本田望結が選んだ1冊は?「本を読んでいろんなことを想像する。その楽しさを教えてくれました」

 ※本記事は、雑誌『ダ・ヴィンチ』2024年12月号からの転載です。

 毎月3人の旬な有名人ゲストがこだわりのある一冊を選んで紹介する、ダ・ヴィンチ本誌の巻頭人気連載『あの人と本の話』。今回登場してくれたのは、本田望結さん。

(取材・文=松井美緒 写真=TOWA)

『おおきなおおきな木』は、本田さんにとって「一番最初の絵本」だと言う。

「私の実家は、廊下の両側に絵本を飾っているんです。その中に、5人のきょうだい、それぞれお気に入りの一冊があって、私はこれ。私が買ってもらったものではないんです。もしかしたら、一番上の姉が小さい頃から飾ってあったのかもしれない。だから、私が生まれたときから、ずっと一緒にいる絵本なんです」

 本田さんは読書が大好きだ。

「この絵本のおかげだと思います。本を読んでいろんなことを想像する。その楽しさを教えてくれました」

『おおきなおおきな木』の中で、本田さんがとくに惹かれたのは。

「やっぱり、大きな木の穴の中で動物たちや若者が見る夢ですね。優しい夢で、心が温かくなります」

 本田さんにとっても、夢は少し特別だ。

「私は基本的に夢を見ないんです。でも、何か問題を抱えていたり、モヤモヤした不安があるときだけ、夢を見る。その問題が夢に出てくるんです。子どもの頃からずっとそう。だから、夢を見ると、ああ、私は今これに悩んでるんだ、と逆に気づくことができるんです」

 本田さんの主演映画『カーリングの神様』が間もなく公開される。本田さんが演じるのは、カーリングに夢中な女子高生・香澄。これまで、フィギュアスケーターとしても活躍してきた本田さん。本作の撮影には、「スケーター・本田望結の力を借りて挑みました」と語る。

「普段、お芝居のお仕事はフィギュアとは完全に切り離しているんです。でも今回は、フィギュアスケーターの自分が助けてくれた、というか助けを求めるしかありませんでした。フィギュアで得た感情、悔しさが、カーリングに懸ける香澄のお芝居を支えてくれました」

 カーリングの競技シーンは本作の大きな見どころ。すべて、本田さんら俳優自身が演じている。

「本木克英監督に、全シーン私たちで、と言われてとても嬉しかったです。それだけ責任を持って役に臨めましたし、厳しいカーリングのトレーニングにも、すごく集中できました。この作品は、スポーツ選手から見ても、本当にリアルなストーリーです。どんな選手も、笑顔の陰にはたくさんの悔しさがあります。それをきちんと描いている。それがあるから、一層香澄たちのチャレンジをを応援したくなります」

ヘアメイク:山田佳苗 スタイリング:田中トモコ 衣装協力:ジャケット(※パンツとセットアップ)1万2500円(ワイルド リリー/ワイルド リリーTEL03-3461-4887)、イヤリング1万7600円(ノムグ)、ネックレス4200円(Mamimi)・左人差し指リング3万4100円(CAKI/共にロードスTEL03-6416-1995)、左中指リング5万8300円(エトワライト)、ほかスタイリスト私物(全て税込)

ジャンルで探す