大阪・関西万博を盛り上げる上方歌舞伎の公演に東京の中村獅童「ダマされちゃったのかな?」

大阪市役所で開かれた「立春歌舞伎特別公演」の会見に出席した(前列左から)市川中車、片岡愛之助、横山英幸大阪市長、吉村洋文大阪府知事、中村鴈治郎、中村扇雀、中村獅童、(後列左から)市川團子、中村壱太郎、中村虎之介(カメラ・筒井政也)

 大阪国際文化芸術プロジェクト「立春歌舞伎特別公演」(来年2月1~16日=大阪松竹座)の製作会見が11日、大阪市役所で開かれ、中村鴈治郎、中村扇雀、片岡愛之助、中村獅童、市川中車、中村壱太郎、中村虎之介、市川團子が出席した。

 同プロジェクトは大阪・関西万博(来年4月13日開幕)に向け、国内外の来阪者に大阪の文化芸術を楽しんでもらうことが目的。

 演目は昼の部(午前11時~)が「本朝廿四考(ほんちょうにじゅうしこう) 十種香」「恋飛脚大和往来 封印切」「幸助餅」の3本。夜の部(午後4時15分~)は「義経千本桜」で、佐藤忠信(実は源九郎狐)の愛之助が「斜めに飛んでみたい」と、花道から3階席上手に向けて宙乗りを披露する。

 この日に出席した演者では、獅童と中車&團子の父子が東京の歌舞伎俳優。獅童は「私は関東の役者。きょうになって事の重大さに気付いた。関西なのに…。プロデューサーにダマされちゃったのかな?」とジョークを飛ばしながらも、上方を代表する演目「封印切」に「(故・中村)勘三郎兄さんにアリゾナの別荘で教えていただいた。いい思い出。これで3度目。本当に大阪でやっちゃうんだって、ドキドキしてきちゃった」と気合いを入れ「大阪を微力ながらも盛り上げたい。10、20年後、(歌舞伎界が)先細りしないよう、若い人にも見ていただきたい」とPRした。

 一方、中車は今年6月に同じ大阪松竹座で長男・團子と「ヤマトタケル」で出演。「泊まっているホテルから御堂筋を見ると大阪に来たなって思いますが、車線が少なくなって歩道優先になっていて、万博への勢いを感じています」と話が脱線して頭をかきつつ「上方に乗り込んでくる獅童さんの(「封印切」の)忠兵衛が本当に楽しみ」と笑顔を見せた。團子は出演の3役とも初役で「(「義経―」の)御台所卿の君では人生で初めてお姫様の役に取り組ませていただきます。一生懸命頑張ります」と初々しく語った。

 公演は大阪府・市も主催に入っており、吉村洋文大阪府知事、横山英幸大阪市長も同席。吉村知事は「獅童さん、中車さんは巻き込み事故に遭ったのかな? でも楽しくやりましょう」と話していた。

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