「ドクターX」が西田敏行さんを追悼「唯一無二の俳優だった」キャスト・スタッフ一同「驚きと深い悲しみ」【全文】

10月8日に行われた映画のイベント。(前列左から)岸部一徳、内田有紀、米倉涼子、田中圭、西田敏行さん(後列左から)鈴木浩介、遠藤憲一、勝村政信。

 12月6日公開の映画「劇場版ドクターX FINAL」の公式サイトやSNSが18日に更新され、死去した西田敏行さん(享年76)を追悼した。

 「キャスト・スタッフ一同」でのコメントを掲載。「唯一無二のひと」と題し、「東帝大学病院長・蛭間重勝役の西田敏行さんが逝去されました。突然の訃報に、キャスト・スタッフ一同、驚きと深い悲しみにくれています」と記した。

 同作は12年間に及ぶ人気ドラマシリーズの劇場版で、西田さんは米倉涼子演じる外科医・大門未知子が派遣された病院の院長・蛭間重勝役を務めていた。「東帝大学病院の校歌『唯一無二』を声高々に歌う蛭間院長―目を閉じるとその雄姿がまるで昨日のことのように思い出されます。大門未知子を目の敵とし、欲と野望の塊の腹黒い男…しかし、同時に愛嬌のあって憎めないキャラクター、そんな蛭間重勝を完璧に演じきった西田敏行さんの存在そのものが『唯一無二』の俳優だったと思います」と回顧した。

 「西田さん自身も蛭間という役に対して『演じる愉(たの)しさを存分に味わえ、キャリアの中でもベスト5に入る幸せな時間だった』と深い愛着を持って頂いておりました。映画の公開を誰よりも楽しみにしていた西田さん。『映画は作っただけでは完成ではない。お客さんに見て貰って初めて映画が完成するんだよ』私たちは、その西田さんの言葉を胸に、この映画をお客さんにしっかり届けよう、という決意を新たにしています」と西田さんの存在を胸に刻み、「西田さんへの深い感謝とともに心よりお悔やみ申し上げます。『ドクターX』キャスト・スタッフ一同」と締めた。

 17日に死去した俳優の西田敏行さんは9日前の8日、都内で映画「劇場版ドクターX」(田村直己監督、12月6日公開)の完成報告会見に主演の米倉涼子や田中圭、内田有紀、勝村政信、鈴木浩介、遠藤憲一、岸部一徳らと出席していた。その会見で西田さんは「大門未知子はフリーランスの外科医として、あまりにも素晴らしいオペの腕を持っていますので、嫉妬していました。執刀じゃないですよ、嫉妬です。ジェラシーを持って、ずっと演じておりました」とダジャレも交えて語り、明るい口調で冗談を交えて場を和ませながらも、大部分の時間はジーッと目をつぶったまま座っていた。

 【追悼全文】

「唯一無二のひと」

東帝大学病院長・蛭間重勝役の西田敏行さんが逝去されました。突然の訃報に、キャスト・スタッフ一同、驚きと深い悲しみにくれています。

東帝大学病院の校歌「唯一無二」を声高々に歌う蛭間院長―――目を閉じるとその雄姿がまるで昨日のことのように思い出されます。大門未知子を目の敵とし、欲と野望の塊の腹黒い男…しかし、同時に愛嬌のあって憎めないキャラクター、そんな蛭間重勝を完璧に演じきった西田敏行さんの存在そのものが、「唯一無二」の俳優だったと思います。

西田さん自身も蛭間という役に対して「演じる愉しさを存分に味わえ、キャリアの中でもベスト5に入る幸せな時間だった」と深い愛着を持って頂いておりました。映画の公開を誰よりも楽しみにしていた西田さん。「映画は作っただけでは完成ではない。お客さんに見て貰って初めて映画が完成するんだよ」私たちは、その西田さんの言葉を胸に、この映画をお客さんにしっかり届けよう、という決意を新たにしています。西田さんへの深い感謝とともに心よりお悔やみ申し上げます。

「ドクターX」キャスト・スタッフ一同

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