永瀬廉×松田元太対談 許されぬ恋路を行く若者を演じての感想を告白  テレビ朝日「東京タワー」

テレビ朝日系で土曜の夜11時から放送している「オシドラサタデー」枠。4月期の作品は、江國香織さんの同名恋愛小説が原作の「東京タワー」だ。2005年に黒木瞳と岡田准一のコンビで映画化され大ヒットしたこの作品で、King & Prince・永瀬廉が本格的なラブストーリーに初主演し、早くも話題を呼んでいる。今回、20歳以上年上の人妻との危うい恋模様を繰り広げる主人公の医大生、小島透と、彼の友人でやはり人妻との恋に身を焦がす大学生の大原耕二を演じるTravis Japan・松田元太の対談が実現。劇中では常に冷静な透とハイテンションな耕二だが、対照的な役柄を演じる2人の本当の関係とは?

――撮影現場で感じている、お互いの魅力を教えてください

永瀬「元太は現場を和ませる力がすごいというか。発言も思わずツッコミたくなるような、クスッと笑えるものが多くて、元太みたいな人はどこでも愛されると思います。撮影していても、一つひとつのリアクションが大きくて、物語の中でアクセントになるんです。なぜか、いきなり壁に頭をぶつけたこともありました(笑)。それがエンターテインメントなのか、ガチなのかよくわからないですけど、そういうことを自然とできる人って、いるだけでその場を明るくしてくれると思います」

松田「ありがとう! 廉は俳優としても、座長としてもストイックだなって感じます。撮影が終わるごとに監督とモニターでチェックして、透としての居方や見え方を自分自身の中で細かく構築していて、さらに監督としっかりコミュニケーションを取っているんです。そういう取り組み方は勉強になるし、すてきだなって思います。自分が何かしらアクションを起こすと、ちゃんとツッコんでくれて、それは廉と松田としてもだし、透と耕二としてもだし、友達同士の空気感をすごくリアルに丁寧に描けてるのがいいなと思っています」

――おふたりは今回、人妻と許されない恋に落ちる大学生を演じています。それぞれが思いを寄せる詩史(板谷由夏)と喜美子(MEGUMI)のどんなところに魅力を感じますか? また、どんなところが愛しいですか?

永瀬「詩史さんは所作がとても美しいんです。透は詩史さんの紡ぐ言葉も好きだと思いますし、永瀬廉として詩史さんのセリフを聞いていても惹かれる理由がわかるというか。スローペースで話したり動いたりする、その余裕のある感じもすてきですね」

松田「喜美子さんは詩史さんとはまた違う余裕があって、大人の女性としてすごくすてきなんです。演じるMEGUMIさんの一つひとつの表情も魅力的です。感情をぐっとこらえているかと思ったら、一気にさらけ出すときもあって、感情に波がある感じ、テンション感がいいなって思います。MEGUMIさんとはお芝居を通して、いろんなキャッチボールをさせていただけて、それも楽しいです」

――ご自身とそれぞれが演じている役に共通点はありますか?

永瀬「透の詩史さんに想いを寄せてからの感情の動きは理解できます。僕も好きなものがあったら、時間を削ってでもそのこと集中するときがあるので。それがアニメだったりするんですけど(笑)。好きなもの、ハマったものに対する熱中度合いは、自分と共通点があると思います」

松田「僕は共通しているところはないかな…。耕二を演じる上で、松田元太のこういうところを出したい、というより、ドラマを観てくれる人たちが『こういう耕二って面白いな』と思ってもらえたらいいな、という気持ちで演じています」

――松田さんならではの耕二とは?

松田「わかりやすいところだと、リアクションが大きい感じとか。きっとインタビューで『役との共通点は?』って聞かれると思ったんですけど、僕からしたら、耕二のテンション感って、ちょっと大胆な人だと思うんですよ。日本語が下手なんで(笑)。うまく説明できないので、耕二と共通点があるって言わないようにしています。だから、原稿に『こういうところが共通しています』って書いてあったら怒りますよ!」

永瀬「なんで怒るんだよ(笑)。もっと日本語を頑張れ」

松田「いや、難しいよ。語学は!」

永瀬「日本語でしょ。母国語でしょ(笑)」

――では、永瀬さんなりの透像というのもありますか?

永瀬「根底として透は、そこまで人と関わることに熱を持っていない人です。人に対しての興味が低いというか。耕二はグイグイくるから親しくなった感じで、セリフにもあしらっているときがあるし、耕二とのコントラストを出すため、落ち着いたテンションを意識することはあります。一方で、透は内に熱いものを秘めているので、詩史さんに対して揺るがない想いがあることを、節々で表現できればいいな、と思っています」

――端から見ていて、永瀬さんは透と、松田さんは耕二と共通点はあると思いますか?

永瀬「耕二には元太のいいところがいろいろ反映されていると思います。ちょっとおっちょこちょいで笑わせてくれて、それでいて男らしいところを持ち合わせているし。役本人と役に近さはあると思います。耕二は耕二ですけど、節々に元太の良さが出ていますね」

松田「廉のまっすぐなところが透に生かされていると思います。一見冷めているように見えて、心の中に熱いものを持っている感じを廉が演じるとすごく美しいんですよ。普段、廉から感じるストイックさや情熱的な部分が役とリンクしているのかな、と思います」

――お互い息は合わせやすいですか?

松田「息ぴったりだよね!」

永瀬「ぴったり…かな…」

松田「嘘だ! ぴったりだって!」

永瀬「フィットか。フィットしているか」

松田「ふたりで話をしていても、深く考えないで会話をしているから、良い意味で適当というか、ストレスなく会話ができています。それがすごく楽。これぞ男友達って感じで」

永瀬「端から見たら、僕らの会話って意味をなしてないんですよ(笑)。どんどん話がズレていって、でもそれを直すことなく話を続けているから、会話というより騒いでるという感じが近いかもしれないです」

松田「でも、それが心地いいよね」

永瀬「そもそも元太と会話している意識はないです(笑)」

松田「えー、うそ! めっちゃ会話してると思っていた」

永瀬・松田 (笑)

松田「まあ、いつもこんな感じです。廉とは今後、何かしら新しいことができたら、と思います。ユニットを組むとか」

永瀬「急にそんなこと言い出す! アーティストとしての活動で!?」

松田「俺だってスタジアムライブで、(King & Princeのように)花火を上げたかったもん」

永瀬「マジですごかったよ。1万3000発ぐらい上げたから」

松田「このドラマをたくさんの人が観てくれて、廉とのコンビが評判良かったら、2人でパフォーマンスをするのもいいなと思って。ねっ!」

永瀬「いいんじゃない」

松田「冷めてるなー」

――今回はドラマ初共演で親しい関係を演じています。それぞれに対して改めて発見したところはありますか?

松田「休憩中に“絵しりとり”をしたんですけど、廉は絵が下手でした(笑)。でもその下手さが好きになっちゃう下手さというか。思わず、携帯で廉の絵を記録しちゃいました」

永瀬「癖になっちゃった?(笑)。元太は演技の面だけでなく、見た目にもすごくこだわっていて、サングラスがあったら監督さんに『頭にかけてもいいですか?』と提案したり、ヘッドホンを首にかけてみたり。演じる役のことをいろんな角度から探っているのが伝わってきて、仕事に関してはしっかりとした考えの持ち主で、『こうしたい』っていうものがある人だとわかりました」

――なぜ絵しりとりが始まったんですか?

永瀬「ノートを取る場面で、何となく絵を描き始めた感じです。10回ぐらいやりとりをしたと思います」

松田「廉は絵しりとりで何が大切か、わかってないと思う」

永瀬「何で?」

松田「絵しりとりって、伝えたいものを大きく描かなきゃいけないのに、例えば“ら”でライトセーバーにしたとき、ライトセーバーを持ってる人間をめちゃくちゃ大きく描いてた。それだと、“ライトセーバーを持ってる人”になっちゃう」

永瀬「元太はそういう絵のほうが、伝わると思ったんだけど」

松田「ありがとう。俺に合わせてくれたんだ。全然気がつかなかった(笑)」

――この作品で注目してほしいポイントは?

永瀬「物語の大事なところで東京タワーがバックに映るんです。いろんな“表情”の東京タワーを見ることが出来て、透の心情とマッチしてるかのような親和性があるんです。モニターで見ていても、東京タワーの美しさに目が奪われるときがあります。きっと、この作品をご覧いただくと、より東京タワーが好きになるはずです」

松田「登場人物の何気ない表情が強く印象に残る、インパクトのある作品になるような気がします。例えば、耕二がニヤッと笑う場面があって、『なぜこんな笑い方をしたんだろう』って引っかかると思います。そういう、みんなが浮かべる表情に注目すると、よりドラマが面白くなると思います。あと耕二としては、映画版で松本(潤)くんが演じていた耕二が、ジャグジーでザクロをかじるんです。ドラマでもどこかでフルーツをかじりたい!」

永瀬「あ、あの場面か。ジャグジーに浸かりながらザグロ」

松田「そう、“ジャグロ”(笑)」

永瀬「元太なら南国系のフルーツでもいいかもよ。ココナッツとかマンゴーとか」

松田「ココナッツにストローを差して飲むの? 話が変わってこない?」

永瀬「プライベートでやったら? ジャグジーのあるホテルに1人で泊まって、ジャグジーでザクロをかじっているとこを自撮りして、SNSにアップするのは?」

松田「検討します」

永瀬・松田(笑)

永瀬「透と母親の陽子(YOU)さんとの関係も見てほしいです。陽子さんがめっちゃすてきなんですよ。台本だとちょっと冷めた親子関係かなと思ったんですけど、実際にYOUさんとお芝居をしていると、母親としての愛情がすごく伝わってくるんです。だから透もなんだかんだいって母親を大切に思っているのが伝ってきて、YOUさんが演じるからこそすてきな母親の陽子さんが大好きになりました」

――撮影中のYOUさんの印象は?

永瀬「めちゃくちゃ自由ですよ。見ず知らずのエキストラさんの背中にもたれて休憩しているんです(笑)」

松田「それはすごい!」

永瀬「知り合いなのか聞いたら、『今日初めて会った人』って言うから、『そんなことしちゃダメですよ!』って僕が引き離しています(笑)」

――現場の和やかさが伝わってきます。永瀬さんも松田さんも現場で楽しく過ごされているのですね

永瀬「元太は現場でちょくちょく、Travis Japanの“TJポーズ”をするんです。あれはもういいかな(笑)」

松田「なんで!」

永瀬「最初は『うわ、本物だ!』って思ったんだけど、もうお腹一杯」

松田「でも、なかなかポーズを覚えてくれないよね。だからポーズし続ける!」

永瀬・松田(笑)

《プロフィル》 永瀬廉 1999年1月23日生まれ。東京都出身。King & Princeのメンバーとしても活動中。最近の出演作は「夕暮れに、手をつなぐ」(23年、TBS系)、「ラストマン-全盲の捜査官-」(23年、TBS系)、「厨房のありす(24年、日テレ系)、映画「法廷遊戯」など。主演ドラマ「余命一年の僕が、余命半年の君と出会った話」が配信予定(Netflix)。King & Princeが 5月23日に発売する新曲「halfmoon」は「東京タワー」の主題歌としてオンエア中。

《プロフィル》 松田元太 1999年4月19日生まれ。埼玉県出身。Travis Japanのメンバーとしても活動中。最近の出演作は「結婚予定日(2023年、毎日放送)、「ゼイチョー〜『払えない』にはワケがある〜」(2023年、日テレ系)など。4月より、フジテレビ系バラエティ番組「ぽかぽか」に月曜レギュラーとして参加。



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