元SKE・矢作有紀奈が「歯科医」デビュー「アイドルになってなければ夢も目標もなく生活していたと思います」

白衣に身を包んだ矢作有紀奈

 卒業後も多士済々な活動を続ける48グループのOGからグループ初の歯科医が誕生した。元SKE48・矢作有紀奈。2016年にグループに加入し、「アイドル兼現役歯学生」という二足の草鞋でファンから愛され、選抜メンバーにも選ばれた。卒業から約4年が経ち、大人になった矢作は「27歳で新社会人やっています」と笑いながらこう語る。

【写真】こんな歯医者さんに診てもらいたい 白衣、私服姿の矢作

「2月の歯科医国家試験に合格し、4月から大学の附属病院で臨床研修をしています。最初は歯科医のそばでバキュームを持ったりするアシスタントがメインでしたが、最近、患者さんを担当することになり、少しずつ歯医者っぽくなっていっています」

 矢作はSKE48加入時に「現役歯学生」として話題になった。キャッチフレーズも「虫歯なんて~? グッバイキーン!あなたのハートをつまんじゃうぞ!はい!未来の歯科ドルこと矢作有紀奈です」と、歯科医になることは長年の夢だったという。

「子供の頃から手に職を持ちたかったんです。自分一人でも生きていけるようになりたいと思っていて」

 そんな矢作が突如、アイドルの道に進むことになったのは大学在学中の21歳のときだった。

「高校時代からアイドルに興味が無かったといえば嘘になります。文化祭でK-POPのダンスを披露して、初めてファンもできました。もちろんAKBさんの歌も踊りましたよ。でも、全盛期の48グループに入るなんて夢にも思ってもいませんでした」

 転機となったのは8歳違いの妹・萌夏の存在だった。萌夏はAKB48では約1年半の活動ながら、写真集の刊行、ソロコンサートを成し遂げ、56thシングル『サステナブル』ではセンターを務めるなど人気を博した。

「妹が48グループのオーディションを受けたがったのですが、親もノリノリで。『お姉ちゃんも一緒に受けてみなよ』と。ただこの時、すでに21歳だったのでAKBの受験資格の年齢を超えちゃっていたんですけどね(笑)」

 21歳はSKE48でも年齢制限の上限ギリギリだったが、見事合格を果たす。しかし、当時の48グループにおいて「21歳のアイドル1年生」は極めて異質な存在だった。SKE48の絶対的エースの1人だった松井珠理奈は11歳でグループ入りしていて、年齢も松井が2歳下。他のメンバーも大半が10代での加入だ。AKB48で「お姉さんキャラ」として知られた「神7」の篠田麻里子も加入したのは19歳。長い歴史を誇る48グループ全体を見ても最年長合格メンバーは22歳なので、矢作も立ち位置に悩んだという。

「芸歴で先輩後輩が決まるので、中学生の先輩も多かったです。ただ、多くのメンバーはそんな壁を感じさせず、同年代のように扱ってくれて嬉しかった」

 矢作は浪人と休学のブランクがあったため、大学の同級生も年下がほとんどだった。おまけに、学内でもSKE48のメンバーと知られていたため壁があったという。当初は「アイドルだから凛としていないと」とクールなキャラを演じていたため友達も少なかったが、SKE48で学んだ「年上の後輩」としての振る舞いが活きたことで、年下同級生とも仲良く過ごせたという。そんな矢作がSKE48で得られた最大の経験とはなんだったのか。

「諦めずにやり遂げる力ですね。私はメンバーのなかでもダンスが覚えるのが遅くて、補講も多かった。加えて大学の授業もあったので東京と名古屋を行き来していたから、練習に参加できる時間が少なかった。ただ、メンバー、そしてファンのためにも“なんとかしなきゃいけない”と、少しでも暇を見つけてガムシャラに練習しました。こうした姿をファンの皆さんもちゃんと見てくれていたんですよね。握手会で『ダンス上手くなったね』『頑張ってるね』と言われたのは本当に嬉しくて、いまでも忘れられません。あの時やり遂げていなかったら、いまもふわふわと夢も目標もなく生活していたと思います」

 SKE48に加入して6年。今度は「歯科医1年生」としてデビューした矢作のいまの目標はなにか。

「歯の大切さをもっと周知できていけたらと考えています。いま国は『国民皆歯科検診』といって、国民全員に定期的に歯科検診を受診してもらう制度を検討していますが、まだ具体的な話は決まっていません。口腔ケアは全身の健康につながるということを少しでも多くの人に知ってもらいたい。まずは今年春からInstagramやYouTubeで『歯医者さんのひよっこ』としてSNS活動を始めました。元アイドルだった私だからこそできることもあるはずなので、これからいろいろ探していきたいです」

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