手紙の内容が現実に!大ブレイク俳優・河合優実が憧れの監督作『ナミビアの砂漠』に出演して感じたこと
第77回カンヌ国際映画祭で国際映画批評家連盟賞を受賞した『ナミビアの砂漠』は、自由奔放な主人公・カナの真っ正直な生き方がストレートに突き刺さってくる作品です。そんなカナを演じた河合優実さんに、役について、撮影の裏側について、そして演じることの素晴らしさについて語っていただきました。
河合優実さん(以下、河合):当時の私は高校生で、演技の道を目指してはいましたが、まだ本当に動き始めたばかりの頃で。『あみこ』を見たのは、出演者の大下ヒロトさんと知り合いだったことがきっかけです。
大下さんに「事務所のオーディションを受けるにはどうしたらいいのか」と相談をしていたんです。その流れで大下さんが出演している『あみこ』を見ました。
――そして『あみこ』で描かれる世界が河合さんの心に刺さったのですね。
河合:当時はまだ見た映画について自分なりに咀嚼(そしゃく)する術さえ持ち合わせていなかったのでうまく表現できなかったのですが、高校生の自分に直感的に刺さったんです。「こんな世界、見たことない!」と。
なので山中監督の『ナミビアの砂漠』への主演が決まったとき、高校生のときに何も分からないまま『あみこ』を見てビビッと来た感覚と、プロになった今の自分の感覚との答え合わせをするような気持ちもありました。
――河合さんが惹かれる山中監督の感性、その魅力とはどういうところなのでしょう?
河合:『あみこ』を見たとき、描写、セリフ、音楽すべてが印象に残ったのですが、セリフが特に面白かったんです。
ミュージカル風のダンスシーンが出てくるのですが、女子高生のあみこが突然音楽を止めて「日本人はな、体が勝手に動き出したりしねえんだよ」と言ったり……。セリフの端々に反骨精神のようなものが感じられる映画でした。
山中監督とあみこの目線が同じで、自分事として描いているのが気持ち良かったし、世界に対して疑いの目を向けたり、はみ出してみたり、その感じがパンクだけどチャーミングでとてもかっこよかったんです。
――パンクだけどチャーミングというのは、『ナミビアの砂漠』のカナのようですね。カナ役についてはどのように考えて撮影に入りましたか?
河合:脚本に描かれているカナがとにかく面白かったです。
メチャクチャな行動に走ったり、人によって態度を変えたり。特にひとりで過ごしている時間のリアリティーがすごいと思いました。誰でも映画のカナのように、人の目を気にしないで過ごすだらしない時間ってあると思いますし、そんな無防備なカナの人間性を芝居で表現するのが楽しみで、撮影に入るのをワクワクして待ちました。
カナはいい子ではないし、悪いこともしているんですよね。人に嘘をついたり、暴れたり……。それでもカナの魂をキラキラと輝かせたいと思いました。ついカナに目がいっちゃうような、惹きつけられるような……。行動は過激だけど、魂はきれいで、いつもメラメラ燃えている。そんな輝きを持ったカナにしたいと思いながら臨みました。
――最初はカナの言動が自由奔放すぎて「この子は大丈夫かな」と思ったりしたのですが、誰にも媚びずに生きているカナを見ているうちに、だんだんうらやましくなっていきました。
河合:「カナがうらやましい」という感想は結構多いんです。あそこまでさらけ出し、相手にぶつかっていけるのはうらやましいと。現実の社会で暴力は肯定できないけど、自由な精神がやっぱり輝いて見えたならうれしいです。
――2番目の彼氏のハヤシ(金子大地)との喧嘩シーンは迫力がありました。あそこまで取っ組み合って喧嘩したら、もう恋人関係解消かなと思いましたが、次第にあの喧嘩が愛情表現なのかもしれないと思うようになってくるところも面白かったです。
河合:そうですね、ふたりとも喧嘩してもまだ一緒にいたいんだと思います。
――取っ組み合いのシーンは投げ飛ばされたりしていましたが、どうやって撮影したんですか? アクション指導者はいたのでしょうか?
河合:はい。アクション部のスタッフの方が決めてくださった動きで演じました。演技中もちゃんと見ていてくださったので、けがはしていないのですが、ちょっとしたアザはできました。でも山中監督は「カナは前日、ハヤシと喧嘩してアザを作っているかもしれないから、アザを消さずにそのまま生かしましょう」と。
――その場で起こったことなど、現実を生かす演出をされていたんですね。
河合:セリフは脚本通りでアドリブは全然ないんです。でも脚本に描かれていない動き、仕草など、撮影スタッフも含めて現場でアイデアを作品に取り入れていきました。ライブのような感じで撮影は本当に楽しかったです。
――憧れていた山中監督とのお仕事ですが、充実されていたんですね。
河合:そうですね、想像していた以上の楽しさでした。映画作りはビジネスの側面もあるし、集団で仕事をしているので、どこかで折り合いをつけなくてはならないことはあると思います。
でも、『ナミビアの砂漠』の撮影では、スタッフ、キャスト共にとにかく面白いものを追い求めていた感じが強くあって、その気持ちを貫くことができた。純粋に面白いものを作ろうと思えばできるんだというシンプルなことを教えられた現場でもあり、私にとってぜいたくな時間でした。
――完成した映画を見た感想を教えてください。
河合:毎シーン撮影するたびに「いいシーンになったぞ」と思っていたので、自分の中のハードルが上がってしまい、試写のときはすごくドキドキしました。現場はすごく豊かだったけど、作品としてどうなっているかな……と。
正直、まだ適切な距離で見ることができないのですが、やっぱり山中監督らしい、かっこいい映画になっていると思いました。
特に、最初の恋人・ホンダ(寛一郎)と2番目の恋人・ハヤシのシーンは、撮影で抱いた印象よりも魅力的でした。どんな行動をしてもどこか笑えてちゃんと愛されるキャラクターになっているのが良かったです。
――『ナミビアの砂漠』は第77回カンヌ国際映画祭の国際映画批評家連盟賞を受賞しました。河合さんの演技も話題になりましたが、カンヌ映画祭の現地に行かれていましたよね。いかがでしたか?
河合:初めての海外の映画祭だったのですが、楽しくて帰りたくなかったです(笑)。最初は3泊と言われたのですが、「もっといたいです」とリクエストして、6泊に増やしていただきました。
世界3大映画祭の1つという、自分にとって初めて体験する文化の祭典はやはりすごく興味深かったです。世界の映画業界の方と接して「これから自分が闘っていく舞台はここなんだ」と思ったり……。いろいろなことを感じましたし、本当に行って良かった。また別の海外の映画祭にも出席してみたいです。
河合:変わりました。『不適切にもほどがある!』を撮影しているときは、すごく楽しんで仕事をしていたんです。まさかこんなに多くの人に見ていただき、話題になるなんて想像もしていませんでした。
でも「時の人」と言われると、ぼんやりしてしまいます。実態がないというか、どこからがブレイクなのか分からないので、今でも不思議な気持ちです。
――映画もドラマも出演作が次々とありますが、河合さんにとってお芝居の良さ、演じる喜びはどういうところにありますか?
河合:『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』(NHK)の仕事をしたときに思ったことがあるんです。役やシーンを理解するとき、自分が経験してきたことを役作りの材料として使うのですが、そうやって演じた役から新たに教えられることがたくさんあるんです。
そして、それが自分の人生の糧になり、学んだことをまた次の作品に生かしていく。俳優という仕事は作品と自分の人生が循環していくのだと。なんて素晴らしい仕事なのだろうと思いました。
――All Aboutでは取材した方に、最近見た映画、好きな映画館、映画の思い出などを聞いているのですが、河合さんは映画館に行かれることはよくありますか?
河合:はい、よく映画を見に行きます。見たい映画が上映されている映画館へ行くので、ミニシアターもシネコンも行きますが、どちらかといえばミニシアター系が多いかもしれません。
最近は『クレオの夏休み』(フランス映画)を見ました。良かったです。子どもが主人公の物語なのですが、その子が素晴らしくて。どうやって撮影したのだろうと思うくらいでした。
そういえば『クレオの夏休み』を見に行ったとき、劇場に『ナミビアの砂漠』のチラシがいっぱいあったんです。「私がいっぱいいる!」と思って(笑)、1枚いただいて帰りました。
――映画館の座席のベストポジションはありますか?
河合:私は目があまりよくないので、ミニシアターなら5、6列目の真ん中です。シネコンだともう少し後ろかな。でもいずれも真ん中が好きです。端っこだと、スクリーンが斜めになるし、ゆがんで見えるような気がするので選ばないですね。
河合:この映画の取材を受ける中で、いろんな感想をいただきました。主人公のカナに自分を重ねる人もいるし、他者として見る人もいる。でもどちらで見ても楽しい映画です。
ワクワクしたり、ヒヤヒヤしたり、そして見終わった後にエネルギーをもらえる作品になっていると思います。劇場を出るとき、そういう得体の知れないエネルギーに包まれて、「なんかすごい映画を見たぞ」という気持ちになってくれたらうれしいです。
2021年『サマーフィルムにのって』『由宇子の天秤』の演技で第64回ブルーリボン賞新人賞などを受賞。近年は『PLAN 75』(2022)『少女は卒業しない』(2023)『あんのこと』劇場アニメ『ルックバック』(いずれも2024)。最新作は『八犬伝』(2024年10月25日公開)、NHK連続テレビ小説『あんぱん』(2025年春放送開始予定)。
カナ(河合優実)は、日々退屈を持て余し、やり場のない感情を抱えて生きている。ホンダ(寛一郎)と付き合いながらも、ハヤシ(金子大地)と関係を深めていくカナ。しかし、次第にハヤシともかみ合わなくなっていき……。カナは自分の居場所を見つけることができるのだろうか。
監督・脚本:山中瑶子
出演:河合優実、金子大地、寛一郎、新谷ゆづみ、中島歩、唐田えりか、渋谷采郁、澁谷麻美、倉田萌衣、伊島空、堀部圭亮、渡辺真起子
撮影・取材・文:斎藤香
ヘアメイク:上川タカエ(mod’shair)
スタイリスト:杉本学子
(文:斎藤 香(映画ガイド))
『ナミビアの砂漠』主演、河合優実さんにインタビュー
――『ナミビアの砂漠』、21歳のヒロインが常識の殻を破り続ける姿が面白かったです。山中瑶子監督のデビュー作『あみこ』を見て、山中監督に「いつか監督の映画に出たいです」と手紙を書いたそうですね。『あみこ』は山中監督が19歳のときの作品ですが、この映画を見たきっかけは?河合優実さん(以下、河合):当時の私は高校生で、演技の道を目指してはいましたが、まだ本当に動き始めたばかりの頃で。『あみこ』を見たのは、出演者の大下ヒロトさんと知り合いだったことがきっかけです。
大下さんに「事務所のオーディションを受けるにはどうしたらいいのか」と相談をしていたんです。その流れで大下さんが出演している『あみこ』を見ました。
――そして『あみこ』で描かれる世界が河合さんの心に刺さったのですね。
河合:当時はまだ見た映画について自分なりに咀嚼(そしゃく)する術さえ持ち合わせていなかったのでうまく表現できなかったのですが、高校生の自分に直感的に刺さったんです。「こんな世界、見たことない!」と。
なので山中監督の『ナミビアの砂漠』への主演が決まったとき、高校生のときに何も分からないまま『あみこ』を見てビビッと来た感覚と、プロになった今の自分の感覚との答え合わせをするような気持ちもありました。
――河合さんが惹かれる山中監督の感性、その魅力とはどういうところなのでしょう?
河合:『あみこ』を見たとき、描写、セリフ、音楽すべてが印象に残ったのですが、セリフが特に面白かったんです。
ミュージカル風のダンスシーンが出てくるのですが、女子高生のあみこが突然音楽を止めて「日本人はな、体が勝手に動き出したりしねえんだよ」と言ったり……。セリフの端々に反骨精神のようなものが感じられる映画でした。
山中監督とあみこの目線が同じで、自分事として描いているのが気持ち良かったし、世界に対して疑いの目を向けたり、はみ出してみたり、その感じがパンクだけどチャーミングでとてもかっこよかったんです。
カナの魂をキラキラ輝かせたかった
――パンクだけどチャーミングというのは、『ナミビアの砂漠』のカナのようですね。カナ役についてはどのように考えて撮影に入りましたか?
河合:脚本に描かれているカナがとにかく面白かったです。
メチャクチャな行動に走ったり、人によって態度を変えたり。特にひとりで過ごしている時間のリアリティーがすごいと思いました。誰でも映画のカナのように、人の目を気にしないで過ごすだらしない時間ってあると思いますし、そんな無防備なカナの人間性を芝居で表現するのが楽しみで、撮影に入るのをワクワクして待ちました。
カナはいい子ではないし、悪いこともしているんですよね。人に嘘をついたり、暴れたり……。それでもカナの魂をキラキラと輝かせたいと思いました。ついカナに目がいっちゃうような、惹きつけられるような……。行動は過激だけど、魂はきれいで、いつもメラメラ燃えている。そんな輝きを持ったカナにしたいと思いながら臨みました。
――最初はカナの言動が自由奔放すぎて「この子は大丈夫かな」と思ったりしたのですが、誰にも媚びずに生きているカナを見ているうちに、だんだんうらやましくなっていきました。
河合:「カナがうらやましい」という感想は結構多いんです。あそこまでさらけ出し、相手にぶつかっていけるのはうらやましいと。現実の社会で暴力は肯定できないけど、自由な精神がやっぱり輝いて見えたならうれしいです。
セリフは脚本通りだけど動きはアドリブも
――2番目の彼氏のハヤシ(金子大地)との喧嘩シーンは迫力がありました。あそこまで取っ組み合って喧嘩したら、もう恋人関係解消かなと思いましたが、次第にあの喧嘩が愛情表現なのかもしれないと思うようになってくるところも面白かったです。
河合:そうですね、ふたりとも喧嘩してもまだ一緒にいたいんだと思います。
――取っ組み合いのシーンは投げ飛ばされたりしていましたが、どうやって撮影したんですか? アクション指導者はいたのでしょうか?
河合:はい。アクション部のスタッフの方が決めてくださった動きで演じました。演技中もちゃんと見ていてくださったので、けがはしていないのですが、ちょっとしたアザはできました。でも山中監督は「カナは前日、ハヤシと喧嘩してアザを作っているかもしれないから、アザを消さずにそのまま生かしましょう」と。
――その場で起こったことなど、現実を生かす演出をされていたんですね。
河合:セリフは脚本通りでアドリブは全然ないんです。でも脚本に描かれていない動き、仕草など、撮影スタッフも含めて現場でアイデアを作品に取り入れていきました。ライブのような感じで撮影は本当に楽しかったです。
面白いものを追求して貫いた『ナミビアの砂漠』の撮影現場
――憧れていた山中監督とのお仕事ですが、充実されていたんですね。
河合:そうですね、想像していた以上の楽しさでした。映画作りはビジネスの側面もあるし、集団で仕事をしているので、どこかで折り合いをつけなくてはならないことはあると思います。
でも、『ナミビアの砂漠』の撮影では、スタッフ、キャスト共にとにかく面白いものを追い求めていた感じが強くあって、その気持ちを貫くことができた。純粋に面白いものを作ろうと思えばできるんだというシンプルなことを教えられた現場でもあり、私にとってぜいたくな時間でした。
――完成した映画を見た感想を教えてください。
河合:毎シーン撮影するたびに「いいシーンになったぞ」と思っていたので、自分の中のハードルが上がってしまい、試写のときはすごくドキドキしました。現場はすごく豊かだったけど、作品としてどうなっているかな……と。
正直、まだ適切な距離で見ることができないのですが、やっぱり山中監督らしい、かっこいい映画になっていると思いました。
特に、最初の恋人・ホンダ(寛一郎)と2番目の恋人・ハヤシのシーンは、撮影で抱いた印象よりも魅力的でした。どんな行動をしてもどこか笑えてちゃんと愛されるキャラクターになっているのが良かったです。
楽しすぎた! カンヌ国際映画祭
――『ナミビアの砂漠』は第77回カンヌ国際映画祭の国際映画批評家連盟賞を受賞しました。河合さんの演技も話題になりましたが、カンヌ映画祭の現地に行かれていましたよね。いかがでしたか?
河合:初めての海外の映画祭だったのですが、楽しくて帰りたくなかったです(笑)。最初は3泊と言われたのですが、「もっといたいです」とリクエストして、6泊に増やしていただきました。
世界3大映画祭の1つという、自分にとって初めて体験する文化の祭典はやはりすごく興味深かったです。世界の映画業界の方と接して「これから自分が闘っていく舞台はここなんだ」と思ったり……。いろいろなことを感じましたし、本当に行って良かった。また別の海外の映画祭にも出席してみたいです。
作品と自分の人生が循環していく俳優の仕事
――河合さんはドラマ『不適切にもほどがある!』(TBS)での演技が話題になったり、映画『あんのこと』など次々と作品が公開されたり、今や“時の人”と言ってもいいと思うのですが、周囲の環境が変わったと感じますか?河合:変わりました。『不適切にもほどがある!』を撮影しているときは、すごく楽しんで仕事をしていたんです。まさかこんなに多くの人に見ていただき、話題になるなんて想像もしていませんでした。
でも「時の人」と言われると、ぼんやりしてしまいます。実態がないというか、どこからがブレイクなのか分からないので、今でも不思議な気持ちです。
――映画もドラマも出演作が次々とありますが、河合さんにとってお芝居の良さ、演じる喜びはどういうところにありますか?
河合:『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』(NHK)の仕事をしたときに思ったことがあるんです。役やシーンを理解するとき、自分が経験してきたことを役作りの材料として使うのですが、そうやって演じた役から新たに教えられることがたくさんあるんです。
そして、それが自分の人生の糧になり、学んだことをまた次の作品に生かしていく。俳優という仕事は作品と自分の人生が循環していくのだと。なんて素晴らしい仕事なのだろうと思いました。
映画はど真ん中の席で見たい!
――All Aboutでは取材した方に、最近見た映画、好きな映画館、映画の思い出などを聞いているのですが、河合さんは映画館に行かれることはよくありますか?
河合:はい、よく映画を見に行きます。見たい映画が上映されている映画館へ行くので、ミニシアターもシネコンも行きますが、どちらかといえばミニシアター系が多いかもしれません。
最近は『クレオの夏休み』(フランス映画)を見ました。良かったです。子どもが主人公の物語なのですが、その子が素晴らしくて。どうやって撮影したのだろうと思うくらいでした。
そういえば『クレオの夏休み』を見に行ったとき、劇場に『ナミビアの砂漠』のチラシがいっぱいあったんです。「私がいっぱいいる!」と思って(笑)、1枚いただいて帰りました。
――映画館の座席のベストポジションはありますか?
河合:私は目があまりよくないので、ミニシアターなら5、6列目の真ん中です。シネコンだともう少し後ろかな。でもいずれも真ん中が好きです。端っこだと、スクリーンが斜めになるし、ゆがんで見えるような気がするので選ばないですね。
見終わった後にエネルギーをもらえる作品です!
――では最後に『ナミビアの砂漠』を楽しみにしているファンの方にメッセージを。河合:この映画の取材を受ける中で、いろんな感想をいただきました。主人公のカナに自分を重ねる人もいるし、他者として見る人もいる。でもどちらで見ても楽しい映画です。
ワクワクしたり、ヒヤヒヤしたり、そして見終わった後にエネルギーをもらえる作品になっていると思います。劇場を出るとき、そういう得体の知れないエネルギーに包まれて、「なんかすごい映画を見たぞ」という気持ちになってくれたらうれしいです。
河合優実(かわい・ゆうみ)さんのプロフィール
2000年12月19日生まれ。東京都出身。2021年『サマーフィルムにのって』『由宇子の天秤』の演技で第64回ブルーリボン賞新人賞などを受賞。近年は『PLAN 75』(2022)『少女は卒業しない』(2023)『あんのこと』劇場アニメ『ルックバック』(いずれも2024)。最新作は『八犬伝』(2024年10月25日公開)、NHK連続テレビ小説『あんぱん』(2025年春放送開始予定)。
『ナミビアの砂漠』2024年9月6日より全国ロードショー
カナ(河合優実)は、日々退屈を持て余し、やり場のない感情を抱えて生きている。ホンダ(寛一郎)と付き合いながらも、ハヤシ(金子大地)と関係を深めていくカナ。しかし、次第にハヤシともかみ合わなくなっていき……。カナは自分の居場所を見つけることができるのだろうか。
監督・脚本:山中瑶子
出演:河合優実、金子大地、寛一郎、新谷ゆづみ、中島歩、唐田えりか、渋谷采郁、澁谷麻美、倉田萌衣、伊島空、堀部圭亮、渡辺真起子
撮影・取材・文:斎藤香
ヘアメイク:上川タカエ(mod’shair)
スタイリスト:杉本学子
(文:斎藤 香(映画ガイド))
09/06 20:45
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