勝てば王手、負ければカド番…将棋・西山朋佳女流三冠のプロ編入試験第3局スタート 相手は強豪・上野裕寿四段

大阪・関西将棋会館でのプロ棋士編入試験五番勝負第3局で上野裕寿四段(右)と対局する西山朋佳女流三冠(カメラ・筒井 政也)

 将棋界史上初の「女性棋士」を目指す西山朋佳女流三冠=白玲、女王、女流王将=のプロ棋士編入試験五番勝負第3局が8日午前10時、大阪市福島区の関西将棋会館で始まった。

 9月に高橋佑二郎四段に勝ち、悲願に向けて白星発進したが、10月の山川泰熈(たいき)四段は、直前の新型コロナ感染も響いてか、敗れて1勝1敗。第3局の試験官は上野裕寿四段。3勝すれば合格のため、勝てば王手、負ければカド番となる重要な対局だ。

 先手は上野で飛車先の歩を突くと、西山は角道を開け、四間飛車とした。上野は居飛車党で、対抗形となった。

 西山は今月5日、第51期女流名人リーグで加藤桃子女流四段に勝ち、8連勝でリーグV。福間香奈女流名人=清麗、女流王座、女流王位、倉敷藤花と五冠=への挑戦権を獲得したばかり。10月末は福間の妊娠による体調不良のため不戦勝で白玲、女流王将を防衛した。

 対戦相手の上野は昨年10月、同じ井上慶太九段門下の藤本渚五段(当時四段)を破ってデビュー3戦目で新人王を獲得。先月は岡部怜央四段に2連勝して加古川清流戦を制するなど、試験官5人の中では実績NO1の21歳の強豪だ。その岡部は2022年、福間(当時・里見)が女性で初めて編入試験を受けた際に第2局で勝っている。

 12月、福島区から大阪・高槻市へ移転する新しい関西将棋会館では初めてとなる編入試験の第4局(VS宮嶋健太四段)に、どうつなげるか。

 持ち時間は各3時間。夜までには決着する見込み。

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