結成30周年の大阪パフォーマンスドール。15年ぶりの歌って踊るライブへ準備中

アイドルグループ・大阪パフォーマンスドール(OPD)が、結成30周年プロジェクトとして復活中! OPDとは、1993年に東京パフォーマンスドールの姉妹ユニットとして、オーディションで選ばれた大阪在住女子たちで結成されたアイドルグループ。

「うめだ花月」を拠点にライブを行い、8枚のシングルと3枚のオリジナルアルバムをリリースしたが、実質3年半で自然消滅。メンバー5人は主婦やアーティスト、タレントとそれぞれの道を歩みつつも、2008年には15周年記念ライブを、2018年には25周年記念トークライブを行い、今回のプロジェクトへとつながっている。

27年ぶりの新曲発売に、27年ぶりのアー写撮影を敢行。そして2023年11月11日の復活ライブは、一夜限りの“歌って踊るライブ”になる。準備に余念がないリーダーの武内由紀子と中野公美子に、ニュースクランチがインタビューした。

▲中野公美子、武内由紀子【WANI BOOKS-NewsCrunch-Interview】

ごはん会から始まった30周年プロジェクト

――今回のプロジェクトで、お二人はどれぐらいぶりの再会だったんですか?

武内 グループ的には30周年で、前のライブからは15年ぶり、トークライブからは5年ぶりになりますけど、プライベートでは頻繁に会ってるので、再会って感じではないです(笑)。

中野 しょっちゅう集まってるんです(笑)。「15周年やけどライブやる?」「今度30周年やでー」みたいに、雑談から復活が決まって、今までつながってる感じですね。

――お二人が撮影の合間も楽しそうにお話されているのを見て、とてもいい関係だなと思っていました。

武内 それを見られていたのは恥ずかしいです(笑)。

中野 普段からあんな感じなんです(笑)。

▲撮影の合間も二人の楽しそうな笑い声が響いていた

――今回の復活の経緯はどうだったんですか?

武内 去年の11月に、メンバーの古谷(文乃)の家でご飯食べてたときに「来年どうすんの?」っていう話になって。今、古谷って稲葉(貴子)と『(s)pirit color(ピリットカラー)』っていうユニットで音楽やってるんですけど、そこで当時のファンの方から「来年30周年だし、なんかやって!」と言われてたらしくて。それで「次こそはちゃんとやりたい」って。私は「えー、無理やろ!」って基本、反対派なんです(笑)。

中野 私は断然やりたい派です(笑)。じつは、5年前にやった25周年トークライブも、「OPDは歌ってきたグループだから、せめて2~3曲でも歌いたい」って主張したんですけど、却下されたんです(笑)。

――そんな!(笑) 武内さんが反対する理由は?

武内 やりたい気持ちはわかるんですよ。でも“やりたい”のと“できる”のとは違う。アラフィフの私たちが“歌って踊る”のは、やるのも見るのもキツくないかと(笑)。それに普段の生活もあります。昔は若くて、がむしゃらに打ち込めたけど、今はこれだけに集中することもできないし……。

――でも、ファンからすると現役当時みたいなライブが見たいんだと思います。

中野 ですよね! トークをしてたグループじゃなくて、歌ってたグループだから。私がファンなら聞きたいと思う!

武内 それをすぐ言う(笑)。こんな話を、たぶん5年周期ぐらいで繰り返してます。15周年のときには、みんなファンの前でやりたくてウズウズしていたので、しっかり歌って踊ったんですけど、めちゃくちゃ大変だったんです。

中野 あのときは1年前から稽古し始めてたよね。

武内 5年前は押さえ込んでトークライブにすることができたんですよ(笑)。

中野 それで今回は、今年に入ってから、いろいろ考え始めたんです。5年前は却下されたので、“次の機会には歌を! 数曲でいいから歌を!”って。それが実現したのは、たぶんみんながやりたがってたんですよ。

――皆さんの気持ちが一致したというのを聞いて、ホッとしました。“無理やろ”から“ステージに立つ”までには、何が必要になるんですか?

武内 何も必要じゃないです、気持ちだけ(笑)。「よっこいしょ」って重い腰を上げるまでの覚悟。

中野 今回、写真とかも新しく撮り直してもらったときに、由紀子ちゃんが「ここまでやるなら、ふんわり復活じゃないね」と言ってたのを覚えてる。

武内 まあ、別にグループが存在してるわけでもないし、もう一旗あげたい!っていうわけでもないので、現役を離れても仲良くずっといたメンバーが、ファンのみんなと思い出を作ろう! ぐらいの、そんな感じなんです(笑)。

中野公美子は「自分大好き」担当

――今回、楽曲もライブもセルフプロデュースということですよね。それぞれどういう役割分担ですか?

武内 古谷は曲を作ってくれてるし、稲葉はファッションとか美容とかメイクについて、的確なことを発信してくれるし、上田は(美穂)は自分自身オタクなんですよ。だから「ファン目線だと、こういうのがうれしい」ということを、しっかり教えてくれる。で、コミ(中野)はなんだろうな…(笑)。

中野 なんでしょう(笑)。美容は大好きですし、いろいろお伝えすることはできるんですけど、自分で何かできるわけじゃないし。

武内 で、ずっと考えてたんですけど、コミは“自分大好き”なのが役割だと思う。

中野 えーっ、そんな役割ある!?

武内 普通はない、でもコミはそれでいいと思う(笑)。「私は、めっちゃOPDが大好きなの!」とか言ってるけど、結局は自分。撮影のときも鏡の前から動かないし、前髪をミリ単位で調整してるし(笑)。

――(笑)。でも、それがグループ全体の雰囲気を明るくしたり、モチベーションを上げているのかもしれないですね。

武内 そうなんです! コミが言い出したことは最初みんな否定するんですけど、最終的にはそこに行ってるっていう。だから、この人が言い出さなければ、みんな文句を言いながらも「やろうか!」ってことにはならないんですよ。

中野 そういう役割でお願いします!

▲「自分大好き」担当みたいです(笑)

現在の武内由紀子は99%お母さん

――ライブに向けて、今はどういう日々ですか?

武内 あとはもう、私たちが練習するのみですね。皆さん生活もあるし、子どもがいるメンバーもいるので、子どもたちが学校や幼稚園に行ってる午前中からお昼過ぎまでの4時間、週に2回で集中的に稽古してます。

中野 15年前のライブの映像を見ながら思い出す作業ですね。あのときは、現役の頃のことを思い出しながら練習したんですけど……。

武内 今回は、15年前の映像を見ながら、30年前を思い出しながらやってます。

――しっかり“歌って踊る”は15年ぶりとのことですけど、前回と何か変化はありますか?

中野 記憶力の低下です。もう1回やったら……。

中野・武内 (声を合わせて)すぐ忘れる!(笑)

――あははは(笑)

▲一番の敵は「記憶力の低下」と声をそろえる二人

中野 練習します、おさらいします、ここまではできました……っていうところで、関西に住んでる美穂に送るための動画を撮るのに、フリをやり直すんです。けど、今やったばっかりなのに、みんな同じところでパって止まってしまう(笑)。

武内 やり直すと全然覚えてないんですよ。週2回の練習で、前回「よし、これで大丈夫!」ってなったところが、次行くともうゼロです(笑)。記憶力もそうですけど、15年前とは生活もガラリと変わりました。

――たとえば何がいちばん変わりましたか?

武内 普段は本当に“お母さん”なんです。生活の中の99%がお母さんで、1%ほどたまにタレント業をさせてもらったりしている感じですね。

――特別養子縁組で、2人のお子さんを迎えられて、この制度に関しても積極的に発信されてますよね。

武内 そうなんです。子どもたちを授かった経緯は、ちょっと人とは違うかもしれないんですけど、生活は本当に普通。普通のお母さんをやってることが生きがいというか、楽しい。18歳の成人まではずーっと見ていたいと思ってるんです。

――OPDの活動に関してはどう思われてるんでしょうね。

武内 よくはわかってないと思いますけど、本当に期間限定なので。子どもたちに対しては「ごめんね、今ちょっと出かけること多いけど」って感じです。11月11日のライブと翌週のサイン会が終わったら、私はまた日常に戻っていくので、だからこそ今は一生懸命に取り組むことができてると思います。

▲子どもたちが18歳の成人になるまではずーっと見ていたいんです

――そう考えると、今の活動、ファンの方は1ミリも見逃しちゃダメですよね。

武内 ホント、そうなんですよ! でも見逃されてる気もする(笑)。

――中野さんは、いかがですか?

中野 私は今、何か新たなことにチャレンジをしている実感があります。美容にすごく興味があって、化粧品検定の資格を取ったり、モデルのお仕事もさせていただいたりするなかで、OPDの活動はやっぱり新鮮ですね。

年齢を重ねたなりに、自分の体の変化がよくわかるんです。普段生活してると、そんなに自分の体って意識しないんですけど、自分と向き合う時間が増えて、マシンピラティスなんかも始めてみました。結果、体の歪みを知ることができて、元の状態に戻す作業にも取り組めてます。

30周年記念ライブのここが見どころ!

――最後に、今回のライブの見どころを教えてください。

中野 今回27年ぶりになる新曲は古谷が作ってくれたんです。で、詞に関してはファンの皆さんに「OPDにまつわる切なくて懐かしいフレーズを」って募集したんです。そしたらたくさん送っていただいて。

「皆さん作詞家だね!」っていうぐらい、心がキュンってなっちゃうような素晴らしい言葉が散りばめられているのが、『ナツカセツナ』っていう新曲なんです。だから、これはファンの皆さんの曲でもあるんです。これを、ぜひ生で聞いていただきたいです。

これまで年齢のこととか言ってきましたけど、私たちが老体に鞭打って(笑)、歌って踊るところを見ていただいて、「こんな年代でも頑張れば、ここまでいけるんだ!」って、元気を与えられるようなライブになったらいいなって。どこまでのレベルに仕上がるかは……ちょっと未知ですけど(笑)。

武内 やれるところまで頑張るけど、最悪ギブで(笑)。

中野 ギブアップは私が阻止します(笑)。

武内 まあでも、とにかく最初は「練習もそんなにできないし、歌って踊りはするけど、そんなすごいことはできないよ」と言ってたんですけど、結局、いろいろリハやっていくうちに、あれもこれも!ってやりたくなってきて、しっかりしたライブの構成になってしまいました……って、自分らで決めたんですけど(笑)。

ファンの皆さんには、“こんなことあったね、あんなこともあったよね”って昔を懐かしんでもらいながら、私たちも一緒に昔を振り返ります。そして、それと同時に、“そんな今の私たちが歌って踊る”っていうところが、一番の見どころかなと思っています。昔を思い出しつつ、今の私たちも楽しんでもらえるライブにはなると思います。

▲ファンの皆さんに元気を与えられるようなライブにしたいです!

(取材:武田篤典)


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