向井理主演「ダブルチート 偽りの警官 Season1」会見詳報 まるで「デスノート」台本どおりの詐欺が現実に!

俳優の向井理が主演を務め、26日にスタートする「ダブルチート 偽りの警官 Season1」(テレビ東京、毎週金曜午後8時、初回15分拡大)の記者会見が都内で行われ、向井のほか、内田理央、荒川良々、結木滉星、伊藤淳史ら主要キャスト5人が参加して、作品に込めた思いや撮影現場の雰囲気、裏話などを語った。

同局とWOWOWが初めて共同で製作する連続ドラマで、向井演じる交番勤務の警察官、多家良啓介が詐欺師を欺く詐欺師「K」として暗躍するクライムサスペンス。内田が演じるのはKの正体を追う警視庁捜査二課・特別捜査室6係の特別捜査官・宮部ひかり、荒川が表向きはクリーニング店を営むKの相棒・矢柴等役を務め、結木はひかりのバディーで統括主任を務める警部補・山本貫太役、伊藤はひかりたちの上司で捜査二課課長の警視正・岩合拓真役で出演する。

冒頭、向井がチームワークの良さを強調したうえで、Season1の撮影が終盤に差し掛かっていることを明かした。WOWOWで製作が決まったSeason2を見据えつつ、「ちょうど中間地点のような状況」と撮影が順調に進んでいることを報告すると、質疑応答に進んだ。

「ちゃんとしろよ、荒川!」向井のツッコミに会場爆笑

――演じているキャラクターの見どころ、注目してもらいたいポイントは?

向井「毎回異なるゲストの俳優陣が演じる詐欺師が出てくるなかで、多家良は相手となる詐欺師にとって魅力的な、欲望をくすぐるような職業に毎回変装して、それぞれ違うメガネを選ぶんです。最初は楽しかったんですけど、だんだん苦痛…苦痛じゃないな(会場笑)引き出しがなくなってきて…。いろんな職業を演じるなかで、自分としてもお芝居をいろいろ変えたり工夫をして、各話ごとの違いを楽しんでいただけるように演じています。メガネだけでなく、衣装、時計、カバンや指輪などの小道具の使い分けにもこだわりました」

内田「宮部ひかりは元銀行員の新米捜査官で、誰よりも正義感が強く、被害に遭った人を助けたいと気持ちがすごく強いんですけれど、そんなひかりが、詐欺師の顔を持つ多家良とどうかかわっていくのかが見どころです。ちょっと火が消えかかっている捜査2課にひかりの影響でまた熱い気持ちが戻ってくるところも楽しみにしていただけたら」

荒川「僕は皆さんとほとんど何も絡んでないんですよね」

――基本的には向井さんとのシーンが多いですよね

荒川「もう、向井さんに注目、ですね」(会場笑)

向井「ちゃんとしろよ、荒川!」(会場笑)

荒川「向井さんとのバディー感、出していってると思います」(会場笑)

結木「山本は常に冷静で仕事のできる男なんですが、かつての先輩だった多家良の影響をすごく受けていて、2年前といまの山本のギャップを見てほしいです。警察官の役はこれで3度目になるのですが、これまでの熱血漢やおとぼけのキャラと違って、今回はすごくクールなので新たな一面として見てもらえたら。回を重ねるごとに人間味があふれてくるので、そこも魅力ですね」

伊藤「出番があまり多くはないんですが、毎回どこか遠くを見つめるとか、いろんな人の過去や事情を知っていそうな顔をしている場面があるので、その辺を楽しんでいただれば」

制服警官姿の向井に町のおじいちゃんが…

――撮影中の印象的なエピソードは?

向井「台本はけっこう前にもらって読んでいて『こんなことあるんだ』と思ったら、何日後かにその台本どおりの詐欺事件が現実の世界で起きるという、ちょっと『デスノート』的なことが起こったんですよ。だから『あの事件、あの詐欺をモチーフにして書いた』って思われたくないですね。(会場笑)こっちが先! だいぶ前に撮ってるし、なんなら構想自体はもっと前なので。同じようなことが3、4件あって、それくらい生々しいので、こちらもリアリティを持って演じないといけないと思ってやっています」

内田「向井さんと交番で撮影していた時に、通りすがりのおじいちゃんが本当に向井さんのことを警察官だと思って道を尋ねてきたことがあって、町の人に本当に警察官だと思われるぐらいになりきってて、すごいと思いました」

向井「本物の交番は撮影で使えないので、交番に似た建物なんですけど、本物の警察官の方が交番だと思って、『こんなところに新しい交番できたんだ』って見に来たこともありましたね」

荒川「そんな面白いことあったんだ。(会場笑)こっちはずーっとアジトなんですよね、人と全然会わない。暗い、煙焚いた部屋でずーっと…(会場笑)。全然外出てないです」

結木「2月からクランクインして、花粉症の自分にはきつい時期で、内田さん伊藤さんと3人のシーンでくしゃみが出そうになってしまって、本番中に。僕はしゃべらないんですが、おふたりがしゃべる真剣なシーンなので迷惑かけられないと思って、めちゃくちゃ我慢して。カメラに背を向けた構図だったので、こんな顔して我慢して、最後カットの声がかかったその瞬間にくしゃみしたということがありました」

伊藤「覚えてます。覚えてます。『すごく変な顔してるな』と思ってました」

「どこでも自転車で来る」共演者にビックリ

――多家良は警察官と詐欺師の2つの顔を持っていますが、共演者の方が普段あまり表に見せない、もう一つの裏の顔を教えてください

向井「良々さん、これが裏の顔だと思うんですよ。共演回数より、居酒屋で会う回数のほうが今まで多くて、飲み屋での顔が表の顔だと思うので、あんな饒舌な…」

一同「えー!」

向井「あれが表で、いま裏です。いま晒してます」

荒川「僕もあります。初回のゲストが勝村政信さんなんですが、どこでも自転車で来る」

一同「えー!」

荒川「ママチャリで、すごく遠くまで自転車で来てた印象があります」

向井「良々さんも自転車で来ますよね」

荒川「僕も、近くの時は自転車で行きます。でも僕は生意気にも電動自転車なんですが、勝村さんは普通のママチャリで…お金がないのかな?」(会場笑)

向井「ひどいな、そんな。いない人のことを」(会場笑)

「あぶ刑事」とタカトシ混同した荒川にまた向井が…

――演じている皆さんにとっての本作の魅力は?

向井「僕も悪役をやる時ってすごく楽しかったりするんですが、悪役を演じるゲストの方々が、人間の悪い部分を表に出しながらやってくれるので、見ていて楽しそうだなと感じますし、相手が悪ければ悪いほどこちらとしても詐欺し返すやりがいにもなるというところにも魅力を感じますね」

内田「詐欺師を騙す詐欺師のKを見ていると、何が正義で何が悪かだんだんわからなくなってきたり、考えさせられる内容なのが面白ポイントで、そこにまっすぐぶつかっていくひかりの中でも何か考えが変わったり成長するところです」

荒川「セリフがけっこうハードボイルドなんですよ。いまちょうど昼間に局は違うんですが、『あぶない刑事』を再放送していて、これ、『あぶない刑事』じゃないか?と。どちらがタカかトシかわかんないけど…」

向井「タカとユージじゃない? それじゃ芸人さんだよ」(会場笑)

荒川「タカとユージだ、ごめんなさい」

結木「正義のあり方がテーマになってると思うので、視聴者の皆さんが自分の中で大切にしてる芯の部分、それを模索し続けることの大切さを、このドラマを通してお伝えできたらと思います」

伊藤「警察官と詐欺師の2つの顔を持つ人が本当にいるんじゃないか、いてくれたらいいなと思っちゃうぐらい、キャラクターがはっきりしていて、視聴者の皆さんにもそう感じて楽しんでもらえたらと思います。個人的には出演場面が限られているので、多家良の詐欺師の顔も知らないし、当然荒川さんの芝居も全く見てないですし、台本は読んでるんですけど、オンエアで初めて見ることになるので、いち視聴者としても楽しみたいです」

だまされる人は「幸せ」と感じている

――詐欺を題材にしたドラマで役を演じるにあたって勉強になったことや学んだこと、今後に生かそうと思ったことは?

向井「詐欺師を演じるということを頭に入れながら日々生活して、詐欺事件に対して敏感になってるからこそキャッチする情報がそっち寄りになってるのかもしれませんが、本当にいろんな種類の詐欺が日々報道されていて、けっこう近い距離にあるものなんだと思うようになりました。詐欺って、嘘をつくわけですが、だますのがうまい人って嘘ついてると思わせないですよね。堂々としてるというか変に説得力があって。スーツや時計、名刺という外見にだまされる面もあると思うんですが、あんまりそれを信じちゃいけないと思うようになりましたね。逆に演じるうえで嘘をつく場面では、自分は嘘ついてますよというお芝居は絶対しちゃいけないなと思いました。この人怪しいなと思わせない何かがないと、何十人、何百人から投資させるような大きな詐欺ってできないと思うんです。後ろめたさを全く感じさせない人じゃないと詐欺師にはなり得ないだろうと思います」

内田「おばあちゃんが墓じまいの詐欺にだまされるエピソードがあるんですが、こんなものもあるんだってびっくりして。私のおばあちゃんにも連絡して『見てね』と注意喚起として伝えました。これを見たらだまされづらくなるんじゃないかなと。小さい詐欺から本当大きいものまで出てくるので勉強になると思います」

荒川「最初にこのお話いただいて、監督と話す機会があったんですが、詐欺の先生がいるということを知って、だまされている方がうそと気付くまでは幸せなことだと感じていて気づかないという話をうかがって、なるほどそういうことなんだと思いましたね」

結木「このドラマがいろんなパターンの詐欺のやり方を知る教本というか、有益な情報になればいいなって思うし、実際にだまされそうになったり怪しいと感じた時にとにかく一人で抱え込まず、誰かに相談したりして、少し疑うことを覚えたほうがいいと思いました」

伊藤「人は信じない方がいいってことかな。そんなにネガティブな人間じゃないですけど、あんまり信じすぎずに付き合いを構築していくってことは大事なのかなと。ちょっと疑ってかかるぐらいでいれば、だまされても、こんなこともあるなと思えるかもしれないし。そういう人がより時間をかけていい関係を築けていけたらより親密になれるだろうし、そういうふうに心がけていけたらなと思いました」

向井の隠れたスキルに一同「えー!」

――自分には人を見抜く力があるか、YesかNoで答えたうえで、あるという方はどんな場面でそれを感じたか、ないという方は日常生活で欲しいと感じたことはあるか、聞かせてください。

向井「Yes。僕、この仕事をする前、飲食店で働いていて店長とかやってたんですが、男性2人女性2人の4人組で来店した時に、どちらの男性が払うかをだいたい見抜いてました」

一同「えー!」

――見抜く時のポイントは?

向井「会話の内容は聞けないですが、表情とか仕草でどちらが先輩か、どちらが誘ったかというのは遠目で見て感じられました。お会計って一番最後にするもので、失敗するとお店の印象が悪くなる可能性があるので、スマートに行きたいなと思って、すごく人間観察してました」

――ほかの皆さんはNoということですが…

内田「けっこうだまされやすいと思います。数年前も普通の家庭用のWi-fiを契約したかったんですが、100人同時につなげられるみたいな、一人暮らしなのに会社とかで使うようなのを契約しちゃって、だまされました」

結木「電車の中で、次に降りそうだと思う人の前に立つんですけど、ことごとく外します」

向井「それ、さっきの打ち合わせで僕が言ったやつ…なんで言っちゃうの!(会場笑)僕はだいたい当たります。それ以外は見抜けません」

伊藤「不動産王になりたい」

――多家良は詐欺師として、いろいろな顔を演じ分けていますが、皆さんが今の仕事以外で興味のある職業、やってみたい仕事はありますか?

向井「僕は飲食店に勤めていたこともあったので、接客業が好きで。もともとは人見知りを直したくて始めたんですが、意外とこう注目するところがたくさんあったり、いい接客って何なんだろうってすごく考えるようになっていったので飲食店は好きです。この仕事してなかったら、多分そのまま飲食の仕事を続けていたと思います」

内田「私は学生の時にバイトでクッキーを量り売りするお店で働いていたんですが、割れてしまって売り物にならないクッキーは全部持って帰れたので、なんてすてきな仕事なんだ、よければずっと働きたいってその時思って。この仕事してなかったらずっとやっていたと思います」

荒川「ないですね。今の仕事がありたがいですよね」

結木「僕は医者になってみたいです。小さい頃からサッカーをやっていて、怪我をした時、直接的に救えるじゃないですか。救う仕事ってかっこいいなと思って」

伊藤「不動産王になりたいですね。引っ越す予定もないのにひたすら物件情報見るのが大好きなんですよ」

向井「ああ、それはわかる」

伊藤「自分が住むことをシミュレーションしたり、今の相場より安い新着物件が来たなみたいことを夜中に見てたりするので、もし資金が大量にあったら、買って売って貸してみたいな…」

向井「土地ころがしみたいだな…」(会場笑)

「身近にある悪を知り、警戒したり自分で調べたりする手助けになれば」

――皆さんの中に眠る小さな正義はどんなことですか? たとえば、椅子を戻さない人が嫌だったりだとか、道路や公衆の場にゴミを捨てる人が許せない、自分が気をつけていることでも構いません

向井「人に迷惑をかけないことを心がけているので、注意したりしますね。相手が知らない子供であっても『あぶないよ』って言ったり。昨日かな、コンビニ行こうと思って、ちょうど同じタイミングで、ある方が自転車を駐められたところが自動ドアの目の前で、『さすがにここはちょっと避けた方がいいんじゃないですか』って普通に言いました。もちろん言葉遣いは気をつけますよ。初めての方だし、存じ上げない方なので、失礼のないように心がけますが、基本的に自分もそうなので、なるべく人に迷惑かからないようにっていうのは、角が立たないように言い方を考えて…」

内田「私も以前、空港の税関で200人ぐらい並んでる時、ちょうど私の目の前に割り込もうとする人がいたんですよ。自分1人だったら言えなかったかもしれませんが、その時は私が言わないと後ろに200人の人がいる、(自分がその)代表だと思ってちょっと頑張って言いました」

荒川「食べ物を残さない。食いきれないなと思ったらラップとかに包んで持って帰ったりします」

結木「陰口を言わないように心がけてますね。いいことじゃないし、いい思いをする人がいないじゃないですか。自分も完璧ではないんでしょうけど、言わないように心がけています」

伊藤「信号を守る!(会場笑)いや、これ当たり前なんですけど…」

向井「最後まで聞こう」

伊藤「子供がいまして、交通ルールを守ることを徹底させているので、夜中の一人の時とかの押しボタン式信号とかで押さないで渡る人がいたりしますけど、自分は絶対に押して必ず待つし、どれだけ急いでいても必ず信号を守る。子供の前でだけいい顔するんじゃなくて、自分守っていかないと」

――最後に視聴者に向けて向井さんからメッセージを

向井「詐欺を題材にしたドラマではありますけれども、決して詐欺を撲滅したいという大義名分があるわけではなくて、エンターテインメントとして、フィクションとしてつくっていくなかで、こういう詐欺があり、被害に遭った人がいるんだと少しでも身近にある悪いものとして詐欺を感じていただければ少しでも警戒する気持ちにつながったり、特にいま膨大な情報を浴びる時代になっているので、受け身ではなく、自分で調べて選択してもらえるような手助けになればという思いもあります。エンターテインメントとしてもいろいろな詐欺の手法やお芝居を見て単純に楽しんでいただける爽快感もあると思っています。連ドラとしては8話まで行きますが、WOWOWのほうでは違う展開になっていったり、僕も最初思っていたのとはいい意味で違う方向性のハードボイルドさが現れたり、こういうハードな作品になっていくんだなという楽しみ方もありますので、金曜の夜8時に気軽に見ていただける作品として、最後まで、そしてWOWOWのほうまで楽しんでいただければありがたいです」

ジャンルで探す