中川大輔の“素”に近い自分を披露したAmazonオリジナルドラマが公開!

2022年9月16日(金)より、Amazon Original連続ドラマ『モアザンワーズ/More Than Words』がプライム会員向けに独占配信を開始した。

本作は、同じ高校に通う親友の美枝子(藤野涼子)と槙雄(青木柚)が、一緒に始めたバイト先で出会った大学生・永慈(中川大輔)とつるむようになる。ある日、永慈が槙雄のことが好きだと言い出し、二人は結ばれることに。しかし周囲が交際に反対し、二人の仲を引き裂こうとするが、美枝子は二人のために彼らの子どもを産むことを決意。愛し合う男性同士と、それを見守る一人の女性の日々を綴る物語となっている。

その永慈役に抜擢されたのは、メンズノンノの専属モデルとしてデビューし、近年では俳優としても活躍の場を広げている中川大輔。LGBTQ+や出産など現代の重要なテーマを含む本作で、新たな挑戦を試みた。

▲中川大輔インタビュー

俳優は自分の活動の主軸となる仕事

――モデルや漫画制作など、いろいろなフィールドで活動をされていますが、ご自分にとって俳優業はどんなふうに捉えていますか?

中川 自分発信でできることを考えて、いろいろな活動に挑戦していますが、俳優は依頼をいただいて成立するお仕事ですよね。誰かに求められることで自分の役割が活かされる俳優は、自分の活動の主軸となるお仕事だと思っています。自分発信の活動の経験も、俳優業に活かすことができたらいいなと考えています。

――表現したりアウトプットすることが好きなんですか?

中川 考え込むことができない性質・性格なので、考えるより行動しようと思ってアウトプットしている感じです。たしかに、ほかの人よりも表現欲が強いのかもしれません。もともと両親が何かを作ることが好きだったので、無意識に受け継いでいるのかもしれません。

――美大の建築科を卒業していますが、学生の頃は建築関係の仕事に就きたかったんですか?

中川 もともと美大に行きたいという想いがあったのですが、両親を説得するのが大変そうだと思いまして。建築を勉強したいと言えば理解してくれるのではと(笑)。

――本当は、ご両親が立てた自宅の建築が風変わりで、建築に興味を持ったんですよね。

中川 そうです。建築は絵画や彫刻とは違って、社会に影響を与えることが多いんです。例えば、好きなようにド派手な家を建ててしまうと、その周辺の景観を崩してしまうので、それは建築家の役割を全うしていないということにもなり得るんです。そういったことも含めて、建築の面白いところだと思います。

――ちなみに、大学での勉強が役者に活きていることはありますか?

中川 ひとつの作品に対してどれくらいエネルギーを注げるか? という部分は同じなのかなと感じます。大学時代に作っていた作品も、寝る間も惜しんで頑張って作ったもののほうが、評価してもらえるという実感はあったので。それと感性を磨くことが大切なのも同じ。学生の頃も、休みの日に美術館などに行っていましたが、卒業してからも俳優の仕事に活かせたらいいなと思って、出かけるようにしています。

▲俳優は自分の活動の主軸。自分発信の活動や経験を俳優業に活かしたい

LGBTQ+や出産などテーマが重くて難しさがあった

――最新出演作となるAmazon Original連続ドラマ『モアザンワーズ/More Than Words』は、愛し合う男性同士と、それを見守る一人の女性の日々を綴る物語です。題材や設定に難しさがあったと思いますが、最初に台本を読んだ印象を教えてください。

中川 同性愛や出産のことなどテーマ自体が重くて、台本を10話まで読んで本当にこの作品に自分が携わるのか……と思いました。ただ、それぞれの役柄を見ると、本当に優しいキャラクターたちによって作品が成り立っていると感じたので、この優しい世界観をしっかり作っていきたいと思って。その想いを台本に書きましたし、誰かのためを想いながら生きている姿を読み取って、自分もそうありたいという気持ちを演技の軸にしました。

――中川さんが演じた永慈は、同じ男性である槙雄(青木柚氏)に恋心を抱く大学生ですが、彼の人間像をどう理解しましたか?

中川 ひとりの人間として、彼が育ってきた環境や考えていることに関しては、ものすごく理解できたんです。永慈の実家は裕福で、特に大きな壁にもぶつからず、他人から弊害を受けずに生きてきた。自分も似たようなところがあるんです。

それがある種のコンプレックスでもあるのですが、だからこそ人に対して優しくもできる。作中にも、「自分は恵まれ過ぎているので、これ以上望んでしまったらバチが当たる」みたいなセリフがあるんです。そういう部分にも人間像が現れていて共感しました。

▲連続ドラマ『モアザンワーズ/More Than Words』で永慈役を務める

――その一方で、同性愛者という部分への理解・解釈はどうでしたか?

中川 やはり、その部分はちゃんと理解しなければいけないと思い、撮影に入る前にLGBTQ+の監修の方からお話を聞いたりしました。当人にしかわからない悩みや、苦しみを抱えながら生きていらっしゃる方もいるかと思うのですが、昔よりも受け入れられる時代にもなってきたのかなとは思います。

セリフにも、今どきの子だからカミングアウトしても大丈夫かなと、という状況もありますし、そういうことも含めて、なるべく現代の同性愛者の感覚を大切にしました。

――ちなみに、中川さんの世代は、LGBTQ+に対して理解があると感じますか?

中川 偏見などはなかったと思いますし、多様性を大切にしていこうという考えのなかで生きてきた世代だと思います。好きなものを好きだと認めていく、という感じで。ただ、いろいろな人のいろいろな価値観があるので、この話題は本当に難しいと思います。

――LGBTQ+の監修の方とお話をされて、印象に残っていることはありますか?

中川 何人かとお話をさせていただきましたが、やはり人それぞれだなと。例えば、家族がフランクな人柄だったら、躊躇せず打ち明けることができたという方もいましたし、逆に直接は言えない人、言えないけど察してほしいという人もいたり、本当にさまざまなんですよね。

演じた永慈の場合は、家族がフランクな人ばかりなので大丈夫だと思っていたけど、実際は全然理解してもらえない状況がありました。そう考えると、自分の親に自分のセクシャリティを理解してもらえないのは、寄りどころがなくつらいですよね。

▲難しいテーマだったが真摯に取り組んだ

自分の素の部分を出すことができた

――物語では、槙雄に恋心を抱くことになりますが、彼のどういうところに惹かれていったと思いますか?

中川 最初はいきなり後ろから抱きつかれたり、そういうあざとい部分にドキドキしていたと思います。その後、正直に自分の気持ちを打ち明けますが、同性愛だとしても、それまでと変わらず接してくれたので、信頼を寄せることができたのかなと思います。

――永慈と槙雄、そこに美枝子(藤野涼子)が加わり物語が進んでいきます。三人の関係性が非常に重要なポイントになりますが、お芝居で心掛けたことはありますか?

中川 ドラマが進むごとに、どんどん三人の関係性が変わっていくんです。最初は槙雄と美枝子が仲が良いのですが、後に永慈と槙雄がどんどん仲良くなっていく。三人の関係性が状況によって変わっていくのがこのドラマの面白さでもあるので、見た目でも変化がわかるような工夫がされています。

例えば、最初のほうの永慈が自分の車を運転しているシーンでは、後部座席に槙雄と美枝子が座っているんですが、関係性が変わっていくと、その座り位置も変わっていく。そういう変化も見どころだと思います。

――登場人物全員が人間味あふれていますが、そのなかでも中川さん演じた永慈の人間性が鍵を握るのかなと。

中川 監督や共演者の方にも言われましたが、この作品は本当に永慈が魅力的じゃないと物語に説得力が生まれないんです。なので、男女どちらから見ても魅力的な青年になるように頑張りました。

良かったと思うのは、先ほども言ったように、永慈と自分との共通点が多くて、自分の素の部分を出すことができたというところ。永慈を見ると同時に、中川大輔ってこういう部分もある人なんだって知ってもらいたい。今回はそう思える役柄をいただいて、すごくうれしかったです。

――お芝居の部分で収穫はありましたか?

中川 『ボイスⅡ 110緊急指令室』のときはサイコパス的な人物、『花嫁未満エスケープ』では彼女に迷惑を掛ける男といった感じで、今までは攻めるお芝居が多かったんです。なので、誰かがアドリブでセリフを言っても、そこに自分も乗っかっていく姿勢でした。

でも今回は、完全に受けのお芝居だったので、だれかのアドリブも反応せずに傍観していたり、落ち着いて周囲を見ることができて。今まで攻めのお芝居が楽しいと思っていましたが、受けも楽しいと思えて新鮮でした。

▲本作で受けのお芝居が楽しいと感じられた

考えるよりも行動。だから今の自分がある

――俳優以外の活動についてもお聞きしたいのですが、最近は油絵を描いているそうですね

中川 はい。自分の個展をテーマにしたファンイベント『中川大輔 Fan Event 2022 -ATELIER-』〔10月15日(土)に神田明神ホールにて開催〕に向けて作品を作っているのですが、そのひとつが油絵なんです。油絵が好きなのは、何度でも描き直せるところ。大雑把な性格なので、相性が良いのかもしれません。

――どんなものをモチーフに描いているんですか?

中川 ファンイベントで展示するものなので、見ただけで元気になるような、色彩や構図を明るく楽しいものにしています。今ちょうどユリの花を描いていて、マジョルカ壺という不思議な柄に花を差して描いています。

――油絵って無限に描き続けることもできると思うんですが、最終的にどのタイミングで完成になるんですか?

中川 僕は名前を描いた時点で完成としています。この前『ブルーピリオド』というマンガを読んでいたら、登場する美術予備校の先生が「諦めたらそこで終了」を文字って、「諦めたらそこで完成」というセリフが出てきて、本当にそうだなって。満足する点を自分で見定めるのもセンスかなと思っています。

▲10月15日に開催するファンイベントは自身のアート作品を展示する

――ということは、ファンイベントでは、いろいろな作品を展示する予定なんですか?

中川 そうですね。看板、ペイントTシャツ、コンクリートで立体を作ったり、本当に学生時代と同じことやっています(笑)。

――自分でも作品を描いていますが、マンガも好きですよね? 最近のオススメはなんですか?

中川 最近は『ひらやすみ』(真造圭伍/ビッグコミックス)が好きです。写真家の石田真澄さんに教えていただいたのですが、本当に何気ない日常マンガなんです。物語は、平家に住んでいるフリーターの青年が日常をのんびり過ごしていて、それを切り取っています。そこに美大生の妹が登場するんですが、自分との共通点も感じたりして。

杉並が舞台なんですが、自分にとって“ゆかりがある街”なので、シンパシーを感じながら読んでいます。主人公がのんびり生きているので、ホッと一息できますし、気が楽になるマンガです。そのなかで、ホロっとくる感動話もあったりして。なにより、絵が全コマ魅力的で、作者の真造さんのこだわりが詰まっていて、読んでいるだけで心が満たされます。

――中川さん自身は、生きていくうえで自分なりのモットーみたいなことはありますか?

中川 最初にもお話しましたが、あんまり考え過ぎずに、考えるより行動してしまおう! という感じです。メンズノンノのオーディションも、何も考えずに受けてみようという感じでした(笑)。でも、そのおかげで今の自分がありますから。

――ということは、明確な目標はあまり立てないタイプですか?

中川 近い将来に関しては立てたりします。俳優業でいえば、歴史が好きなので、“NHKの大河ドラマに出演したい”です。モチベーションが上がるような目標があることで、自分も行動しやすくなりますから。

――今、何をやっているときが幸せですか?

中川 現場が好きなんです。大勢のスタッフの方々と一緒にロケに行って、そのなかで準備をしていると「自分って現場が好きなんだな」と実感します。あとは絵を描いていてうまく描けたときだったり、台本をいただいて最初は理解できなくても、こういうことか! と気づいたときもテンションが上がります。

――今後もいろいろな活動を形にしていくと思いますが、これからの活躍に期待しています!

中川 ありがとうございます。まずはドラマを見ていただきたいです。共演者の方も豪華で、音楽や映像も綺でカッコいいので、ぜひ楽しんでください!

▲近い将来の目標は大河ドラマに出演すること! 

〈鈴木 貴視〉

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