の事態となりライブに行けなくなった際、SNSなどで欲しい人を募って定価で販売することは不正転売にあたりません。しかしながら、依田さんは「個人間でのチケットのやりとりはトラブルが発生する可能性があります」と注意を促します。急用や急病などでチケットを買い取ってもらいたい場合は、興行主の同意を事前に得ている正規のリセールサイトを利用しましょう。
◆転売チケットでは返金されない可能性も
消費者がチケットを購入する際に気をつけるべきポイントは「正規のルートで購入する」ということです。どうしてもチケットがほしいからといって、チケット転売サイトやSNSで知り合った人から購入するなど、正規ではないルートで購入すると、「代金を振り込んだのにチケットが届かない」「連絡もとれなくなった」といったトラブルになる可能性があります。
また、興行主がチケットの転売を禁止している場合、「公演の中止や延期の際、オークションや転売サイトなど、個人間での取引でチケットが転売されたチケットは、返金の取り決めをしていなければ売り手に返金の義務はありません」と補足します。
最後に依田さんは、「もし余ったチケットを売ったり、転売チケットを購入したりするときは、“そもそも転売してよいものか”をしっかり確認していただき、興行主や興行主から許可を得た正規のリセールサイトを利用してください」と呼びかけました。
チケットの不正転売は禁止されています。ライブや舞台を観る方々も出演者も心から楽しむことができるようにルールを守りましょう。
番組のエンディングでは、杉浦と村上が今回学んだ「チケット不正転売禁止法」について復習します。村上は“舞台を作る側の努力を大切に”とまとめ、「私は出る側でもありますので、努力がわかっていれば、不正転売行為に至らないと思います」と話します。続けて、杉浦は“No! チケット不正転売”と強調し、「シンプルに不正転売はいけないことだと伝えていきたいです」とコメントしました。
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6月2日放送分より(radiko.jpのタイムフリー)
聴取期限 2024年6月10日(月)AM 4:59 まで
※放送エリア外の方は、プレミアム会員の登録でご利用いただけます。
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<番組概要>
番組名:杉浦太陽・村上佳菜子 日曜まなびより
放送日時:毎週日曜 7:30~7:55
パーソナリティ:杉浦太陽、村上佳菜子
番組Webサイト:https://audee.jp/program/show/300007925
06/03 20:30
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