渡邉美穂&INI 木村柾哉  2人が「美穂の!」「柾哉の!」と主張したいものは?

(左から)渡邉美穂&INI 木村柾哉

 クランクイン! 写真:小川遼

 幸田もも子による漫画『あたしの!』が実写映画化され、11月8日より劇場公開される。本作は『ヒロイン失格』『センセイ君主』など数々の大ヒットラブコメ漫画を生み出してきた幸田が、「別冊マーガレット」(集英社)にて2017~2018年に連載していた作品。素直で真っすぐな性格の女子高生・関川あこ子と、あこ子の小学生からの親友・谷口充希が、留年した学校イチの人気者・御共直己を巡って恋のバトルを繰り広げる青春ラブコメディとなっている。そんな本作であこ子を日向坂46の元メンバーの渡邉美穂、直己をINIの木村柾哉がそれぞれ演じる。初映画出演、そして初主演という大役を担った2人の映画『あたしの!』への思いや、作品タイトルにかけて“絶対に譲れないもの”について聞いた。

■あこ子&直己の魅力はどんなところ?

――まずは、本作への出演が決まったときのお気持ちをお聞かせください。

木村:不安な気持ちもあったんですけど僕自身、演技にすごく興味があったので、めちゃくちゃうれしかったですね。それと同時に、初映画出演、初主演という重みは感じていたので、プレッシャーになる部分もあり、初日まではずっと緊張しながら過ごしていました。

渡邉:もともと幸田先生の作品が大好きで、学生時代からずっと漫画を読んでいたんです。その幸田先生の作品の実写映画に出られることが本当にうれしくて。大好きな先生の作品だからこそ、すてきなものにしたいですし、この作品にしっかり寄り添って、愛情をしっかり注ぎ込めたらと思いながらやらせていただきました。

――お2人とも初映画出演、初主演です。撮影が始まるまでにはどういった準備をされたんですか?

木村:本読みは「ほかの作品ではここまでやらないだろう!」というぐらいやりました。僕が初演技ということもあって、みんな気を遣って付き合ってくれているのかなと思っていたんですけど、そのおかげで初日から不安なく進められましたし、みんなで準備することができたかなと思います。

渡邉:しっかりやりましたね…!

――あこ子のテンションの高さが印象的ですが、渡邉さん自身はあこ子のどういったところに魅力を感じていますか?

渡邉:(あこ子のように)思ったことを100%ストレートに伝えられる人ってなかなかいないなと思うので、そういう天真らんまんな部分はキュートですよね。すごく愛らしい子だなと思いますし、素直な部分はとても魅力的だなと思います。

――木村さんが演じられた直己は「学校一の王子様が降臨」というキャッチフレーズがついていますね。

木村:直己は廊下を歩くたびに女の子たちが振り返る、誰しもが恋に落ちてしまうようなビジュアルの王子様です。でも実は、見た目とは正反対な一面を心の中に抱えていることも魅力だなと思っています。性格的には直己といくつか通ずる部分はあったんですけど、やっぱり学校一のモテ男っていうのが僕の学校生活と違いすぎて…(笑)。そこを自分の中で噛み砕いて演じるときに、すごく苦戦しましたね。

――ちなみに通ずる部分というのはどういったところでしょう?

木村:少しミステリアスだったり、自分の本心を隠してしまったり、他人の気持ちをうかがいつつ他人を優先して行動したり、というところは若干似ているものはあったかなと思います。

――お互いに共演されてみていかがでしたか?

木村:本当にやりやすかったです。

渡邉:えー! うれしいです!

木村:僕、結構緊張するので、それこそ初映画・初主演となるとド緊張だったんですけど、渡邉さんだったからこそ、僕も作品に集中して取り組むことができたなと思うのでとても感謝しています。

渡邉:いやいや、こちらこそありがとうございます! 私は木村さんのこの作品に取り組む姿勢がとてもすてきで見習いたいと改めて思いました。木村さんもそうですし、共演の齊藤なぎささん、山中柔太朗さんも同年代というのもあって、最初から壁がなかったというか。気が付いたらみんな仲良くなっていて、変に気を遣う部分がなかったので、お芝居でも遠慮することなく、しっかり正面からみんなで向き合ってやっていくことができました。本当に木村さんだったからこそ、いい雰囲気が作れたかなと思います。

木村:ありがとうございます!

■思い出に残っている少女漫画は?

――お2人は思い出に残っている少女漫画はありますか?

木村:この役をやることが決まって、勉強も兼ねていろいろなラブコメ漫画を見させていただいたのですが、やっぱり幸田先生の『センセイ君主』と『ヒロイン失格』がよかったです。『ヒロイン失格』は僕にとって思い出に残る作品になっていて、2作品を見させていただいてからの『あたしの!』があるので。

渡邉:幸田先生は私の青春ともいえます。特に『ヒロイン失格』の映画は劇場に見に行ったんですけど、私の大好きなシーンがありまして。坂口健太郎さんが弘光(廣祐)くんという男の子を演じられているんですけど、モテ男なのになかなか恋愛の面で報われないんです…。最後のシーンで、観覧車の中でヒロインに振られちゃうんですよ。そこで、ポロッと涙を流して、「なんで俺、泣いているんだ」って言うんです。モテモテの男性が無意識で涙が流れちゃうほど、相手のことを思っていたシーンが忘れられなくて…! いまだに幸田先生と「あのシーンいいよね!」って盛り上がります(笑)。キラキラした場面だけじゃなくて、ちょっとほろ苦いシーンが含まれているっていうのも少女漫画のよさだな、とあのシーンを見たときに感じましたね。

――王道ヒーローのそばにいる男性が魅力的に見えることも多いですよね。

渡邉:そう! 私、報われない方が大好きなんですよ!

木村:ははは!

渡邉:「私がどうにかするからさ!」って思っちゃうタイプなので。やっぱりそういうライバルがいたりするのは醍醐味(だいごみ)ですよね。少女漫画のすてきなところだなと思います。

――お2人は少女漫画ならではシチュエーションで憧れはありますか?

渡邉:中学校3年生の夏に『ホットロード』の映画を見に行ったんです。当時、受験生で一生懸命勉強していたんですけど、「ちょっとやんちゃしてる人のバイクの後ろに乗る!」って思っていました(笑)。バイクの2人乗りとか、ドライブデートのシーンに憧れはありますね。

木村:僕は幼なじみが大人になって、お互いの気持ちを知るシーンとかめっちゃ良いなって思います。小さい頃から同じ時間を過ごしてきたからこそ、思いを伝えるのに時間がかかったり、恥ずかしさが倍増したり。その中でも、2人の恋が成熟した場合、すごくロマンチックというか、2人の歴史がすごくいいなって思うので、そういうシーンに憧れますね。

――最後に『あたしの!』というタイトルにちなんで、これは「自分の!」と主張したいものを教えてください。

木村:難しいですね。いろいろあるっちゃあるんですけど。

渡邉:独占したいものってことですよね。伝わるか分からないですけど、はっきり言いますね。車の助手席は、美穂の!

――助手席!

渡邉:友達や家族とドライブに行くのが大好きなんですけど、助手席に乗って曲を流したり、ナビをするのが大好きなんです。なので、絶対に車に乗るときは助手席を譲らないんですよ。助手席が大好きなので、自分のものだと主張していきたいです!

――木村さんはいかがですか?

木村:はい! プロテインは柾哉の!

渡邉:この世の全ての(笑)。

木村:そうです! この世の全てのプロテインとタンパク質は柾哉のということで(笑)。直己を演じたときは、結構僕も細めだったんですけど、最近トレーニングをしているんです。その頃と比べたら体も筋肉がついて大きくなっていてトレーニング用のためにプロテインを飲んでるんですよね。なので、この世の全てのプロテインは、僕が飲もうかなと思っております(笑)。

(取材・文:ふくだりょうこ 写真:小川遼)

 映画『あたしの!』は、11月8日より全国公開。

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