「あの人が消えた」予想を超えながら見事に伏線が回収されていくミステリーを堪能…担当記者「推しの一本」

配達員役を演じる高橋文哉(右)と田中圭(C)2024「あの人が消えた」製作委員会

◆「あの人が消えた」(水野格監督、20日公開)

 昨年放送の日本テレビ系ドラマ「ブラッシュアップライフ」(脚本・バカリズム)の演出を担当した水野監督が、完全オリジナル脚本を手掛けたミステリー。「ブラッシュ―」は、タイムリープを繰り返しながらの伏線回収が高く評価されたが、今作も「こういう展開かな?」という予想の一歩上を行きながら、見事なまでに張り巡らされた伏線が回収されていく。

 さえない配達員の丸子(高橋文哉)は「次々と人が消える」とウワサされるマンションの担当になり、日々そのマンションに出入りするうちに怪しい住人に疑惑を抱く。職場の先輩・荒川(田中圭)の協力を仰ぎ、住人たちを調べていくうちに、事態は思わぬ方向へ進んでいく。

 イケメンだけど頼りない役もなぜか似合う高橋を始め、田中、染谷将太、北香那ら共演陣の好演が物語を引き締めている。シリアスな展開ながら、随所に笑える部分があるのもいい。ただ、観賞後に周囲に勧めたくても、ネタバレが多すぎてストーリーがほとんど明かせないのが唯一の難点?かも。

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