【明日の金ロー】物語のカギを握るポケモンの声優にも注目してほしい「名探偵ピカチュウ」

実写版では毛がモフモフしているピカチュウ(C)2019 Legendary and Warner Bros. Entertainment,Inc. All Rights Reserved.(C)2019 Pokemon.

 4日の金曜ロードショー(後9時)は、世界的な人気を誇る日本初のゲーム「ポケットモンスター」のメインキャラクター・ピカチュウを主人公とした初の実写映画「名探偵ピカチュウ」(2019年)が登場する。

 ハリウッド版の「ゴジラ」シリーズや「ジュラシック・パーク」シリーズなど大作を多数、世に送り出しているレジェンダリー・ピクチャーズによって製作された娯楽作。16年に発売された「ニンテンドー3DS」のアドベンチャーゲームが”原作”で、主要な登場人物の設定などは引用されているが、ストーリーはかなり翻案されている。

 かつてポケモントレーナーになるのが夢だったティムはある日、断絶していた父・ハリーが事故で死去したとの連絡を受け、人間とポケモンが共存する街・ライムシティを訪れる。探偵をしていたという父の家を訪れ、荷物を片付けようとしていたティムは、その家で父の名前が書かれた帽子をかぶり、なぜか言葉を交わすことができるポケモン・ピカチュウと出会った。

 かつて父の相棒だったというピカチュウは記憶を失っていたが、「ハリーはまだ生きている」と確信を持って話す。その言葉にひかれたティムは、「事故の裏には何か秘密がある」と探り続けているテレビ局の新人記者のルーシー、そしてピカチュウと共に真実を暴こうと立ち上がった―。

 記者はポケモンのゲームといえば、初代ゲームボーイの「赤・緑」時代しか知らず、「ポケモンGO」も早々に飽きてしまったクチ。それだけに、序盤は「このポケモン、何て名前だっけ?」の連続だった。だが、なじみのある人であれば、ライムシティで人間の周りに「当たり前」のように生活している光景は、心が躍るのではないだろうか。

 ただ、同時に序盤で物語の世界観を丁寧に作り過ぎている感も。ストーリーが本格的に動き始めるのが、作品が始まって1時間近く経過してから。その分、最後が窮屈になってしまっている感は否めなかった。

 声優陣はピカチュウ役の大谷育江をはじめ、日本のアニメ版でもおなじみのボイスキャストが参加。その中で異色なのが、物語のカギを握るポケモン(ネタバレになるので名前は挙げませんが、知ってる人が見れば序盤で答えは分かります)の声を担当した星埜李奈だろう。

 名前を聞いても「?」という人がほとんどだろうが、それもそのはず。横浜生まれの星埜は、13歳で米移住。活動の拠点も米国で、アクションシューティングゲーム「ワールドウォーZ」のキャラクターの声などを担当した。先日発表されたエミー賞では「SHOGUN」で主演女優賞を受賞したアンナ・サワイが話題となったが、星埜も”逆輸入声優”としてぜひ注目してほしい。(高柳 哲人)

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