KERA CROSS 第六弾『消失』、2025年1~2月上演 藤井隆、入野自由、岡本圭人ら出演

KERA CROSS 第六弾『消失』メインビジュアル

 ケラリーノ・サンドロヴィッチの選りすぐりの戯曲を、演出家たちが異なる味わいで新たに創り上げる連続上演シリーズ「KERA CROSS」の第六弾が、河原雅彦演出による『消失』に決定。2025年1~2月に東京、2月に大阪で上演し、藤井隆、入野自由、岡本圭人、坪倉由幸(我が家)、佐藤仁美、猫背椿が出演する。

 近年、演劇界での名だたる賞を受賞し、その勢いが留まることを知らない劇作家・演出家のケラリーノ・サンドロヴィッチ(KERA)。ナンセンス・コメディをベースとしながら、30年以上の執筆活動の中で、一つの作風に留まらず鮮やかに変遷し、一人の作家が産み出したとは思えない多様な作品を世に送り出して来た。

 2019年、その数々の戯曲の中から選りすぐりの名作を、才気あふれる演出家たちが異なる味わいで新たに創り上げる、シアタークリエ5作連続上演シリーズ「KERA CROSS」がスタート。シリーズラストとして今年2024年2~4月に上演された第五弾『骨と軽蔑』は、KERAによる新作書き下ろしを自らが演出、宮沢りえをはじめ俳優7人による舞台は演劇界の話題となった。

 そしてこの度、5作品連続上演を経て、新たなシーズンとして2025年よりシリーズの継続が決定。その幕開けに、名作との呼び声も高い『消失』が上演される運びとなった。

 『消失』は、KERAが主宰する劇団「ナイロン 100℃」の代表作のひとつと言える作品。物語の舞台はいつの時代とも知れずどこの国とも知れない。その家には、はるか昔に両親に出て行かれたきりお互いを頼りに生きてきた兄弟が住んでいた。

 クリスマスの夜、弟が想いを寄せる女性を迎えて楽しい一夜になるはずが、ちょっとした誤算からその計画はもろくも崩れ去ってしまう。闇医者、家を間借りにきた女、ガス修理業者、兄弟の家に集まった6人の“善意”がかけ違い、彼らが築き上げてきた日常を破滅へと導いていく。KERAが繊細に描き出したディストピア・スケッチ、善人がもたらす驚愕の結末とは―。

 2004年にみのすけ、大倉孝二、犬山イヌコ、三宅弘城、松永玲子、八嶋智人のキャストで初演、2015年には同キャストで再演。また2017年に韓国・テジョン市、2018・2022年にはソウル市内でイ・ウンヨン氏の演出により、韓国版として上演された。KERA戯曲の中でも人気の高い作品で、現在に至るまで日本国内でも大小さまざまなカンパニーにより上演され続けている。

 この予測不能の物語に挑むのは、演出家・河原雅彦。華やかさと毒を含み、心情に刺さるエンターテインメントを生み出してきた河原がKERA作品を手がけるのは今回が3作目(2021年/『カメレオンズ・リップ』、2022年/『室温』)となる。「笑いの要素を含みながらも、この世界の住人が抱えているジリジリとしているテイストがとても好きで。センシティブでやりがいのあるこの作品を選ばせてもらいました。力強いキャストとともに楽しく試行しながら魅力のある舞台の立ち上げを目指します」と演出への意気込みを示している。

 音楽には、東京事変、the HIATUSのメンバーとして活躍する作曲家・キーボーディストの伊澤一葉。KERA CROSS第三弾『カメレオンズ・リップ』に引き続き、KERA脚本、河原演出とのコラボレーションが期待される。

 キャストには、芸人としてだけでなく舞台・映像・音楽と様々なフィールドで活躍する藤井隆。巧みな表現力で声優の枠を超え数々の舞台に出演し、KERA CROSSには『グッドバイ』に続いての出演となる入野自由。NY演劇留学を経て俳優としてのキャリアを着実に積み上げ続けている岡本圭人。KERA作品・河原演出作品は『室温』『カメレオンズ・リップ』に続き3度目の出演となり、河原も信頼を寄せる我が家の坪倉由幸。確かな演技力を持ちバラエティでも活躍する佐藤仁美。そして舞台でも映像でも独自の存在感を示す実力派・猫背椿、といった多彩な面々が一堂に会した。

 KERA CROSS第六弾『消失』は、2025年1月18日~2月2日東京・紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYAにて、2月6日~7日大阪・サンケイホールブリーゼにて上演。

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