表情の細かな変化を伝える演出法から「アップの太郎」の異名も 吉永小百合の夫・岡田太郎さんの功績

1973年、新婚旅行から帰国した時の岡田太郎さんと吉永小百合

 女優・吉永小百合(79)の夫で、元共同テレビジョン会長・岡田太郎(おかだ・たろう)さんが3日午前1時15分、胆のうがんのため都内の病院で死去したと東映とフジテレビが、13日発表した。94歳だった。8日に吉永が喪主を務めて家族葬を済ませた。吉永の両親の反対を押し切り、1973年8月に結婚。現在、吉永は新作映画の撮影中だが、約半世紀連れ添った夫を看取(みと)ることができたことを報告。「大往生だと思います」とコメントした。

 岡田さんは1930年東京都生まれ。旧制都立高校出身で総理府、文化放送などを経て、58年に開局間もないフジテレビに入社した。

 芸能部に所属されるとディレクターとして早くから頭角を現し、昼のメロドラマを定着。制作した「日日の背信」(60年)では既婚男性に思いを寄せる女性を主人公として登場させ「よろめきの太郎」の異名をとった。また、俳優の表情の細かな変化を伝えるための演出法から「アップの太郎」とも呼ばれた。その後は編成局に移り、関連会社の共同テレビ社長、会長も務めた。

 吉永との出会いは、64年の吉永の主演映画「愛と死をみつめて」のドキュメンタリー番組を岡田さんが手掛けたのがきっかけ。66年には主演ドラマ「また逢う日まで」を制作した。その後、主演ドラマ「愛のはじまるとき」の後に結婚した。

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