『救命病棟24時』プロデューサーが明かすドリカムの主題歌『朝がまた来る』制作秘話 「スタッフ全員がこれだ!と顔を見合わせた」

江口洋介(左から3人目)、松嶋菜々子(右から2人目)主演の『救命病棟24時』は第5シリーズまで続く人気作に。第1シリーズの主題歌『朝がまた来る』は70万枚を超えるヒットを記録

 今年結成35周年を迎えた、吉田美和(59才)と中村正人(66才)からなるバンド「DREAMS COME TRUE(以下・ドリカム)」。印象的なドラマの主題歌を数多く担当しているドリカムが、第1シリーズから第5シリーズまですべての主題歌を手掛けたのが、フジテレビ系ドラマ『救命病棟24時』だ。その最初の主題歌となった『朝がまた来る』は、どのような経緯で生まれたのか──。『救命病棟24時』第1シリーズの元プロデューサーである河合徹さんに、お話を聞いた。

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 このドラマについては、企画段階から一緒に動いていた先輩のプロデューサーが、実は何年も前から、

「ぜひ主題歌にドリカムさんを」

 とお願いしていた経緯がありました。その熱意が実り、実現に至ったわけです。

 当時、吉田さんと中村さんはニューヨークで活動されていたので、私と先輩の2人で2泊4日の強行日程を組み、渡米したのをよく覚えています。ドラマによっては既出の曲を主題歌にすることもありますが、このときは書き下ろしをお願いしていたので、ドラマのイメージをしっかり説明する必要がありました。

 数か月後、おふたりが一時帰国されたタイミングで、2曲のデモ音源を中村さんのスタジオで聴かせていただきました。1曲目はとても重厚な曲でした。救命病棟が舞台で、シリアスな場面もあることを鑑みて制作してくださった曲です。これが後に『三日月』という曲になり、ドラマの挿入歌に使われることになりました。

 次におふたりが、

「ドラマのイメージに合うかわからないけど……」

 と言いながら聴かせてくださったのが、『朝がまた来る』です。まだ歌詞がなく吉田さんのスキャット(歌詞の代わりに、「ラララ」や「ルルル」など、意味のない音や擬声語などで歌うこと)だけでしたが、明るく前向きかつ、希望が感じられるメロディーで、そこにいたスタッフ全員が「これだ!」と顔を見合わせました。

 その後完成した歌詞には、医療現場の人たちの思いが反映されていて、スタッフ一同感激しました。オンエア後は各方面から、

「主題歌もすごくいいね」

 という声をいただき、うれしかったですね。主題歌とドラマのイメージがぴったり合い、相乗効果でどちらも話題になるという理想的なパターンはそうそうありません。本当に奇跡の出会いでしたね。

取材・文/植木淳子

※女性セブン2024年11月28日号

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