尾上菊之助、初役で勤める「俊寛」成功誓う「岳父(吉右衛門さん)の演じ方を目指し、初代吉右衛門さんにも敬意を払って…」

 歌舞伎俳優の尾上菊之助が歌舞伎座「錦秋十月大歌舞伎」(10月2~26日)昼の部「平家女護島 俊寛(へいけにょごのしま しゅんかん)」で俊寛僧都を初役で勤める。その扮装写真が19日、初公開された。

 享保4(1719)年に大坂竹本座で人形浄瑠璃として初演し、翌年には歌舞伎として上演された「平家女護島」。鬼界ヶ島の場面は屈指の人気を誇り、幕開きの憔悴した姿から断崖絶壁での象徴的な幕切れまで、俊寛の姿は見る者の胸を打つ。俊寛は菊之助の義父にあたる中村吉右衛門さんの当たり役。「岳父(吉右衛門さん)の演じ方を目指し、初代吉右衛門さんにも敬意を払って勤めたいと思っております」と意気込んでいる。

 扮装写真の撮影では、吉右衛門さんの写真を見て、共演時を思い出したという。菊之助は過去に丹波少将や丹左衛門、俊寛の妻・東屋で吉右衛門さんと共演している。

 ◆「平家女護島 俊寛」 絶海の孤島、鬼界ヶ島に流された俊寛。平家打倒の密議が露見し、丹波少将成経、平判官康頼とともに流罪となり、3年が経ったある日、島で出会った海女の千鳥と成経が夫婦になるというので、皆でささやかな祝言を挙げる。そこへ水平線の彼方から船影が。そろって都へ帰れると喜びあうのも束の間、赦免船から現れた瀬尾太郎兼康が読み上げるなかに、俊寛の名前がなく…。

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