青木さやか「50歳の晩夏、体のあちこちが痛み始めた。むくんだ足は上がりづらく、何もないところでつまづきそうになる」【2023編集部セレクション】
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青木さやかさんの連載「50歳、おんな、今日のところは『……』として」――。青木さんが、50歳の今だからこそ綴れるエッセイは、母との関係についてふれた「大嫌いだった母が遺した、手紙の中身」、初めてがんに罹患していたことを明かしたエッセイ「突然のがん告知。1人で受け止めた私が、入院前に片づけた6つのこと」が話題になりました。
今回は「腰痛」です。
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腰痛によって感じた血の繋がり
そういえば、ずいぶん前から腰が痛くて体勢を変えながら誤魔化してみたり、年齢的に仕方ないかな、まあまあ、と頭も誤魔化してみたりしてきたが、これは、生活に支障をきたすぞ、となってきた。
腰だけではなく、あちこちと痛い。
どこ、というと、ここ!と言えないほど、あちこちなのだが、踵とか、腿とかで、筋肉が痛いのか、骨が痛いのか、よくわからない。朝起きると、足も手も随分と浮腫んでいるような気がする。いや気のせいではないぞ。妊娠中の足首のようになっている。足は上がりづらく、何もないところでつまづきそうになる。パンツを履くときも足が上がらず、腰も曲がらず、気合いを入れる始末。起き上がる時も力が入らず一苦労。
これは、誰かに、似ている、と思ったら
そうか。95歳の名古屋の祖母の動きに似ていた。起き上がる時や下着をつけるときの動作。似てる!やっぱり血の繋がりって素敵!わたしのおばあちゃん!と喜んでる場合ではない。わたしは、おばあちゃんの歳まで生きるとしたら、あと45年あるのだもの。できればおばあちゃんのように、自身の足で歩きたい。
からだ改善! まずは病院へ
からだ改善に乗り出すことに決めた2023年。晩夏。
まずは病院へ。
ネットで調べてみたところ、更年期の症状の一つに、骨の痛み、というのがあり、これなのかな、と素人なりに想像。
もう一つは、リウマチ。
リウマチって、いい歳の人がなる病気かと思っていたが、50歳は最早、いい歳なのかもしれない。
土曜日の朝の1番で、かかりつけの病院の予約をとり、待ち合い室で待つこと1時間半。仕方がないが、病院は待つのが仕事だ!
名前が呼ばれ、先生と対面し、今の状態を伝えた。
更年期か、リウマチか
「さやかさんね、今日は血液をとって、後日MRIを撮りましょう。で、結果はまた、その後に話しましょう」
「血液で、更年期が理由だとか、わかるわけですか?」
「わかりますよ」
「更年期か、リウマチかなって、昨夜スマホで調べましたところ」
「リウマチは違うんじゃないかと思いますよ」
「そうですか」
「リウマチは手の指の関節が痛む方が多いですけど、指の関節は痛みは、ないんですよね?」
「そうですね、はい」
「色々な理由が考えられますからね。検査して、はっきりとさせましょう。そこから治療を考えましょう」
「はい」
「もちろん更年期でもこういった症状は出ることがありますし。長年身体を使い続けていますから、その重みで痛みがくる、ということもありますから」
やはり。標準体重にしておく、ということは、足腰への負担を減らす意味でも大事だということなのだ。
たしかに、今の体重はベストではない。7キロくらい痩せたい。
先日、自分をテレビでみて驚いた。
ウエストがなくて!樽みたいで!顔は上手にメイクして笑っていたから可愛かった!可愛い顔に樽で、まるでアザラシのようで超可愛かった!(涙)
ベテランの域のわたしの下半身
ただただ、綺麗になりたくてダイエットをしていた、かつてのわたしが懐かしい。今となっては、下半身の為にも、体重をコントロールしなくてはならない。
50歳。
美空ひばりの不死鳥伝説は、なんと50歳の時だという。
大ベテランじゃん!
青木さやかが大ベテランかどうかはおいておいて、ベテランの域にきているであろう、わたしの下半身の為にも。
もう一度言っておこう。
からだ改善に乗り出すことに決めた2023年。晩夏。
11/15 12:30
婦人公論.jp