ラフ×ラフ12枚目シングル インタビュー前編「新曲は前を向いて頑張りたいときに聴いてほしい」
8人組アイドルグループ「ラフ×ラフ」にとって12枚目となるデジタルシングル『超めっちゃ“キュン”でしょ?』が12月6日にリリースされる。
人気バラエティ番組『ゴッドタン』(テレビ東京系)の12月度エンディングテーマに採用された本作は、TeddyLoidによるサウンドプロデュースと、チバニャンが作詞を担当したことでも話題に。エモーショナルでダンサブルなトラックとアイドルらしさ全開の歌詞の組み合わせは、一度聴けば忘れられないことだろう。
asageiMUSEでは今回、新曲について齋藤有紗・永松波留・藤崎未来・吉村萌南の4人にインタビュー。前編では本作についてはもちろん、メンバーが感じた“キュン”エピソードについても訊いた。強い信念を持って活動する彼女たちの想いとこれからの活動に注目したい。
◆リリースイベントの期間中はライブをしながら成長
――『超めっちゃ“キュン”でしょ?』は、曲調も歌詞もラフ×ラフさんの今までの曲とはまったく違った印象となっています。
永松波留 初めは題名を見て「すごく可愛い曲なのかな」と思って聴いてみたら、フラメンコの曲調が来て(笑)。かっこいい系なのかなと思いつつ、「はーい、みなさん聞こえてますかぁ♪」という歌詞だったり、サビになったら急に可愛くなったり。曲全体を通してどういうものをイメージしようかというのはすごく悩んでいました。
すると作詞を担当してくださったチバニャンさんから、「ラフ×ラフが離陸していてどこに向かっているか分からないけど、そんな中でもがいている感じを曲全体を通してイメージした」と教えていただき、具体的にこうしようというのが定まってきました。いまはリリースイベントを通してみんなのパフォーマンスのレベルが上がり、曲の魅力を少しずつ伝えていけていると思います。
――いまリリースイベントの真っ最中ですが、パフォーマンスの仕上がり具合はどうですか。
藤崎未来 この曲はファンの方も捉え方に悩むんじゃないかなと思っていて、不安ななか初披露を迎えました。でも次のライブの時にはもうコールや手拍子が目に見えてわかる形になっていて。やればやるほど皆さんとの繋がりが深まっていき、楽曲の熱量が上がっていくのを感じています。
リリースイベントの期間中は、ライブをしながら成長していると思います。イベント後にすぐ動画を確認して細かいところを確認したり、ラフ×ラフ全体の練習効率も上がってきて、忙しいなかでもスキルを上げることができているんじゃないかなと。もちろんファンの応援や熱量を浴びているおかげでもあると思っています。
――今作のパフォーマンスでこだわっている点はありますか。
永松 次のライブから新しくやっていきたい箇所として、私の「Wow Wow Wow Yeah♪」のパートでメンバーが肘を突き出す振り付けがあるんです。みんなあげてくよっていう気持ちをファンの方に向ける感じで、一体感がありつつも曲のイメージを壊さないかっこいい振り付けになっています。
藤崎 今まではセンターにいる永松に向けてやっていたんですが、振付師さんから「ファンの皆さんに向かってやるといいかも」と提案されました。そうすればファンと一緒にできるようになるので、さらに熱量が上がるんじゃないかなと期待しています。
――パフォーマンスに関してメンバー同士で相談したり議論したりすることは。
吉村萌南 ノートを1冊作っていて、そこに容赦なく「○○間違ってる」みたいにメンバーのダメなところを書いています。お互いに気が付いたところを共有して、一つずつ修正していくようにしています。
藤崎 「青色(メンバーカラー)ここダメ」とか(笑)
吉村 最近、公式YouTubeチャンネルにダンスプラクティスの動画を上げるようになったので、私たち自身もそれを見て自分で直そうって思えますし、ファンの方も俯瞰して見ることで「この子のここがいいな」と思っていただける機会が増えました。
◆誰かの希望になるコンテンツに私もなりたい
――本作の歌詞でお気に入りの箇所はどこですか。
永松 私は「最強の仲間と♪」という箇所を一人で歌わせていただいています。ファンの方が目の前にいる状況でライブをしているなか、ここだけはメンバーのほうを指さして歌う振り付けになっていて、自分でもそれがしっくりくるなって思っているんです。
デビューして2年、これから3年目というところで自分たち自身もすごく危機感を感じているので、ここで最強の仲間と一緒にリスタートしたい。メンバーと一緒に「全力でTurn it up!!」ってできる、その一歩をできていることがすごく嬉しいし、ここはすごく力を込めて歌っている部分です。
藤崎 私は自分のパートの「傷ついた跡さえも勲章に パッションを感じて踊れ♪」が一番好き。チバニャンさんがラフ×ラフのことをすごく考えて書いてくださった歌詞ですし、私自身、昔のことで傷ついているところがあるから、それを汲み取って私にこのパートを当ててくださったのかなっていう部分が大きくて、より一層自分のパートが好きになりました。
――今年8月、藤崎さんが中学生の時と現在のアイドルの姿を比べたXの投稿が話題になりました。
藤崎 あの顔、自分でもびっくりするくらい顔が死んでいるんですけど(笑)。あまり学校に行けなかった時期で、廊下歩くだけで後ろ指刺されたり、学校に行くのも嫌になっちゃって。そのとき「証明写真撮らないといけないから登校しなさい」って言われて、引っ張り出された時の写真ですね。だから目にハイライトが一切なくて、「なんで学校来てんだろうな」みたいな状態で撮ってました。
その後、中3になって上級生がいなくなってからは先生のサポートもあり、コロナ禍で隔日登校だったのもあって身体が慣れていきました。高校を受験して進学し、だんだん復帰していくときに希望を持たせてくれたのがアイドルだったから、自分もアイドルを目指すようになりました。当時のアルバイト先にアルバイトしながらアイドルしている方がいて、私もこの業界に入ってみたいなってなりました。だから髪の毛も明るくなれば心も明るくなって、みたいな写真ですね(笑)
――当時の藤崎さんのように、アイドルは辛い環境にいる人にとっての救いになりえると感じます。
永松 希望を与える側になっていると思います。
藤崎 何かすがるものがないと頑張れないときってあるじゃないですか。学生のころはそういうものを見つけるのが難しいですし、だからそういった誰かの希望になるコンテンツに私もなりたいなっていう気持ちで活動しています。推しが卒業したらイヤじゃないですか。だから私も卒業しないようにしなきゃって、ふと思いますね。
◆落ち込んでいる自分を鼓舞したいときに聴いてほしい
――歌詞のなかに「Shine on me」という箇所がありますが、これは何が照らしてくれているんでしょうか。
永松 この曲にはライブでやるからこその楽しさや一体感がすごくあると思うので、私たちはファンの方を思い浮かべています。
齋藤有紗 主語がないからこそいろんなものに例えられるのかなって思いますね。
藤崎 希望の光だったりするのかな。「手を伸ばして」という歌詞のあとだったら、手を伸ばしてみる先が光っているのかなって。輝いている場所や未来、希望とか、そういう意味での「Shine on me」。私たちが照らすよ、って意味で歌っているかもしれないです。
――ファンの皆さんにはどういうシーンで本作を聴いてほしいですか。
齋藤 歌詞を読み込んだ時に、過去に辛いことや悲しいことがあっても前を向いて頑張っていこう、周りにたくさん仲間いるじゃん! みたいなイメージを感じました。誰しも全部うまくいってることなんてないから、辛いことがあっても前を向いて頑張りたい、というときに聴いてほしいです。
吉村 この曲には未来に向かって語りかけている歌詞が多くて、落ち込んでいる自分を鼓舞したいときに聴いてほしい。私はアイドルを目指していた時期が長くて、好きなアイドルさんの曲を聴いてからオーディションを受けたり、落ちて悔しかったりときにアイドルさんの曲に慰めてもらいました。だからオーディションに限らずテスト勉強でもなんでも、辛いときに聴いてほしい曲です。
◆ラフ×ラフらしさがちゃんと見えてくるようになった
――今回のリリースイベントも含めて最近は、ファンの皆さんの熱量がとても高い印象を受けます。この一年の活動を通して、その高さは実感されていますか。
齋藤 私たちも挑戦した『TIF×FNS歌謡祭コラボ企画』の期間、この企画でラフ×ラフを知ってくださった方も含めてたくさんの方に応援していただきました。結果は残念でしたけど、その期間ですごく絆は深まったし、「より応援したくなった」って言ってくださる方がたくさん増えました。その熱量がリリースイベントにも重なって、みんなでラフ×ラフを盛り上げていこう、一緒に前を向いて頑張っていこうという雰囲気ができてきた気がします。
――本作も含め、この一年はテーマ性の強い楽曲が立て続けにリリースされたこともあり、新しいラフ×ラフ像が出来てきたようにも感じます。
藤崎 個性という点で考えると、ソロパートが増えてきたっていうのは感じますね。『パッパッ』くらいからソロのパートが出てきて、 それぞれの声質を活かしたものだったりするから個性が見えてきやすくなったのかなって。その影響もあって曲の色が出てきたなって思います。
齋藤 それこそ大喜利の曲やクイズの曲もあるけど、今回の『超めっちゃ“キュン”でしょ?』でかっこいいこともできるんだというギャップを見せたり、『かわいいスイッチ』では可愛い一面もあるんだなとか。持ち曲が増えていくにつれて、ラフ×ラフのいろんな楽しみ方がファンの皆さんもできたのかなと思っています。
永松 今年出た楽曲のイメージは結構バラバラ。プロデューサーの佐久間(宣行)さんとお話させていただいたときに、「どういうものがラフ×ラフに合うのか、今のアイドル界でラフ×ラフが売れるためにどこが一番いいのかっていうのは手探り状態」とおっしゃっていて、そういった考えはやっぱりあるみたいです。
吉村 佐久間さんからはコピー曲を歌わない理由として、グループがまだ何にも染まってない感があるので、あまり他のイメージを付けたくないということを言われていました。今年になって、可愛いに全振りした曲をやってもカッコいい曲をやっても、ラフ×ラフらしさがちゃんと見えてくるようになってきて、それが今年一年やってきて変わったところかなって思います。
◆無自覚!? “キュン”としたこと&させたこと
――『超めっちゃ“キュン”でしょ?』にちなんで、最近“キュン”としたことを教えてください。
吉村 藤崎のキュンとしたことなんですけど、彼女が私にメイクをしてくれることが多くて。リリイベの2部でキラキラのラメをいつも塗ってくれるんですけど、すっごく近い距離でみくちゃん(藤崎)を見られるんですよ。
藤崎 わたし、見られてたんだ!?(笑)
吉村 すぐ近くに顔があってキュンってしています(照)。
藤崎 私はメイクがめっちゃ濃くて、吉村はわりと薄いほうなんですけど。ライブ終わりでラメが落ちちゃった時に「未来のラメ足してあげよう」って思って、(ラメを)べちゃーってやってめっちゃキラキラ!ってさせるのが最近面白くて楽しみになっています(笑)
齋藤 私は(元NMB48)渋谷凪咲さんがすごく大好きで大ファンなんです。それで卒業前の最後となる握手会の券を取っていたんですけど、交通機関とお仕事の影響で間に合わなくて行けなかったんです。本当に残り5分ぐらいのところで入れてもらえなくて、そうだよね……と思って。後日そのことをツイートしたら、渋谷凪咲さんが引用リポストで「今度会った時、握手しましょうね」と書いてくださって。次お仕事でお会いできたら握手するぞっていう目標もできましたし、優しくて“キュン”ってしました♪
永松 高梨(結)とよく一緒に帰ったりするんですけど、私が何気なくしたことに「今キュンってしたわ」って言ってくれることにキュンってします。そういうつもりなくて、さりげなくしたことをちゃんと素直に「今キュンってした」「すごいかっこいい」って言ってくれたときは、「ああ、そう?」って何も感じていないふうに返すんですけど、実は“キュン”ってしています。
――どんなシチュエーションで高梨さんがおっしゃっていたんですか。
永松 一緒に歩いていて道を間違えそうになったときに「こっちだよ」って腕を引っ張ったときとかですね。私はただ、ダメだよってやっているだけなんですけどね。
藤崎 (高梨)結ちゃん天然だからね。ちょっと放っておくとスーってどっか行っちゃったりする(笑)
永松 あと、『恋って線香花火みたい~ニセ取材に本気で答えた恋の歌~』の歌唱中に他のメンバーが台詞を言っているときに、日比野(芽奈)と両手で恋人繋ぎしながらキャーって冷やかすシーンがあって、そこはすごくドキドキします。一度も言ったことないですけど(笑)
吉村 (日比野に)言ったら喜んじゃう!
藤崎 (日比野)芽奈ちゃん調子乗っちゃうから(笑)
永松 くねくねしちゃう(笑)
藤崎 私はキュンという単語自体に「何がキュンなんだろう?」みたいになっちゃうんですけど、極端なお話をすると、普通に少女マンガを読んでいるときにキュンってしているのかな。最近『君に届け』(集英社)を全巻買って、「これが普通の恋愛ってやつか!」って(笑)。私には恋愛とか人と人の関わりがなんか難しかったりするんですけど、『君に届け』を見ると「普通の学生はこんな恋愛をするんだな」って思いながら、「よし、アイドル頑張るか」ってなってるかな(笑)
――皆さんがファンの方に“キュン”としてほしいときに、していることはありますか。
永松 これ知られると恥ずいよね(笑)。パフォーマンス中だと、ウインクみたいに「あなたを見てるよ」って伝わるものとかはすごく多いですね。ラフ×ラフのファンクラブには、私たちが何かを発信してそれに返していただける場があるので、唐突にすっぴんの写真だったりお風呂上がりの写真だったりを送ってみたり。そういう特別感というか、“キュン”って思ってもらえるかなって思いながらやったりしています。
吉村 私のファンには特徴的な方が多いので、ステージ上でその人にまつわるポーズをして「見てるんだよ。気づいてるからずっと見ててね」っていう気持ちでやっています。
一同 キャー!
齋藤 ファンの方がたくさんいるなかで「絶対この人のことを今思い浮かべてこのポーズしたんだよな」って分かるくらいやっていて、尊敬します。
吉村 え! バレてる!? ヤバ!(汗)。あとは催眠術みたいなものがあるので、初見の人にも指差しはよくやっています。
齋藤 長い時間、目を合わせたりするのはすごく心がけています。ちょっと時間が長いと一緒の時間を過ごせている感じで特別感も出ると思うので、そういうところにキュンしてくれたらいいな。
藤崎 私はいろんな場面で“この辺の人を見る”っていうのを決めてます。『laughing!』でトンネルをくぐる振り付けのあと、ちょっと時間が余るんですよ。そのときに私の方向にいる方をずっと見るんです。一瞬だと気のせいって思っちゃう方が多かったりするので、やっぱり時間をかけたほうがいいなって。そのファンの人がどんなに真っピンクで(日比野)芽奈ちゃん推しだったとしても、絶対に「こっちを向かせるぞ!」っていうつもりでめっちゃ目線を送っていますね。なかには特典会で「すごい長い間見てくれたから来ちゃった」という方もいたりします。
(取材:柳澤杏奈/撮影:Issey Nakanishi)
【12thシングル リリース情報】
◆タイトル:超めっちゃ“キュン”でしょ?
◆発売日:2024年12月6日(金)
◆形態:Mカード8種(RL24-1201〜08) 1320円(税込)
12/04 08:00
asageiMUSE