『虎に翼』桂場ら最高裁の判決に「みんな怒ってる」と声を荒げる朋一。対する寅子の態度に視聴者「寅子が<はて?>を諭す側に」「穂高化」「桂場と若手の衝突フラグ?」

(『虎に翼』/(c)NHK)

9月11日の『虎に翼』

現在放送中の伊藤沙莉さん主演・連続テレビ小説『虎に翼』(NHK総合/毎週月曜~土曜8時ほか)。第24週「女三人あれば身代が潰れる?」の118回が9月11日に放送され、話題になっています。

*以下、9月11日放送内容のネタバレを含みます。

久しぶりに星家を訪れた朋一(井上祐貴さん)は、最高裁が出したある判決に大きな不満を抱えていた。

朋一はのどか(尾碕真花さん)が恋人と結婚を約束していることを聞き出し、航一(岡田将生さん)と寅子(伊藤沙莉さん)に打ち明ける。

昭和44年5月、安田講堂で逮捕された学生たちの刑事裁判が始まる。美位子(石橋菜津美さん)の裁判は一審が行われるが――といった話が描かれました。

あらためてあらすじ

ドラマ内で寅子が帰宅すると、久しぶりに家を訪れた長男・朋一と夫・航一が強い口調でやりあっていました。

「裁判官は文句も言わずに働けっていうんだね」と言う朋一に対し、「その結論は短絡的すぎるんじゃないか」と反論する航一。

どうやら二人は最高裁で出た判決について言い争っていたようです。

寅子がその場に居合わせたのどかと優未にも分かるように説明して、と頼むと、朋一は「勤務評定に反対した東京の教員が、有休を使って闘争に参加してほしいとほかの教員に呼び掛けて、その行為が違法だと起訴された」。その理由として「公務員法で争議行為が禁止されているから」と話します。

対して寅子は「でも最高裁は無罪判決を出した。教員が争議をする権利が保障されている、ってね」と補足します。

わたしもあなたも一歩一歩ね

すると朋一は、続けて「それなのに、同じ日に出た最高裁判決で仙台の裁判所職員が日米安保反対の集会を開いたことには有罪判決が確定した」「おかしいだろ! 同じ公務員なのにこの差は! 僕が開いてる勉強会の連中もみんな怒ってるよ」と声を荒げます。

対して「裁判官は政治的に偏ってはいけない。あくまで法の下にすべての判断をすべき立場にいるんだよ」と助言する航一。

しかし朋一は「そうかな…。裁判官だって人間だよ? 何ももの申してはいけないなんておかしいでしょ? ねえ寅子さん」と寅子に意見を求めます。

すると寅子は「多くの人は変化を過剰に恐れるもので、男女平等に近づけばぶり返しが来る。なかなか変わらなくても声を上げることに意味がある…。わたしもあなたも一歩一歩ね」と答えます。

それを横で聞いていたのどかと優未は、やや納得いかないような顔をするのでした。

寅子の姿に想起するのは…

桂場が長官を務める最高裁の判決に不満を見せる朋一。かつてであれば真っ先に怒りを示しそうな寅子が「一歩一歩ね」と朋一を諭す姿に、かつての穂高先生と寅子の関係を想起した視聴者も多かったようです。

ネットでは「『はて?』を唱える朋一を諭す寅子。<雨垂れ石を穿つ>穂高先生の立場に回ったか…」「昭和25年に尊属殺人規定は違憲だと声を上げた穂高先生の姿が、昭和44年になって各所で」「そもそも穂高先生の言った<雨垂れ>は、かつての寅子が怒ったような<ムダ>という意味ではなかったのでは。寅子もそのことに気づいたのかな」「桂場が率いる最高裁の判決に不満を示す若手裁判官。これはもしやフラグ…」といった声があがっていました。

朝ドラ通算110作目となる『虎に翼』は、日本初の女性弁護士で後に裁判官となった三淵嘉子(みぶち・よしこ)さんがモデル。昭和の法曹界を舞台に、激動の時代を描いたリーガル・エンターテインメントです。

仲野太賀さんや石田ゆり子さん、松山ケンイチさんらが出演し、尾野真千子さんが語りを担当。脚本は吉田恵里香さんが、主題歌『さよーならまたいつか!』は米津玄師さんが手掛けています。

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