「五代目六代目が大きくした名跡を汚さぬよう精進致します」5代目最後の弟子 三遊亭王楽が7代目円楽襲名へ 

7代目三遊亭円楽を襲名することが決まった三遊亭王楽

 落語家の三遊亭王楽(46)が、5代目円楽一門会の決定により、来年2月20日付で7代目三遊亭円楽を襲名することが24日、発表された。6代目三遊亭円楽さん(22年死去、享年72)の三回忌にあたる30日に、王楽の父で落語家の三遊亭好楽(78)、林家木久扇(86)の立ち会いのもと、都内で襲名会見を行う。

 王楽は5代目の27番目、最後の弟子で実力と華を兼ね備えた一門の若きエース的存在。5代目からも目をかけられて稽古を熱心につけられ、師匠の背中から「円楽イズム」を学んだ。古典・新作問わず持ちネタは200以上にものぼるという。関係者によると、「円生」や「円楽」などの名跡は止め名にせず受け継いでいくことがふさわしいという共通の認識が一門内にあり、王楽に未来を託すと決めたようだ。

会派超え人脈広く 兄弟子である6代目からの信頼も厚く、一門の定席「両国寄席」の顔つけ(番組を決めること)も任せられたほど。父・好楽の落語会のキャスティングにも奔走するなど、プロデューサーとしても6代目ゆずりの才覚を発揮しており、上方、落語協会、落語芸術協会、落語立川流と、会派を超えた人脈の広さでも知られる。

 王楽は報道各社に直筆の文書を寄せ「私こと三遊亭王楽は、一門の皆様のご推挙により、七代目三遊亭円楽を来春より襲名させて頂く事と相成りました」と報告。「ひとえに五代目並びに六代目、また諸先輩方、更には御贔屓(ごひいき)の皆様方のお陰と存じて居(お)ります」と感謝の気持ちをつづるとともに「五代目六代目が大きくした名跡を汚さぬよう精進致しますので、これからも宜しくお願い致します!」とつづった。

 30日の会見では5代目、6代目への思いと、「円楽」への改めての覚悟の言葉が聞けそうだ。

 ◆三遊亭 王楽(さんゆうてい・おうらく)本名・家入一夫。1977年11月7日、東京都練馬区生まれ。46歳。三遊亭好楽の長男。駒大文学部英米文学科を卒業後、01年5月に5代目三遊亭円楽に入門。04年5月、二ツ目昇進。08年、NHK新人演芸コンクールで落語部門大賞を受賞。09年10月、真打ち昇進。特技は日本舞踊とピアノ。

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