初共演・天海祐希もハイテンションに! “木村拓哉の相手役”が「背負うもの」と「格別な体験」

ドラマ『Believe -君にかける橋-』で木村の妻役で初共演

 つねに注目の的となるのは木村拓哉(51才)主演のドラマ。そして、その木村の相手役も同様に注目される。そこで、歴代の木村主演ドラマの相手役について、コラムニストで放送作家の山田美保子さんが綴る。

【写真】木村拓哉演じる土木設計家のスーツ姿。他、これまでの妻役たち(中山美穂、松たか子も)

キャリアウーマン役が圧倒的に多い天海サンの妻役はとにかく新鮮

 4月25日にスタートした木村拓哉サン主演のテレビ朝日開局65周年記念ドラマ『Believe -君にかける橋-』。

 事前に木村サン本人が自身のインスタグラムのストーリーズでドラマを告知したり、木村サンの役が土木設計家だったり、木村サン主演のドラマ『BG〜身辺警護人〜』(テレビ朝日系)のスタッフが再集結したりと情報が小出しにされてはいたものの、しばらくPR動画に木村サン以外のキャストの姿はありませんでした。共演者が勢揃いした新ビジュアルが公開されても、木村サンを中心に並んだ8人の男女は後ろ姿で……。そのため、ずいぶんこじらせられたものです(苦笑)。

 それが4月18日、都内で行われたキャスト登壇イベントでやっと木村サン演じる狩山陸の妻・玲子が天海祐希サン(56才)であることや、ほかに竹内涼真サン(30才)、山本舞香サン(26才)、一ノ瀬颯サン(27才)、上川隆也サン(58才)、斎藤工サン(42才)、小日向文世サン(70才)ら豪華すぎるキャストが判明。VTRでは北大路欣也サン(81才)からのメッセージも届きました。

 開局記念ドラマだけあって、テレ朝や木村サンに縁のある面々が目立ちましたが、なかでも注目を集めたのが妻役の天海祐希サンです。

 ネットニュースでは「ご満悦」とか「大はしゃぎ」などと木村サンの妻役を喜ぶ天海サンの様子が伝えられ、まだそれほど多くはない共演シーンについて「すごく濃密な時間」と表現しています。さらに「熱量とエネルギーと現場を引っ張る力、役柄に没頭する力は並外れたものがあって、私もその勢いにグンと引っ張っていただけている」と座長・木村サンを絶賛し、改めてコーフン気味な天海サンでした。

 ともに多くのドラマに主演していますが、共演は初めて。シングルのキャリアウーマン役が圧倒的に多い天海サンの妻役はとにかく新鮮ですよね。それにドラマ通にとって、天海サンの傍らには丸山智己サン(49才)がいらっしゃる印象も強いため、木村サンとのツーショットにはまだ慣れていません。

 天海サンはさらに「2人のシーンとかでも、たぶんあまり見たことがないような表情をされていると思う」と、お2人の化学反応も“予告”なさいました。ちなみに今回、天海サンは看護師長役でもあります。

 20代や30代、フジテレビやTBSの連続ドラマで主演を張り続け、歴史に残る高視聴率を記録し、社会現象まで起こしてきた木村サンがテレ朝のドラマ班とタッグを組んだのは2015年4月期の『アイムホーム』。妻役は上戸彩サン(38才)でした。すごく覚えているのは、会見の際、上戸サンの妊娠が明らかになり、木村サンが本当の夫のように“妻”をねぎらっていらしたことです。

 そして3年後の1月期の『BG〜身辺警護人〜』で木村サンの元妻を演じたのは山口智子サン(59才)。すでにテレ朝のドラマ班と良好な関係を築いていらした木村サンに、エグゼクティブプロデューサー(当時)の内山聖子さんが「(妻役は)誰がいい?」と尋ねた話は有名です。

 山口サンといえば、木村サンが主演街道を歩み出す大きなきっかけを作ったとも言うべき『ロングバケーション』(1996年・フジテレビ系)で恋人役を演じたかた。いまでも、お2人のシーンを真似したり、“聖地”の思い出話に花を咲かせる視聴者が大勢いらっしゃる、まさに社会現象だったのです。

 その山口サンを元妻役で木村サンとの再共演を実現させたテレ朝ドラマ班には「ありがとう!」ですよね。

NHK紅白歌合戦や朝ドラ、大河ドラマのような注目度

 続いて思い出されるのは1997年10月期に松たか子サン(46才)とW主演した『ラブジェネレーション』(フジテレビ系)。W主演つながりでは1998年10月期に放送された中山美穂サン(54才)との『眠れる森』(フジテレビ系)も印象的でした。

 この頃、お2人に対する視聴者のマインドは、「このままつきあっちゃえ」「結婚しちゃえ」だったのでは?

 でも、恋愛ドラマ出演が多すぎて『眠れる森』を選んだといわれていた中山サンの好みのタイプはまったく違っていらしたとか。

 そして、劇場版も含めて『HERO』(フジテレビ系)シリーズで共演し、一昨年は日産「プロパイロット2.0」の特別Webムービーでも共演した松サンとのツーショットは腐れ縁の恋人同士のようにも、夫婦のようにも見えたものでした。木村サン主演のドラマには、恋人役や妻役の女優さんに自分を重ねてしまうという視聴者の“悪癖”が伴ったものです。

 社会現象という点では、2000年の『Beautiful Life 〜ふたりでいた日々〜』(TBS系)がいちばんに浮かびます。これまでにも木村サンが演じた職業(すべて指先がアップになるという特徴あり)に憧れて就職をするケースが頻発してきましたが、その最たる職業が美容師さん。いわゆるカリスマ美容師ブームも勃発しましたし、私が特別講師をしている「早稲田美容専門学校」は『Beautiful Life』の影響を受け、いまも大半が男子生徒なんです。

 そして木村サン主演のドラマといえば、『NHK紅白歌合戦』や「連続テレビ小説」(朝ドラ)や「大河ドラマ」のように、初回から視聴率の高低が取り沙汰される運命にあります。

 だから木村サン主演のドラマで相手役を務めるのは、そうしたこともともに背負わなくてはなりません。それでも現場に飛び込んだとき、格別な体験ができるのも木村サン主演作品。だから多数の作品で座長を務めてこられた天海サンでさえ、新鮮な気持ちで取り組み、あれだけのハイテンションになってしまうのでしょう。

 期待しかない『Believe -君にかける橋-』、必ずリアタイします!

構成/山田美保子
『踊る!さんま御殿!!』(日本テレビ系)などを手がける放送作家。コメンテーターとして『ドデスカ!+』(メ〜テレ)、『1周回って知らない話』(日本テレビ系)、『サンデージャポン』(TBS系)に出演中。CM各賞の審査員も務める。

※女性セブン2024年5月9・16日号

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