三浦宏規さんが『徹子の部屋』に出演、舞台への思いを語る。『キングダム』で共演の山口祐一郎さんの印象とは「最初の稽古で『本物の祐さまだ。実在したんだ!』と震えた」

三浦宏規さん(左)と山口祐一郎さん(右)(撮影:木村直軌)

三浦宏規さん(左)と山口祐一郎さん(右)(撮影:木村直軌)
2024年6月11日の『徹子の部屋』に三浦宏規さんが登場。上京のきっかけや家族との思い出、その他にも趣味の生け花について話します。今回は、舞台『キングダム』で共演した山口祐一郎さんと語り合った『婦人公論』2023年1月号のインタビュー記事を再配信します。


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堂々たる風格と佇まいはまさに「帝王」、日本のミュージカル界を牽引してきた山口祐一郎さん。そして、バレエ出身ならではの美しいダンスと甘い歌声で、今、引っ張りだこの新星、三浦宏規さん。帝国劇場の舞台で、その二人がタッグを組む。舞台へかける情熱は――(撮影=木村直軌 構成=上田恵子)

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【写真】山口祐一郎「ちょうど自分の孫の世代で宏規さんのような人が現れた」

「本物の祐さまだ。実在したんだ! 」

三浦 祐さんとは、2022年11月まで上演していたミュージカル『ヘアスプレー』で、初めてご一緒させていただきました。最初に生で、しかも間近で祐さんの稽古を見た時は、「本物の祐さまだ。実在したんだ!」と震えました。

舞台上で空間を支配して、観客を含めたその場のすべてを掌握なさる姿に、毎回圧倒されています。

山口 ミュージカルは踊り、歌、芝居という3つの要素からなるものですが、僕はこの3つをリミットなしでのびのびと表現できる人の登場を、ずっと待っていたんです。待っているうちにおじいちゃんになってしまったけれど(笑)、ちょうど自分の孫の世代で宏規さんのような人が現れた。

この大変な時代に、生きる喜びとか夢とか希望といったものを体現できる逸材が目の前に登場してくれたのですから、もう鳥肌ものでしたよ。舞台上で歌い踊る宏規さんを見て、重力がなくなるってこういうことかと思いました。

三浦 うわあ……そんなふうに言っていただけるなんて。胸がいっぱいで、すでに涙目です。僕のほうこそ、今日まで祐さんの舞台をたくさん観せていただいてきました。

さらには、ご一緒した『ヘアスプレー』の稽古場での時間と、そこで話してくださった、たくさんのこと……。ものすごく貴重な機会をいただいたと思っています。

山口 舞台俳優の企業秘密とでも言いますか、何気ないキーワードやちょっとしたアドバイスをね。そんなことで、フワッと問題が解決する場合もあるので。

三浦 技術的なことはもちろん、それ以前に三浦宏規という人間のあり方、そして役者としてのあり方について、親身になって教えていただきました。本当に感謝しかありません。でも、どんな言葉をかけていただいたかはここでは言えません。それは僕だけのものなので。

山口 そう、誰も知らなくていいんです。三浦くんと山口くんだけがわかればいい(笑)。と同時に、いろいろなしがらみに縛られている僕自身も、宏規さんのようにまっすぐに突っ走っていた頃の気持ちを忘れちゃいけないと再確認できました。

それにしても、宏規さんのことは勝手に30歳くらいだろうと思っていたので、まだ23歳だと知ってビックリです。やっぱり僕の孫ですね。(笑)

舞台『キングダム』で再び共演

三浦 2023年には舞台『キングダム』で、再び祐さんと共演させていただけることになりました。大ヒット漫画が原作で、アニメ化、実写映画化もされている作品です。僕は、のちに始皇帝となるえい政とともに史上初の中華統一を目指す戦災孤児の少年・信を演じます。

祐さんが演じるのは、謎めいた大将軍・王騎。王騎将軍となった祐さんを観るのを、すべてのお客さんが楽しみにしていると思います。

山口 1億2000万人しかいない島国で、原作の漫画が9200万部も売れている。一社会人として生活するには、これを知らないと許されない作品になっているんですね。漫画も全巻読ませていただき、アニメと、実写版の映画も観ています。

実写版で大沢たかおさんが王騎を演じられるのを観て、本当に素敵だと思いました。原泰久さんの原作によって、演じる方一人一人が、その人自身も気づかない、「私はこういう存在であるのだな」とあとで気づくような作品になっていると感じましたね。

三浦 祐さんが演じる王騎将軍を、誰よりも近い場所で見られる――。僕はなんて幸運なんだろうと思います。さっきキャストが集合して告知用の動画を撮った際、それまでは僕も他の5人(高野洸、小関裕太、牧島輝、鈴木大河、神里優希)もワイワイ騒いでいたのに、祐さんが登場した瞬間にガラッと空気が変わって。まさに「王騎将軍が来た!」と身が引き締まりました。

山口 そんな感じだった?(笑)

三浦 はい。祐さんの「キングダム!」という掛け声を聞いた時は、あまりの迫力にゾクゾクして、次に自分が何を言うか忘れてしまったくらいです(笑)。あれは実際に稽古に入ってからお芝居に活かせる出来事だったなと思っています。

でも、そんな威厳のある祐さんなのに、普段はこうやってフレンドリーに温かく接してくださるじゃないですか。大、大、大後輩としては、ものすごくありがたいです。

山口 稽古が始まるのが、今から楽しみですね。

<後編につづく

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