純烈の新メンバーに多くの芸能人が立候補する理由 “優良企業”であることやリーダー酒井のプロデュース力も

純烈の新メンバーに多くのタレントが手を上げた

 メンバーの小田井涼平の卒業にともない、“新メンバー”が注目されている「純烈」。これまで多くのアナウンサーや芸能人が立候補したことが話題を集めている。なぜ多くのタレントたちが純烈に入りたがるのか? コラムニストで放送作家の山田美保子さんが綴る。

【写真10枚】純烈新メンバーに立候補した芸能人3人の写真。他、純烈メンバー全員のソロショットも

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 発端は4月末、ライブ会場で「純烈」のリーダー・酒井一圭が発した「1人か2人か3人かはわからへんけど、何人か入れる。3人ではやらへん」だった。同月1日、メンバーの小田井涼平が年内いっぱいでグループを卒業すると発表したのに伴い、グループのプロデューサーでもある酒井は新メンバーを迎える構想があると漏らしたのである。

 しかし公に募集告知をしたわけでもなければ、オーディションの予定を発表したわけでもない。なのに「『純烈』のオーディション」なるワードが広まることに……。その理由は5月11日に急逝したダチョウ倶楽部の上島竜兵さんへ向けた肥後克広の追悼コメント。「(寺門ジモンと)二人で『純烈』のオーディションを受けます」との一文が含まれていたからである。

 以来、元アイドル、お笑い芸人、地方局のアナウンサーらが「純烈」への加入を切望。所属事務所への問い合わせが殺到したのだ。

 その中には、初代「いいとも青年隊」であり、それより前には「劇団一世風靡」の前身「劇団零心会」に参加していた野々村真の名前もあった。『女性セブン』の直撃に対し、野々村は「昔はお昼の生放送(フジテレビ系『笑っていいとも!』)でお茶の間のアイドルとして全国津々浦々飛び回り、歌って踊ってウキウキウォッチングしていました。(中略)もう一度、新人の気持ちで頑張ります!」と超前向きに返答。それは当サイトでも報じられ、ネットニュースのトピックスに上がるほど話題になった。

 その記事を元に、17日、野々村がコメンテーターを務める『アップ!』(メ~テレ)のエンタメコーナーが「純烈」の事務所に取材をかけた。「当初はマネージャーさんからコメントをもらう予定だったのに、リーダーの酒井さんが直々に対応してくれた」と担当ディレクターが驚いていた。そのコーナーに出演していた筆者もおおいに驚きながら、酒井から野々村への“返答”内容を生で見守った。

リーダー酒井が挙げる新メンバーの条件

 まず酒井が挙げる新メンバーの条件は「175cm~2mの背が高い人で、ある程度、歌って踊れる人が理想」。プロフィール上の身長が182cmで「最近、年取って少し縮んだけれど」と苦笑しつつも最初の条件をクリアした野々村は前のめりでパネルを見つめていた。これはサービスでもシャレでもないと理解した筆者は少なからず衝撃を憶えた。

 続いての条件は「最も重要なのは内面。安いご飯をおいしく食べられる素朴な人柄」だ。これに対し、野々村は「妻(俊恵さん・旧芸名・坂上とし恵)が作る料理は美味しいんだけど」と恐妻家の一面を覗かせながら、「安いご飯、おいしく食べられますよ。大丈夫」と胸を張った。

 いよいよ、野々村が「純烈」の新メンバーになれるか否かの酒井からの回答である。果たして、島貫凌アナウンサーの煽りでめくられたパネルには「先輩、申し訳ないです。野々村先輩は『いいとも青年隊』として時代を築いたレジェンド。『純烈』は、まだ名前が通っていない人が頑張る場所だと思っています!!」と。つまり結果は「NO」だったのである。

 続いて酒井は、「『野々村真とハッピー&ピンク』のような新しい歌謡グループを結成し、一緒に歌謡界を盛り上げませんか? 絶対にマダムは応援してくれます」という“提案”まで示し、野々村の“天然キャラ”に期待をこめた。

「えぇ!? ダメなの?」と納得がいかない野々村に改めて、なぜ「純烈」に入りたいのかを聞いてみたところ、1985年~86年、ソロ歌手としてシングル3枚、アルバム1枚をリリースしていたことを挙げ、当時のファンの前にもう一度、立ちたい…と。最後まで2枚目の顔で通した野々村真、本気で「純烈」加入を夢見ていたのである。

 実は『アップ!』のオンエアよりも前、東京では上島竜兵さんが亡くなってから初めて『高田文夫のラジオビバリー昼ズ』(ニッポン放送)にゲスト出演したダチョウ倶楽部の肥後克広と寺門ジモンが「『純烈』のオーディションに合格したんです」と明かしていた。実際にオーディションがあったか否かは定かではないが、直接リーダーの酒井に会って合否を確認したという二人は「合格です」と言われたと。それは忽ちネットニュースにあがった。

 それについては同日夕方の『5時に夢中!』(TOKYO MX)でも話題になった。『~ビバリー昼ズ』を聴いていたというミッツ・マングローブは、ダチョウ倶楽部の「純烈」入りに未だ半信半疑の様子だった。が、同番組MCで元ニッポン放送のアナウンサーの垣花正が見た「純烈」の公式YouTubeで、リーダー・酒井が以前、上島竜兵さん率いる「竜平会」のイベントスタッフをやっていたという“縁”あってのことだと説明。ミッツもやっと納得していた。前述の追悼コメント後、酒井が「推すなって? 純烈は絶対推しますよ 」とツイートしていたのも、そうした縁があったからこそのことだったのである。

“おひねり”や紅白出場など「優良企業」

 それにしても、なぜ著名なタレントたちは「純烈」に入りたがるのか。『女性セブン』は、同グループが給料制で不況に強いことや、ギャラとは別にファンからの“おひねり”があること。そしてそれらはメンバーに均等に分配されること。加えて『NHK紅白歌合戦』に4年連続で出場する「純烈」は「優良企業」だと分析している。

『紅白』出場は、演歌・歌謡曲の歌手にとって、翌年の営業の数やギャラに大きな影響を与えると言われてきた。2019年1月、一部週刊誌で報じられたスキャンダルを理由にメンバーの友井雄亮氏が脱退した際も、『紅白』への連続出場の旗を下げることなく、こだわり続けた彼ら。友井氏の単独会見後、残るメンバーが涙を浮かべながら対応した会見に筆者は行っているが、リーダー・酒井の意思は極めて固く、友井氏の将来を思いやりながらも、キッパリ決別して残るメンバーと共に前を向くことを記者らに明かす様子が印象的だった。果たして友井氏の脱退によるグループへのネガティブな影響は皆無だったのである。

 その後、コロナにより、スーパー銭湯やコンサート会場でファンとの“密”な触れ合いを大切にしてきた「純烈」には真っ先に危機が訪れた。しかし、その都度、リーダーであり、プロデューサーでもある酒井を中心に「純烈」は、さまざまな発信をしてきたものである。

「純烈」メンバーの多くは、戦隊モノに出演経験がある俳優だが、酒井だけは5代目“あばれはっちゃく”の子役出身。レスラーとして「マッスル」に継続参戦し、「プロレス名鑑」に載った後、前述のようにイベントプロデューサーになる。本拠地である『新宿ロフトワン』は確かに芸人から文化人までが個性的なイベントを数多く行ってきた。そこで、酒井はプロデューサーとしてのセンスや発想力に磨きをかけたと思われる。「純烈」結成を思い立ったのは、2008年で、2010年に『涙の銀座線』でデビュー。それから数年後、「純烈」をきっかけに「演歌男子ブーム」が起こり、多くのグループがデビュー。BSやCSには専門チャンネルや歌番組が誕生し、近年は「演歌第7世代」と呼ばれる若手の歌手も育ってきている。

 振り返れば、酒井は名プロデューサーであり仕掛け人だったのである。さらには、『バイキングMORE』(フジテレビ系)をはじめ、何度かコメンテーターとしての酒井を見たことがあるが、腰が低く、決して人を傷つけない配慮にあふれたコメントに聴き惚れた記憶がある。

 近年は文筆家としての一面をもち、2020年から開始した『婦人公論』の連載「酒井一圭のお悩み相談室」の流れで、2021年には単行本『純烈人生相談室 僕のお腹で、泣けばいい』を上梓。競馬で破滅し、複雑骨折で一時は歩行不可能と宣告されて、「山→谷底→谷底→谷底→ちょっと山…。自身、苦しい時代が長かったからこそ、大好きなんです、ひと様の悩み相談が」と記した酒井の人柄に惹かれ、「純烈」に加入し、共に盛り上げたいと思う有名タレントが後を絶たないのは、リーダー・酒井一圭の人心掌握力も大きく関係しているのではないか。

 だからこそ、『アップ!』(メ~テレ)のスタジオにいる野々村真へも酒井自らが丁寧なコメントを寄せたのだろう。リーダーであり、名プロデューサー。そしてダチョウ倶楽部の肥後克広と寺門ジモンが何らかの形で「純烈」に関わることは、キャラクターの強い小田井涼平が抜けた後も安泰だということだ。

 そして20日には、「純烈」の主演映画『スーパー戦闘 純烈ジャー 追い焚き☆御免』が9月1日より全国公開されることが発表された。なんというタイミングだろうか。「小田井さんが今年で卒業してしまうので、この4人での純烈ジャーはラストです。(中略)東映特撮の粋を集結したロボ戦、アクションは大注目です! 日本アカデミー賞いただきます」とは酒井のコメントである。また21日には、酒井とメンバーの白川裕二郎が『ポップUP!』(フジテレビ系)の「スター☆ニュース速報」に出演。リーダー、プロデューサーのみならず「人事部長」だという酒井がダチョウ倶楽部の「純烈」入りの真相を「テレビで初めて」語った。ちなみに同日発売の写真週刊誌で2組は対談をしているという。

 さらには『うたコン』(NHK)のMCでもある谷原章介がVTRで出演し、「毎日ニュースになっている」「酒井さんのプロデュース力はすごい」と絶賛。気持ちがいいほどにストーリーが出来上がっている。

 ちなみに、ダチョウ倶楽部が所属する「太田プロ」で「純烈」に加入した暁に着る衣装の採寸も終えたのだとか。酒井は「我々もメンバーを失ったとき、前川(清)さんや(ビート)たけしさんに助けてもらった」と言い、ダチョウ倶楽部の二人を「励ますつもり」「元気になってもらいたい」「熱湯風呂とスーパー銭湯の“お風呂つながり”」「ダチョウ倶楽部さんはこれまで仕事を断ったことがない」など、見出しになるようなエピソードを段積みしたのである。なんと頼もしいことだろう。

とにかく、現メンバーでラストとなる今年の『NHK紅白歌合戦』は当確間違いナシ。もしかしたらダチョウ倶楽部の参戦もあるかもしれない。「小田井さんの代わりは来年合流」「最後の3択までしぼられている」と酒井は“匂わせ”も忘れなかった。もしかすると「純烈」加入を夢見た有名タレントらはみな酒井のお腹の上で踊らされていたのかもしれない。『純烈』リーダー、酒井一圭、稀代の名プロデューサーである。

◆山田美保子
『踊る!さんま御殿!!』(日本テレビ系)などを手がける放送作家。コメンテーターとして『ドデスカ!』(メ~テレ)、『アップ!』(同)、『1周回って知らない話』(日本テレビ系)、『サンデージャポン』(TBS系)などに出演中。CM各賞の審査員も務める。

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