佐野史郎さん 恩師・唐十郎さんを追悼 「言葉にならない」「過ぎ去りし日々あればこその今」

急性硬膜下血腫で亡くなったことが公表された、劇作家で演出家、俳優の唐十郎さん(84)。
唐さんを恩師と慕う、俳優の佐野史郎さん(69)が5日、公式サイトを更新し、追悼のメッセージを綴りました。

 

佐野史郎さん





佐野さんは、「思いめぐることが多過ぎて、言葉にならない」と、心境を明かし、「唐さんの舞台を観たことで、状況劇場に入団したことで、そして退団後も交流させていただけたことで、多くのことを学び、導いていただいたことは間違いない」と、自身の俳優人生にかかせない存在だったと振り返りました。

続けて、「過ぎ去りし日は戻ることはない。けれど、その過ぎ去りし日々あればこその今なのだと、何度も何度も思い知らされる」と、明かしました。

 

佐野史郎さん





佐野さんは「20代の劇団時代に、ふとつぶやいた唐さんの言葉を思いだす。『佐野が『少女と右翼』を読んでるんだよ』戦後の上野の焼け野原の光景から世界を読み解き始めた唐さんのまなざしから学ぶことは、まだまだ多い」と、唐さんとのエピソードを回想。


そして、 「唐さん、今は、ただ、ゆっくりお休みください。そして、これからも、よろしくお願いいたします。」と、綴りました。

 

唐十郎さん




唐さんが主宰する「劇団唐組」によりますと、唐十郎さん、本名・大鶴義英さん(※鶴の字は正式には、あめかんむりに鶴)はきのう、午後9時ごろに急性硬膜下血腫で亡くなりました。84歳でした。

唐さんは今月1日に自宅で転倒し、東京・中野区の病院に緊急搬送されていたということです。

唐さんは明治大学文学部演劇学科在学中から俳優として活動し、劇団「状況劇場」を立ち上げるなどして特設の「紅テント」公演を国内外で続け、根津甚八さんや小林薫さんら多くの俳優を輩出しました。

また、小説家としても、1983年に「佐川君からの手紙」で芥川賞を受賞しました。2021年には文化功労者に選ばれています。

通夜、葬儀は近親者のみで行う予定だということです。


【担当:芸能情報ステーション】

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